スペ:チェコ(3)-プラハ地下鉄&ケーブルカー
プラハの地下鉄は戦前から構想があるも、WW2や共産化のゴタゴタもあって開業は1974年と遅め。防空壕も兼ねているためかなり地下の深いところを走ります。日本の都営大江戸線より深度がある駅もあり、エスカレーターで降りるだけで3分弱かかるとか。特に中心部はどの駅も結構乗降車に時間がかかるので1駅だけ利用となると歩いたほうが早い感じです。 ↓
総延長65kmと中規模クラス、第三軌条1435mm標準軌の一般的な仕様。市電と同じ公共会社が運営します。3路線あり、色分けにてA緑、B黄、C赤と区別されそれぞれの路線で独立した運行をします。2タイプの列車が走りますが車両は共用できるようになっており、すべてが5両編成となっています。 ↓
こちら、現在主力のシュコダ 81-71M。もともとは開業時~共産時代に導入されたソ連製81-717.1/81-714.1でしたが老朽化対応として保存車を除きすべて更新されています。A線とB線で優先的に使われます。 ↓
そしてこちらは2001年に登場した、タトラとアドトランツ、シーメンスの企業ユニットで導入された「M1」。53編成265両が運行中。ほぼC線で使われています。現在建設中のD線開業時にはA/B線へ転籍し81-71Mを一掃、C線車両はすべて自動運転の新型車に置き換わる予定。D線開業は2029年予定ですが、さあ、それまでに完成するのかどうか微妙。。。 ↓
ここではいずれ消える予定の81-71Mが目当てになるんでしょうか、全面はガラス面の新しい顔になってますが側面は鋼製のコルゲート構造、いかにもソ連製って外観ですね。 ↓
A線の中心部の各駅プラットフォームは特徴的なアルミ外壁になってます。 ↓
こちら、空港乗り継ぎ駅のナードラジー・ヴェレスラヴィーン駅。もともとこのA線を空港まで延長しようという計画があったんですが、チェコ鉄道の軌道改良+支線建設に変更、2029年開業予定となっています。先の話なので駅から空港までの連絡バスを環境にやさしいトローリバスに変更する予定だとか・・ということで地下鉄ご紹介終わり。ちなみにプラハ地下鉄って地上区間でも線路を覆うシールドがあり走行区間を撮ることができません。B線終点のZličín駅先にある車庫からの出庫シーンが撮れるかどうか・・・なのかな。 ↓
続いてプラハ交通会社が運営するペトシーンケーブルカーについて。このケーブルカーはチェコ軍団橋の西詰のウーイェズト(Újezd)と展望地のペトシーン山とを結びます。距離510m、所要3分の小さなケーブルカーですがペトシーン山が古くからの観光地ということもあり通常は15分毎の高頻度運転を行ってます。 ↓
途中駅が1つあるんですが、中間地点の車両交換所とペトシーン駅との間にあるのでここに停車するときは片方の車両は何もないところで運転停車をします。 ↓
このケーブルカー、開業は1891年と古いのですが、開業時はウォーターバランス方式。現在の電気式とするためいったん休業。ただ資金調達や工事が滞り15年もかかって1932年に再開業。その後はWW2でも被害を受けずにずっと営業できたんですが、1965年に大規模地滑りによって休業。大半の線路が被害を受けてほぼ廃線となっていましたが1985年にスポーツ大会開催を機に復活となり現在に至るという、いろいろあったケーブルカー。今の車両は1985年再開時に造られたもの。 ↓
現在、再度地滑り対策としてペトシーン山麓の大規模な土木工事が計画されています。2024年からというアナウンスでしたが今のところこのケーブルカーはまだ動いてます。工事が始まると路線の改変も必要となるようで数年間にわたり運休する予定でタトラ製の今の車両も今年で見納めとなります。再稼働時には新たな車両に交換、現在より収容人員が増えるそうで雰囲気かなりかあるんでしょうね。ちなみにこのケーブルカー、丘の上に立つプラハ城への楽なアクセス裏ルートなんですがこの工事中は使えませんね、ご注意のほど。あと、もう1つプラハにはケーブルカーなのかモノレールなのかみたいなのがスミーホフ地区のNHホテル内にあるんですが行けてなくてまたの機会かな。...次回はチェコ鉄道(旧国鉄)ご紹介。 ↓