令和改元スペ:ノルウェー-トロンハイム都市圏

ベルゲンに続いてノルウェー第三の都市圏トロンハイムの鉄道ご紹介。ノルウェー最北のまとまった都市でベルゲンよりも北に位置します。都市圏といってもトロンハイムの人口は16万人ほど、小山や大垣くらいの規模です。かつては王国首都でもあった古都ですが、観光地としてはそこまで有名ではありません(とはいえ、見どころはいろいろあり、トロンハイム駅周辺には料理店も並ぶ)。↓

(写真:Trondheim、2019.6)

トロンハイムにはコミュータートレインが走ります。2020年までVyが運行してましたが、現在オペレーターはなんとSJ(スウェーデン国鉄)が行ってます。比較的高頻度運転してるとはいえ、1時間に1本程度なので便利というほどでもない微妙な感じ。タイプ92ディーゼルカーが主役で、北はステインヒェルまで、南はレーロスまでをカバーします。またトロンハイムからはスウェーデンへの乗り入れ列車も運行されていますがタイプ92は使われていません。↓

(写真:Skansen、2019.6)

このタイプ92ディーゼルカーは登場が1984年と結構年季が入っています。基本2両編成で1ユニットで運行されており、トロンハイム都市圏でのみ運行されています。乗降口は2か所でデッキ付き、車内は固定クロスシートと、内装は特急仕様でお得感があります。現在新型車両への置き換えが決定、ノルウェーでみられるのもあとわずかとなりました。新型の「タイプ76」は電化区間はパンタ受電、非電化区間は電気式ディーゼルというハイブリット電車で、昨年秋から運行がスタートし旧型は順次置き換えられます。もともとトロンハイムから先、ステインヒェルまで電化を伸ばす計画がありましたが採算性からちょっと?だったので、こうした車両が導入されたんでしょうね。↓

(写真:Trondheim Lufthavn、2019.6)

トロンハイム以南、オスロ~リレハンメル~トロンハイムまでは電化が完了、オスロから昼行夜行列車が運行されています。400kmほどの道のりがあり所要7-8時間と、ベルゲン急行と同じ感じですね。さらにトロンハイム以北のノードランド線にはトロンハイム~ボーデまでの間を夜行と昼行が走ります。電化はされておらず、DL牽引の列車とタイプ93のDCが運行されています。ボーデはVy最北の旅客列車終点駅。一度は乗って訪問したいですがトロンハイムからは700km強あり、オスロからボーデまでの移動を鉄道で・・てなるとかつての大阪から特急雷鳥・いなほに乗り継ぎ青森へ・・みたいな旅程になります。ちなみに国内最北はスウェーデン国鉄(SJ)がナルビクまで乗り入れるオーフォート鉄道で、キルナ鉱山からノルウェー側ナルビク港までを結ぶ欧州最北の路線。ノルウェー側はほかの国内路線とはつながっておらず、ストックホルムから直通列車が乗り入れています(北極急行というやつですね)。↓

(写真:Hell~Trondheim Lufthavn、2019.6)

旅行者がこのコミュータートレインを使うとしたらトロンハイム空港から市内への移動に使うときでしょうか。。。ただ運転本数が少ないのでフライトのタイミングが合うかどうかの問題があります。↓

(写真:Trondheim Lufthavn、2019.6)

空港も滑走路1本ですし、空港のあるスチャルダールも小さな町。沿線風景を見てる限りここに路線と駅があるほうが不思議なくらいのどかなところです。現在空港駅にはもう1線追加できる構造となっていて、将来はフリークエンシーサービスを始めるかもしれませんね。ただそれだけの客がいるのか心配。↓

(写真:Trondheim Lufthavn、2019.6)

トロンハイムには貨物も乗り入れます。ELが牽引してトロンハイムまで持ってくるのかな?。オスロ方面からは非電化のロロス線経由もあり、そこ経由だとDL牽引も、ロロス線貨物は木材関連が主なのでトロンハイムへは持ってこないかな。↓

(写真:Trondheim、2019.6)

訪れたときは入換だけで・・・扱い量から1日1本程度でしょうね。どちらにしてもレンタカー利用で上手に回らないと運転本数が少ないので撮影機会が作れませんね。↓

(写真:Trondheim、2019.6)

あとトロンハイムといえば世界最北の路面電車が走る街。かつてはロシアが最北だったんですが廃止となって1位に浮上。ボレアールバーネ社がオペレーターとして運行。路線は中心部から西部丘陵地の市街とを結びます。中心部のSt. Olavs gate~Bergsli gateは複線ですが、末端部分は単線です。↓

(写真:Hospitalskirka~Kalvskinnet、2019.6)

路線長8.8kmで1系統のみ、車両ストック9台というかなりこじんまりとした鉄道です。メーターゲージで車両は連接というヨーロッパでは珍しい部類の路面電車。路面電車博物館がこの路線を借りてかつての旧型車両を運行したりもしています。写真は標準カラーの非広告車。地元民は路線名のグラカルバーネ(GråkallenBanen)と呼んでいて車体にもデカデカ書いてます。↓

(写真:Hospitalskirka~Kalvskinnet、2019.6)

ダウンタウン起点駅の聖オラフ門停留所はトロンハイム中央駅から少し離れたところ。中央駅までの路線延長が議論されているようですが利用者は地元メインで不便がないみたい。今回は中心部のみの訪問となってしまいましたが末端部分は少々荒れた雰囲気でいい感じなので、行く機会があれば末端部も押えたいですね・・・ってもう行くチャンスはないだろうなぁ。次回はデンマーク。↓

(写真:St. Olavs gate、2019.6)