スペ:チェコ(2)-プラハ市電②
前回からの続き、タトラちゃんに話を戻して...一世を風靡したT3も見納めの時期がやってきたんですが、T3は電装や内装の違いで細かく形式が分かれてるんですが、こちら、2011年まで走っていたT3オリジナル。ロット番号6106~6992までのやつなんですが、たぶん全車がT3R,P形に改造または廃車となっているようです。 ↓
こちら、T3オリジナルから制御をサイリスタチョッパに改造したT3M形。ロット番号が8005~8106でしたが部品問題もあるんでしょうね、その後ほとんどが再改造を受けてます。T3との外観差は屋根に乗った機器があるないくらい・・・かな。ロット番号から推測するにT3から6割くらいがT3Mになった? ↓
続いてこちら、ソ連向けを大量に作りすぎて本国プラハ向け車両が企画できず、仕方なくソ連向けを転用したT3SU。ロット番号が7001~7020まで。1982年登場ですが、1960年代生まれのT3との外観差はほとんどありませんね、椅子の配列が違うとかあったようですがT3SUはその後すべて改造を受けて形式は消滅したみたい。T3M改造ではサイリスタチョッパ制御を採用もT3SUでは抵抗制御に戻ってます。故障が多かったみたいで当時は信用できなかったらしい。 ↓
前述のT3SUをチェコ仕様にしたものがこちらT3SUCS、1983年登場から一時は一大勢力となってました。初代T3と外観も制御方式も同じで民主化前の1989年まで造られ続けた車両。ロット番号7021~7292までで、その後大半が改造を受け、残った未更新車両は2017年に引退、現在は運用離脱となっています。 ↓
T3SUCS形が続々と作られている同時期、3連接車のKT8D5が登場、輸送力向上に大きく効くこととなります。ロットナンバーが9001~9048の車両でサイリスタチョッパー制御の省エネ車両だったんですが、故障が多く、自由化前に増備を中止。現在は全車両がリニューアル、中間車を低床車両に改造してKT8D5,RN2Pとして活躍中。改造後はロットナンバーに50を足した9051~9097が該当します。(写真は改造前) ↓
こちら、民主化後の1991年から投入が始まったタトラT6A5系。プラハでは唯一の両運転台付き車両とあって、折り返し駅にループ線がない系統でメインに使われていました。新造時からサイリスタチョッパ制御として造られてます。プラハ以外も含め300両ほど製造されたんですが、プラハでは2021年をもって運用離脱となっています。エンド部のループ線が整備できたことや他社への譲渡話がうまくいったこと、タトラ社がつぶれちゃったのでアフターメンテが心配、サイリスタ周りの部品がなくなった?いろいろ理由がありそう。どちらにしてもT3と違って早い寿命となりました。 ↓
そしてこちら、直近まで大量のタトラT3スタイルの中心となったT3R.P形。T3オリジナル、T3M、T3SUCSの状態のいい車両を改造した車両群。外観ではオデコ部分にドットマトリクス式の方向幕を新設。内装も一新。制御装置は抵抗制御からTVPに交換。ロットナンバー8211~8245、8300~8579が該当。 ↓
先述のT3R,Pのうち車体も交換して大規模更新したものはT3R,PVという形式になっています。ロット番号が8151~8185が該当。見た目はT3R,Pと変わりませんね。最近はT3R,Pをさらに魔改造して車体中央部分を低床仕様にしたT3R,PLFってT3系も登場。カラーリングもクリームに朱色というより、ウルトラマンっぽいシルバーに深紅となってます。最後まで残るタトラカーはこのT3R,PLFになると思われます。 ↓
そしてこちらはT3未更新車とT6A5の置き換えで入ってきたシュコダのエレクトラシリーズ「シュコダ14T」。初の5連接車超低床車として華々しくデビュー。ただ2006年登場から10年経たずしてブレーキ故障や台車の亀裂などトラブルが多発。一時期修繕で町から姿を消すことになります。写真は更新前、現在はウルトラマン的色彩がよりはっきりしたカラーリングになっているみたいです。 ↓
こちら、14Tと同時期に直近まで大量増備となったシュコダ フォアシティ・アルファシリーズ「シュコダ15T」。3連接の超低床車で250セットも入りました。いまやT3タトラよりも多い存在となり、かつてのプラハ市電イメージは激変しました。今後もこのフォアシティαシリーズが入るようで、次はタトラT3R.P形が置き換え対象とのこと。あと10年もすればT3系はレアなイベント車両となるんでしょう。↓
それを見通してか、T3の古いオリジナルっぽい車両(方向幕なし)は夏期のみ運行となった系統23に集中的に入れているようです。利用するジモチーからすれば新しい超低床車のほうが乗り降り楽ですから棲み分けしてもらえるのはありがたいはず。↓
でも古都プラハにはT3が似合うんですよね~↓
プラハ城バックはT3がやっぱり似合うし・・・↓
レトナ公園から見下ろすヴルタヴァ川とカレル橋のセットシーンもT3だよな・・・↓
もうこんなT3だらけの風景も今は見れなくなったと思います。↓
絵葉書みたいな写真も普通に撮れるんで・・・↓
旧市街地では中心部まで突っ込んで走ってるんで観光スポットとのコラボ撮影も比較的用意。プラハあるあるの建物の中道路が突っ込むところにもトラムも突っ込む。↓
共産時代のスローガンだらけの退屈さを嫌味で表現したという巨大メトロノーム(単調なリズムが続く)とも絡められる。ちなみに巨大メトロノームの前はスターリン像があったんですが、このあたりチェコ人の皮肉というかセンスというか、洒落が利いてるところが魅力の1つでもあります。↓
いくら写真を撮っても飽きません・・・↓
この組み合わせはもうないかな・・・↓
街中の何気ない写真でも絵になる・・・ここはプラハマサリク駅前あたりなんだけどターミナル駅前とは思えないいい感じなんだよね、アジアだとコンビニや出店がいっぱいってところなんだろうけど欧州だとちょっとした秩序がある。↓
T3が残ってるうちにまた行きたいなあ・・・ピルスナービールもおいしいし・・・↓
・・・ということでプラハ市電のご紹介でした。次回はプラハ地下鉄とケーブルカーです。↓