まだまだ現役、旧 西鉄連接車②-広島電鉄

元西鉄福岡市内線の連接車が現役のひろでん。とはいえ、さすがに種車の製造から60~70年となり稼働しているのはあと1編成となってしまいました。こちら3003ACBのみ5号線で平日ラッシュ時のみの限定稼働中。ちなみに写真の広告塗装は終了しています。 ↓

(写真:広電本社前、2017.6)

西鉄福岡市内線の路線廃止が始まった1975年にひろでんにやってきた西鉄連接車。筑鉄2000形同様3連接改造を受け、8編成が登場します。西鉄時代のおへそ前照灯はおでこに移動、方向幕も大型に変更もそれ以外は大きな外観変更なく運用に就きました。その後冷房化もされ主力車両として長らく活躍。当初は宮島線直通が主たる役割でした。 ↓

(写真:皆実町六丁目、2017.6)

3700~3900形が登場すると宮島線主力から転落。3編成が引退し5編成が市内線専用となって再出発。 ↓

(写真:広電本社前、2019.5)

とはいえ、宮島線直通が主流だった連接車市内線への投入も増え、バリアフリー化推進もあって近年は超低床車も積極的に投入。単車の旧型車両置き換えも進んでいきます。もともと広島市中心部の路面電車の地下鉄か構想があったことから、いつ廃止となるかわからない不安から旅客増の対応は投資抑制で全国の中古車両をかき集めていたひろでん。2000年代に入り環境にやさしい乗り物ということで超低床車が毎年増備され一気に流れが変わった感じです。 ↓

(写真:広電本社前、2017.6)

2025年春の開業予定で進む広島駅前への高架橋での乗り入れ(駅前大橋ルート)も路面電車再活用の流れ。ただ現在の広島駅~猿猴橋町~的場町の区間が廃止となります。特に交通量が多い荒神三差路交差点付近は朝のラッシュ時は車だけでなく電車も団子で詰まってるのでこのあたりは改善となるんでしょう。 ↓

(写真:猿猴橋町~的場町、2018.5)

広島駅前周辺の路線変更が完成する頃まで3000形は果たして残るのか・・・ ↓

(写真:段原一丁目~的場町、2017.6)

旧型の連接車は近年引退が加速中。こちら、一足早く引退した2000形は連接車というより、単車を永久連結してつなぎ合わせた見かけ連接車。もともと宮島線直通車両として3000形とともに活躍した車両で市内線専用となってからも宮島線直通カラーだったオリエントピーチ色を纏ってました。一時期は車両繰りがたいへん厳しかったんですよね。 ↓

(写真:的場町~猿猴橋町、1998.7)

ただ2両連結と3両連接車はサイドから見たら収容力の差がわかりますね。 ↓

(写真:的場町~猿猴橋町、1998.7)

最近大きく数を減らしている連接車ですが実は単車のほうも大きく数を減らしています。バリアフリーを考えると高床車両は使えないんでこれからも適時置き換えが進んでいくことでしょう。こんな車両の並びも近々過去のものとなりそうです。 ↓

(写真:広島駅前、2017.6)

最近まで平日朝ラッシュ時は比較的見ることができた3000形、日によっては日中も3・5・7号線中心に入ってたんですが今や日中は走らないかなりレアな存在となりました。 ↓

(写真:皆実町六丁目~皆実町二丁目、2017.6)

一部廃車編成がミャンマーへ渡ったというニュースがありましたが、それはこの3006ACB編成だったんですが、結局政治的なゴタゴタで運用に就くことなく今はヤンゴンで放置されてるみたい。騒乱が続いており種車も古いからこのままスクラップでしょうね。 ↓

(写真:元宇品口、2015.11)

そうそう、3000形のプチトリビア。塗装が広告掲載車と非掲載車と見妙に違うってのがあって、こちら、広告掲載用車両の塗装。何が違うって・・・続いて ↓

(写真:広電本社前、2019.5)

・・・こちら広告非掲載車です。。。広告有り無しを除くと・・・車両スカート部にピーチ色の帯があるかないかって違いなんです。。。なぜこんなわかりにくい識別を使っているのか謎なんですが、ずっと伝統的に続いてるんですよね・・・ ↓

(写真:広電本社前、2017.6)

そして最近お色直しした3100形なんですが、オリエンタルピーチ色を纏っての登場となったんです。3000形が一気に運用離脱したので目立つ存在となったんですが、この3100形、2500形という広電が導入した2連接車を3連接車に改造したもの。西鉄車ではありませんが、宮島線直通車両増強の黎明期に3000形と一緒に活躍した盟友なんですよね。 ↓

(写真:広電本社前、2022.10)

登場時はオリエンタルピーチ色だったんですが、3700形登場時に宮島線直通塗装の統一でぐりーんらいなー色に変更。これはこれで似合った塗装となりました。 ↓

(写真:日赤病院前~広電本社前、2017.6)

3100形は3編成いますが、最近はめっきり運用が減った感じ。ピーチ色になった3101ACB含め平日朝ラッシュ時に1~2運用ありますが、それ以外は多客用の臨時枠みたいな感じで出てこなくなってるみたいです。まあ故障の多いシーメンス製(5000)がいる間は温存されるんでしょうが、5000形ってすでに廃車もあるし運用離脱してる編成もあってちゃんと動くのって3編成しかないみたい。 ↓

(写真:日赤病院前~広電本社前、2019.5)

超低床車の増備が続き旧型の連接車も単車も引退が続いている昨今。こんなすれ違いさえ見れなくなってきました。 ↓

(写真:日赤病院前、2017.6)

どうやら広島港から延伸する予定の埋立地に新たな車庫を兼ねた車両博物館みたいなのを作るみたいで、そこに各型式1編成・両ずつ入るのではないかという噂もあります。 ↓

(写真:皆実町六丁目~広電本社前、2022.10)

各地から集めた車両も形式で1両だけ残ってるってのが結構ありますから、あながち噂は本当かもしれませんね。ここ数年はハイペースで超低床車が入ってきてますので、かつてのひろでんの姿を見ておきたい方はどうぞお早めに。 ↓

(写真:日赤病院前、2022.10)