令和改元スペ:スウェーデン-ノルショーピン
スウェーデン中東部、繊維の街として発展したノルショーピン(Norrköping)の鉄道をご紹介。ここはストックホルムとマルメを結ぶSJ幹線の途中駅でもあります。ストックホルムから特急で1時間半を切る距離で、ローカル運用の電車以外はほぼストックホルムで見る顔の車両が多数。↓
ただし、ローカル運用の電車は少し違った面々。まずこちら、一昔前のコミュータートレインのX10系、ここで走るのはX12というタイプ。↓
X12タイプは1991-94年に製造と、見かけより若い車両グループ。ただグレーをまとうSJ仕様の編成は4編成のみ、近いうちに淘汰されてしまう予定。旧アセア製のなかなか個性的な外観なんですが、引退後も動態保存として残してほしいですね。↓
こちらはよく見るRc6牽引の客車列車。ストックホルム行きです。客車のほうが旅情あっていいですね。↓
マルメ行きのX2000がやってきました。格好いいですね~↓
リンシェーピングなどこのあたりのリージョン交通を担うのが「Östgötatrafiken」という地域交通会社。SJ幹線以外の都市連絡で運行されてますが棲み分けはよくわかりません。現在「Östgötatrafiken」の車両は新型のX61aに置き換えられてます。X61aは首都圏を走るX60の短編成版です。↓
この「Östgötatrafiken」、車両の運行はフィンランドのVRグループが担ってます。スウェーデンは上下分離されていたと思いますが、運営会社と運行会社も違ったりしてなかなか理解が難しい・・・トレインオペレーターとチケットオペレーターというのがあったり。。。↓
こちらは「Mälardalstrafik」という地域鉄道会社。X50もこんなカラーリングになると雰囲気変わりますね、ここはいろんな列車があふれて楽しいところです。↓
そしてノルショーピンにはスウェーデンでは数少ない路面電車が走ります。最大の路線規模を誇るのはヨーテボリ、LRT見直しで路線が増えるストックホルム、そして3つ目の規模を誇るのがここノルショーピン。1904年開業と古いんですが、1960年代の右側通行化でも生き残り、最近は路線延長も行われるなど、環境に優しい乗り物として見直されています。夏季限定路線を除き、通常は2系統、2車種が運行を担います。↓
その車種、こちらは1966年製の古豪M97。ドイツデュワグ社のGT8シリーズで、もともと独デッサウで使われていた中古車両です。中間車両がヨーロッパあるあるの高床車のバリアフリー対応をしています。片運転台のためエンドではループ線が必要。↓
そしてこちら、M03タイプは一番の勢力。ボンバルディアのフレクシティ・クラシックシリーズで、ストックホルム路面電車のA34と同じ車両です。両運転台なのでこちらはエンド部のループ線不要ですがノルショーピンの路線はすべてエンド部がループ線なのでM97同様の運転が行われてます。最近ストックホルムのA34はすべてここノルショーピンに譲渡されたらしいんですがエビデンス見つからず。6両いたと思うんでもしそうなら同等数のM97が減らされた可能性大きいですね。↓
ほぼ複線での運行ですが、中心部に一部単線区間があって、交換待ち(駅)が発生しています。↓
ノルショーピンの中心部は駅から少し離れており、路面電車はその補完をしているのですが、地下鉄と違って乗り降りが楽ちん。中心部の狭いエリアは車両の一般通行を制限して電車を優先させるのできちんとフリークエンシー運行も確保でき、日本も見習ってほしいところ。2020年には4番目の新しいトラムが南部のルンドに開業。すぐ隣の町マルメでもトラム新設の話がずいぶん前からあるんですが、こちらは工事すら始まってません。どうなるんでしょうね。・・・次回はヨーテボリをご紹介。↓