さよなら国鉄電機(1)-九州ED76

2021年度で全検終了宣言となったJR貨物九州のナナロクことED76。国鉄時代からの交流電気機関車として長年運用に就いてきましたが、代替機EF510-300番台の増備が進み、早ければ今年中にも運用離脱が見込まれる状態となりました。↓

(写真:鹿児島中央~鹿児島、2022.8)

赤字が続くJR貨物としては九州では高額な交直流機/交流機の増備をずっと先送りしてきたんですが、さすがにもうあかんってことでまとめて国鉄時代の機関車は全部交代となったのかな。これまでは関門経由の山陽本線から福岡ターミナルに入る列車を中心にEH500を投入も大規模な置き換えとまでにはならず、富山のEF81晩年製造車を配転したりして全体の機関車更新を引き延ばしてきた感があります。↓

(写真:千早(信)、2011.7)

長崎本線の貨物の廃止や延岡貨物の南延岡コンテナ扱いの休止、大牟田=黒崎の濃硝酸シャトル廃止なんかの将来の物量ダウンを先読みしていたのかもしれません。ただ鹿児島貨物が思ったほど物量落ちなかったのかな?本州からの貨物量はいまだ増加傾向ということで投資の決断をしたのかもしれません。↓

(写真:延岡~南延岡、2011.7)

今回の置き換えで危惧されるのがED76自体の形式消滅。イベントや何らかの牽引業務など用に旅客会社も電機を持ってるものなのですがJR九州はすでにすべての電機を手放しており、JR貨物からなくなると消滅する運命。かつては本州からの寝台列車をけん引していたんですがね。。。↓

(写真:西方~薩摩高城、2004.2)

九州って民営化後もしばらく寝台特急残ってたんですが・・・。↓

(写真:美々津~日向、2003.12)

なぜかナナロクが優先的に使われていたような・・・当時はEH500もなかったし81は関門優先とかの縛りもあったし・・・↓

(写真:伊集院~薩摩松元、2000.12)

九州乗り入れの寝台特急が次々と廃止になっていく中、ナナロクの失業も増え、2009年春にとうとう最後まで残っていた富士/はやぶさ号が廃止になると旅客向け運用は消滅。↓

(写真:植木、2009.1)

確か、JR九州からの完全撤退前にはリバイバル運転をやってくれたんだっけ?↓

(写真:海老津~遠賀川、2010.9)

これ、なんとナナロク3重連+ブルトレ車両の豪華仕立てでしたが、機関車2両はムド状態。まあサービス列車みたいなもんですからね、気の利いた演出でした。↓

(写真:黒崎、2010.9)

お役御免後はあちこちに疎開なのか放置なのか一時留置なのか、ナナロクの塊が止まっていた記憶が・・・こちらは車番から元貨物所属なのかな?今は撤去されています。↓

(写真:西大分、2011.7)

60hzの交流専用機ということもあり、関門は通れなかったけど九州域内限定とはいえ意外と電化区間が多いってのもあったのでしょう、早くに消滅した北海道の500番台と違って大事に使われた感があります。↓

(写真:日代~浅海井、2011.7)

すでに日豊本線貨物は510-300が定常の運用となり、宗太郎越えのナナロクを見ることができなくなってます。↓

(写真:宗太郎~市棚、2011.7)

この延岡貨物自体も財源が旭化成Gと農産加工品が主で荷物の片道過多。ちょっと危ない存在なんで、そのうち見納めが来るかもしれません。まあ、トラックドライバー問題があるのでしばらく延命とはなるかな?↓

(写真:津久見~日代、2011.7)

途中西大分での入れ替えもやってるんですが、こちらもレゾナック(昭和電工)大分まわりの化学品やその派生品なんかの出荷が多い片道過多。大丈夫かなぁ。。。↓

(写真:西大分、2011.7)

鹿児島貨物では1往復2運用残っていますが510-300への置き換えも近そうです。ちなみにこの写真の撮影ポイントは九州新幹線&南九州自動車道の橋脚が絡んで撮影不可能となりました。晴天時に行きたかったんですが・・・残念。↓

(写真:袋~米ノ津、2004.2)

この夏からはナナロク0番台は消滅、最後まで残ったのは2両、こちらの81番と。。。↓

(写真:吉塚、2024.3)

・・・83番。たいへんお疲れさまでした。ちなみに写真のキタンコ、南延岡の貨物って去年7月で終了してしまいました。大牟田向けがなくなった後は隔週1回くらい?他社への配送がちょこっと残ってたようですが、塩素って苛性ソーダ作るときに大量に余るんで原料そのもので困ることはない。けど、毒物ってことで移動制約がとてもあって切り替えがたいへんなんですよね~、なので少しの量でも貨物が残ったんでしょう。↓

(写真:南延岡、2012.3)

残るは1000番台、とはいえ0番台と同じような時期に作られているんで(高速対応か否かの差)製造から40年以上経ってます。写真の1011はすでに脱落。↓

(写真:スペースワールド、2010.9)

1015以降1022までが現在の門司機関区配置となってますが...↓

(写真:吉塚、2024.3)

1016番は2019年夏に故障してから出てきてないみたい、事実上の廃車かな。↓

(写真:吉塚、2019.2)

ただ他の残りは最後のお勤めに頑張ってますね。↓

(写真:広木~上伊集院、2022.8)

神戸の川崎で510-300の落成が続いてますので間違いなく来春以降は消えてしまうんだろうなあ。。。↓

(写真:吉塚、2019.4)

撮り逃した方は鹿児島貨物はまだナナロク運用しっかりしてるので今のうちに。↓

(写真:鹿児島中央~鹿児島、2022.8)

ただナナロク鹿児島運用って撮影可能時間が鹿児島寄りの早朝夕方なんで難易度高くなってます。この田浦の俯瞰場所は無理かな、秋以降はおれんじ鐡道内は日が当たらないと思う(510-300の運用スジなら可能だけど)。冬場は4083レを吉塚や竹下の駅撮りでが無難なんだろうなあ。↓

(写真:上田浦~肥後田浦、2008.5)

もしくは171レをスペースワールドで かな。↓

(写真:枝光~スペースワールド、2013.11)

秋までは折り返しの170レもスペースワールドで撮れるんだろうね。↓

(写真:スペースワールド、2010.9)

以上、見納めが近づく九州のナナロクのお話でした。↓

(写真:上岡~直見、2011.7)