令和改元スペ:デンマーク-首都圏

北欧4か国の1つデンマーク王国。実はスカンジナビア半島ではなくドイツの北に地続きのロケーションで、なんで北欧なんだろう?的な微妙な位置に存在しています。人口は570万人と千葉県の人口より少なく、面積は(グリーンランドを除く)北海道の半分ほどの小国ですが山岳部分が少なく住むにあたっては土地に余裕があります。国土は半島と島から成り立っており、古くから鉄道フェリーも運行されています。首都コペンハーゲンは大陸側ではなくシエラン島に位置しています。デンマークの鉄道は基本デンマーク国鉄が運営。地方は民鉄があるのと、都市部は地下鉄やトラムがカバーします。↓

(写真:København、2019.6)

デンマーク国鉄といえば正面フレームが肉厚なゴムの、強烈な顔の車両たち。電車も気動車もゴム顔が多数います。慣れるまでかなりの違和感必至です。まずこちらはIR4と呼ばれるゴム顔の電車。4両1ユニットの連接車となっています。全国で使われており、デンマーク国内利用だと一番よく見る車両。車両番号は2000番台がIR4のグループ。↓

(写真:Nørreport、2019.6)

そしてこちらIR4を作るきっかけとなった同じゴム顔の気動車IC3。車両番号は5000番台。IC3は3両1ユニットでIR4と同じく連接車構造です。写真は3+3の組み合わせ。ちなみに連結部分、ゴム縁はそのまま幌の役目、真ん中のドア兼運転台を開いて通路にします。なんとも大胆な発想、この連結部のドア、断面が飛行機のドアみたいなんですよね。↓

(写真:Ny Ellebjerg St.~Ørestad、2019.6)

そしてこちらはデンマーク国鉄自慢の気動車+電車総括制御の編成。写真の前から3両、赤い車両がIC3、その後ろにつながっているのは電車のIR4。そう、JR北海道のキハ201系と同じく、電車と気動車で総括運転ができる優れもの。非電化区間は電車を切り離して気動車だけの運行ってやつ。しかもこちらはJR北の限定運用と違って日中もガンガンに走ってます。一時期JR北とデンマーク国鉄でデザイン開発共同でやってたんで、JR北の担当がインスパイアされてキハ201系を作ったのかな。なお、写真の赤ラッピングは現在IR4と同じグレーラッピングに置き換え中。↓

(写真:Ny Ellebjerg St.~Ørestad、2019.6)

こちらはIC3の後継車両として導入された気動車IC4。IC3と同じく連接タイプで4両1ユニトの構造。故障が多くて2024年あたりに置き換え淘汰される予定。製造メーカーはまたもやあのイタリアの会社・・・日立は大丈夫かなあ。↓

(写真:Ny Ellebjerg St.~Ørestad、2019.6)

こちら「Øresundstog(オーレスン鉄道/線)」の名前を持つスウェーデンマルメとコペンハーゲンを結ぶ専用列車。スウェーデン国鉄(SJ)の子会社と共同運行しています。IR4派生のゴム顔電車が使われ、デンマーク国鉄はET、SJはX31K・X32という車両名です。3両1ユニットで、中央車両は低床構造となっています。スウェーデン側マルメから先、一部列車はヨーテボリやカルマルなどへの延長運転も行ってます。1時間に3本、ラッシュ時は10分毎という、国境を越えての高頻度運転を行っています。↓

(写真:Ny Ellebjerg St.~Ørestad、2019.6)

ラッピング車両も走ってます。ETの車番は4000番台。SJも同じ番号振ってますね。こいつは他のゴム顔車両と違って連接構造ではありません。↓

(写真:Ny Ellebjerg St.~Ørestad、2019.6)

そしてコペンハーゲンへはSJのX2000も乗り入れてます。・・・ここ、コペンハーゲン空港に近いオーレスン線の撮影ポイントなんです。格安追求でコペンハーゲン空港乗り継ぎ5時間くらいのときに抜け出して訪問したところ。最寄り駅Ørestadから徒歩20-30分くらいかかりますが落ち着いて安全に撮影できるポイントです。↓

(写真:Ny Ellebjerg St.~Ørestad、2019.6)

国鉄はゴム顔以外も車両がいて、こちらはヨーロッパあるあるの機関車+2階建て車両。ELで客車を牽引します。DSBロゴは一昔前のものですね。こちら通常オーレスン線には入ってきません。↓

(写真:København、2019.6)

客車のエンド部分はこうした運転席がついたタイプで機関車の機回しが不要。↓

(写真:København、2019.6)

あとはこちら、コペンハーゲンの国電というか、ドイツのSバーンとなる、S-Tog(エストー)。エストー車両はLitra SAと呼ばれる8連接の電車とLitra SEという4連接の電車で統一されてます。1車両10メートル程度というミニサイズで1両の乗降口1箇所に車輪は1軸と、かなり変わった車両です。↓

(写真:Carlsberg~Dybbølsbro、2019.6)

そしてコペンハーゲンにはデンマーク唯一の地下鉄が走ります。地下鉄といっても大半が高架路線で車両もコンパクトなのでさながら新交通システムのような雰囲気。2002年開業と新しい鉄道です。↓

(写真:Bella Center~Ørestad、2019.6)

当初はダウンタウンと東南部郊外・空港を結ぶ路線として開業。↓

(写真:Lergravsparken St. ~Øresund、2019.6)

2019年秋に環状線が開業、2020年にM4も開業し、現在は4系統の運行となって地下鉄らしくなりました。↓

(写真:Kastrup St.、2019.6)

ここの地下鉄はレールで第三軌条と見た目地下鉄ですが完全自動運転の路線。車両先頭のガブリつき座席はファミリーに大人気。実はこの車両はあのイタリアの会社なんですが、こちらはちゃんと動いているみたい・・・↓

(写真:Øresund~Lergravsparken St.、2019.6)

M1とM2線沿線は再開発地域。おしゃれな建物があちこちにあり、街並みもすごくきれい。日本人にはこの発想はできないですね~。デンマークはほんの少しの滞在だけ。今度はゆっくり訪れたです。次回は海を渡ったスウェーデンのご紹介。↓

(写真:Lergravsparken St. ~Øresund、2019.6)