5直遜色電車「東武9000系」やっと更新?

この春に東武鉄道の投資計画として9000系系列の更新準備に入りますというアナウンスがありました。いわゆる置き換えをします宣言なんですが、今年度中に「新型車両の設計業務を実施します」というかなり前段階での発表で新車自体が出てくるのは2~3年先ってところなんでしょうか、ここまで早くアナウンスしなくてもいいんじゃない?って感じなんですが、早く言わないといけないプレッシャーは副都心線や東横線を日常使う人にとってはよくわかる・・・↓

(写真:学芸大学~都立大学、2020.12)

・・・ドア上LCDモニターがない、走行音がうるさいしなんか油臭い、照明が薄暗くて壁面や床面がとても汚い...この9000系って今や東横線や有楽町線では遜色ぶり最高な車両なんです。特に西武40000系が増えてきて余計に目につくようになりました。東武も感づいてるんでしょうね、50000系のLCD付きなんかも投入していますが、余計にこの9000系が目立つばかり。↓

(写真:田園調布~多摩川、2024.6)

東横線や有楽町線に乗りなれてると9000系の薄暗い汚い電車はすぐにわかります。壁に服があたると汚れが付くんじゃないかってくらい汚い車両もありますからね。↓

(写真:上板橋~ときわ台、2020.9)

内装よりも安全で定時運行ができる性能がまずは大事じゃないかい?ってのもあるでしょうけど、こいつ、よく故障する。チョッパー制御まわりは部品調達にも苦労、JR西みたいに大規模更新しようにも車齢が40年近くになってきてリニューアルにかけるお金が新車と変わらないってのも出てくる。となると、東横線住民はまだまだ汚ねえ車両を使わされるってこと。東横で失敗した?Qシート車両を東武に譲ったら?ってくらいなんだけどね。↓

(写真:田園調布~多摩川、2024.6)

東武って関東大手私鉄の中ではズバ抜けて大きな路線網を持ってるし、多くのローカル線も含むところから、車両繰りはずっとしんどい会社。それに経営としては利益結構出してるけどなぜか設備投資には力を入れない。8000系なんかも車齢50年超えた車両もまだまだ現役で関西私鉄並みの物持ち。この直近は老朽化した有料列車の更新や観光誘致のSLとか、集客&客単価アップに力を入れてきたも、特急は全車両置き換えとはいかず中途半端でいったん終了。通勤車両もやっと野田線の残る8000系車両の置き換えにこぎつけたところでもあり、何かと遅々として進まない...財務諸表からこうした状況を見るにこの会社「ただのドケチ」ってことなんだけど、実際の意思決定はどうなんだろうね。高架化工事とか負担額は小さくはないけど...↓

(写真:川越~新河岸、2024.6)

それに車両繰りは昔から苦しいくせになんか結果的には下手くそ。たとえば2023年春のスカイツリーライン系統のダイヤ改正で10000系っが結構余ってしまったんだけど有効活用できず。しかも実質は車両不足っていうから、なんかようわからん状態だったり。東急田園都市線のケースでも、乗り入れ用として新製した30000系は中間の運転台が邪魔っていわれて追放、新たな住処は東上線に。まあ、30000系って6+4の10両編成だったから特に混雑の激しいニコタマ~渋谷では使いたくなかったんだろう。↓

(写真:大山~下板橋、2020.7)

それに8500系の更新が進みにつれ内装の遜色レベルも差がついてきたってのもあるかな。ちなみに東上線の30000系もなぜか内装がとても汚い。あまり汚れが気にならない会社なのかもしれんが特急はきれいだから明らかに車両に金をかけたくないって価値観の会社とわかる。同様の長距離路線をもつ近鉄なんか古い車両だらけだけど優劣つけずにピカピカにしてるから対照的だ。↓

(写真:川越~新河岸、2020.7)

さてさて、この9000系。登場は1981年と40年以上前。試作車として9101Fの1本が作られ、このあと量産車が1987年登場とかなり年数が空くのですが、これは1987年の有楽町線乗り入れを想定しての車両開発だったこともあったらしい。登場時は最新車両として東武肝いりの電車だったみたい。↓

(写真:上板橋~ときわ台、2020.10)

ちなみに試作車だった9101Fは昨年秋に廃車となってます。晩年は故障が多くて運用離脱が多かった。↓

(写真:ときわ台~上板橋、2020.10)

この9101F、もとは有楽町線乗り入れ用としての開発でしたがメトロでのホームドア設置でドア寸法が合わず、晩年は地上走行限定となってました。前面ガラスの下地色の紺色や行先表示も幕のままで他編成と違って登場時から外まわりは改造されませんでした。↓

(写真:川越~新河岸、2021.2)

ただ10両編成ということで東上線のほかの編成と混ぜ交ぜで使えて運用上気にしなくていい手軽さがあったみたいで、今は亡き快速や...↓

(写真:ときわ台~上板橋、2021.2)

...池袋口で日中見なくなった快速急行にも充当されてました。↓

(写真:上板橋~ときわ台、2021.2)

そして1987年から登場の量産車、9102F~9107F。副都心線開業時にリニューアルされて幕車は消滅。こちら9102F。この9000系、9101Fを除きすべて5直対応なんですが、割と地上運用も多いんですよね。5直は50070型がまずはカバー、不足車両を9000系が担うって運用だからでしょうね。↓

(写真:坂戸~若葉、2021.1)

こちら9103F、9102Fと変わりはないですね。↓

(写真:川越~新河岸、2024.6)

こちら9104F、正面非常口扉が人身事故で交換され若干他編成と違う・・らしい。(ガラス部分がちょっとだけ小さくて角がもう少し丸い)↓

(写真:川越~新河岸、2024.6)

こちら9105F。↓

(写真:上板橋、2021.2)

こちら9106F。↓

(写真:川越~新河岸、2021.2)

こちら9107F、ここまでが量産1次車。↓

(写真:坂戸~若葉、2021.1)

こちら9108Fは1991年に追加増備された編成。電装類は量産1次車と同じも外装側面がコルゲートからビートプレスに変更となり10030型みたいになりました。9000系は電装品等の仕様で9101F~9108Fまでが9000系9000型と分類されています。↓

(写真:川越~新河岸、2023.1)

ちなみに9108Fの正面非常扉ってなんかフィルムはってるんだけど、なんだろうね、これ。他の編成だと磨き上げしてるけどこの編成だけちょっと違う。人身事故でついた傷を隠すためなのかな?↓

(写真:川越~新河岸、2024.6)

続いて9000系の9000型マイナーチェンジ車として登場した9050型。外観は9108Fとほぼ同じも制御系がVVVFとなった車両。1994年登場と新しくはないけど、GTO→IGBTに変更するなど電装周りは手を入れてます。一部報道からは9000系全部の置き換えなのか、9000型だけの置き換えなのかわからないのですが、東武の思想から言えばこの9050型は更新対象外のような気がしますね。ただ経年40年だからわからんけど8000系は50年超えてるのがあるしなあ。で、こちら9151F。↓

(写真:ときわ台~上板橋、2023.2)

こちら最終増備の9152F。内装は9000型よりなぜか汚さがマシ(同じような時期に改造されてたけどなあ)で、これら9050型は10000型がまだ残ってるからそれらの置き換え用に5直撤退にて地上専用に変わるだけのような気がします。...ということで東武9000系のお話でした。(とにかくまだ使うなら車内だけは外部のダ〇キンでも頼んできれいに掃除してくれ、照明も暗いからLEDにして!新車買うより金かからんで)↓

(写真:学芸大学~都立大学、2024.6)