さよなら国鉄電機(2)-九州EF81

2021年度で全検終了宣言となったJR貨物の国鉄電機。前回ご紹介のED76の離脱とともに来春までの撤退が確実視されている九州のEF81。交流主体のナナロクが入れない関門トンネルを専業として本州からの乗り入れ列車のけん引に長年従事。↓

(写真:北川~日向長井、2021.5)

EH500が投入されてからは徐々に活躍範囲を狭めるもナナロクと運用を分かち合ってた感じでしょうか。関門直通貨物も増えたのでEH500のお手伝いをするというほうが正しい表現かな。↓

(写真:千早(信)~箱崎、2013.6)

九州での81は関門トンネル対応の300番台が最初なのかな、1973~75年にかけて4両が登場。ステンレス車体から銀釜と呼ばれて人気ですね。世界的にもステンレススキンの機関車って珍しく、現役ではこいつくらいじゃないかなあ。↓

(写真:枝光~スペースワールド、2017.2)

銀釜のうち2両は他エリア貸し出しの際にローズピンクに塗装されましたが現在はすでに引退。↓

(写真:九州工大前、2014.6)

現存の300番台はこの303のみ。人気あるからか、ここ数年はかなりの確率で運用に就いてます。JR貨物さんの粋な計らいって感じもしますが実際はどうなんだろう。製造から50年近く経つんでメンテはたいへんそうだけど。↓

(写真:立石~中山香、2021.5)

とはいえ、7月以降は北九州~熊本の小さな運用にチラホラ使われる程度になってきていよいよ引退モードになってます。さらに運悪く先日踏切事故に。スカート部分が凹されてるけど、治るんかなあ。。。もし稼働したとしても動態保存機として残れる?電機は部品が電気的レアもの多いから残すとするとどうしても静態保存になるんだろうなあ。↓

(写真:高城~鶴崎、2021.5)

普通に格好いいし外装の状態もいいんで離脱後はどこかの鉄道博物館に収まりそうですが、故障治る前提で引退前は鹿児島貨物や延岡貨物に追悼運用として入れてくれるかもしれませんね。↓

(写真:スペースワールド、2017.2)

続いて九州オリジナルの400番台、オリジナルといっても国鉄末期に0番台を九州仕様に改造したグループ。EF30の更新機が金欠で作れないため状態のいい81を集めて改造したグループ。車番ともともとの製造年月が一致してないので、廃車は車番順というより製造から時間が経ってるものから消えていってます。九州ではブルトレもナナロクに混ざってけん引してた主力機でしたね。↓

(写真:九州工大前、2014.6)

一時は九州内の機関車需要が減って一部が北陸へ転出。こちらの404とか・・・↓

(写真:北条~越後広田、2014.4)

こちらの406も晩年北陸にいました。↓

(写真:柿崎~米山、2012.9)

そして日本海縦貫運用がEF510化されるとまたまた九州へ。406は今は九州に戻ってますが、前述の北陸転出はタイミング的に東日本大震災後の貨物機不足の応援もあったと思うんですが(銀釜も北陸に行ってたしなあ)、ま、交直流機関車って電源に関係ない冗長性がいいんで、災害大国日本としては交直流機の余剰をある程度持っておいたほうがいいんですよね、今回のEF510-300の増強もその含みが入っている感じです。↓

(写真:上熊本、2022.9)

日本海縦貫線撤退後も生き残った81もローズピンクを纏った車両は404と406だけになったのかな。よく見た403はこの春に運用離脱。最近は406しか運用に就いてませんね。↓

(写真:千早(信)~箱崎、2013.6)

600番台の717も日本海縦貫線からの転職組。元117で後期製造車ということで、九州転籍はこれまでの古いナナロクを置き換えた形になりました。こちらもすでに引退しています。↓

(写真:遠賀川~海老津、2015.12)

最近の81の運用を見ると製造年月が若い(といっても30年以上経ってますが)500番台と450番台が積極的に使われてる感じ。どちらもブルー基調の新塗装で馴染みがないカラーリング。500番台は民営化後不足する日本海縦貫線の交直流機を増備するため81をベースにそのまま複製したような車種。日本海縦貫線の510化で九州へ転職してきたグループ。↓

(写真:薩摩大川~西方、2022.8)

ナナロクや81ローズピンク狙いなのに500番台ばっかり来るときもありましたが、この502ってもう廃車してるやん、新しいと思ってたけど銀釜より先に逝きました・・・↓

(写真:吉塚、2019.2)

500番台はこの501だけとなりました。8月はまったく運用に入ってないのでこのまま引退かもしれません。↓

(写真:薩摩大川~西方、2022.8)

もう一方の新塗装450番台は本州⇔九州直通コンテナ増便にて急遽補強用として門司に配備。新規開発が間に合わず500番台と同じく81コピーとなったグループで製造年月が500番台よりあとの平成生まれとあってまだまだ新しい感があるんですが、ま、ヘッドライトの位置が違うって感じくらい?正面車番も814-5Xみたいに見えるんだけどわざとかな。。。↓

(写真:吉野~銀水、2020.3)

でもこの453って廃車なんだよなあ、まだ使えそうだけど国鉄電機はすべて廃車しますって宣言出てるし、でも、こいつは民営化後増備だけどまあ81コピーだからしゃあないのかな。ちなみに453以降はヘッドライトがもとの81と同じオデコ部に変更となっております。↓

(写真:鹿児島~鹿児島中央、2022.8)

450番台も日本海縦貫線へデカセギしていましたね、こっちのほうでよく見たな。。。↓

(写真:柿崎~米山、2012.9)

日本海縦貫線だと走行距離長くて冬場はひどい天候に塩まみれ、労働環境かなり悪いんで引退が早くなったのかもね。↓

(写真:吹越~女鹿、2013.6)

この夏はナナロクよりも離脱が多くなった81、銀釜だけは事故復旧さえすれば最後まで残りそうも、それ以外はナナロクよりも早く消えてしまいそうです。↓

(写真:吉塚、2019.2)

ちなみにJR貨物九州から81が消えると残るはJR東の旅客けん引のみ。もっぱらカシオペア紀行などの臨時か疎開けん引とか超限定的。JR東も機関車は全部廃車しますって言ってますから動態で残るのはないのかもしれません。↓

(写真:象潟~金浦、2013.6)

こんな風景はまったくの幻になりましたなあ、いつでもあった風景なんだけど。まあ、蒸気機関車が消えていったようなものなんでしょうか、いずれ寝台列車って何?って時代が来るんでしょう。。。81のお話は終わりです。↓

(写真:白沢~陣場、2002.7)