どうなる?!越美北線(1)
今年5月にJR西から発表された越美北線減便プラン。内容は衝撃的で現行18本→12本減便かつ越前大野~九頭竜湖運行休止というもの。幸いにもその後修正案が出て減便は3本のみとなりましたが、本音は最初に出した大幅減便だったんでしょう。↓
修正案といっても結構斬新で、1運用減を図り、福井始発が9時台に。結果大野方面への朝イチ6時台の二連(平日のみ)は消滅となりました。↓
通学需要はないのか?!なんて思いますが、すでに大野エリアの学校側はスクールバス運行などで鉄道レス対応済みだったりするようです。↓
確か福井発朝イチ便は2両編成も比較的空いた車内だったんで、そんなに抵抗なく廃便となったんでしょうかね。↓
この福井朝一便の財源は越前大野458発の列車。ダイナスティ接続のサービス列車みたいだったんですが、あまりに朝早いので利用客が伸びなかったのかもしれません。朝ラッシュ対応ということで4時台から2編成だったのですが、この1運用減らすだけでも結構大きいコスト抑止になったと思います。↓
しかし福井方面行きは大野だけでなく、東郷からの需要もありますので、平日2両対応は必要。九頭竜湖始発は大野で1両増結して2両で回しているので改正後もそのままでしょう。
しかし交換駅の美山駅も集落が小さいからなのか、平日朝でも混雑するわけでもなく・・・。
この先、2両以上の運行は紅葉シーズンを除けば平日の、しかも朝夕限定的となりそう。↓
越美北線は戦後開業の比較的新しい路線。もともとは旧越美南線であった長良川鉄道と接続し、福井と岐阜を結ぶ路線を目指し工事が進められました。↓
しかし国鉄赤字で建設はストップ、越美南線は第三セクターとなり、越美北線だけ残ってしまった感じ。↓
2004年の水害では足羽川にかかる鉄橋5本が流され、膨大な復旧コストから廃止の危機を迎えます。ただ直前の京福事故から鉄道の重要性を意識してか、公的資金を投入し3年がかりで復旧させました。下は幸いにも残った第6足羽川橋梁↓
そして今、災害から15年ちょっと経ったんですが、大幅減便を模索するような、沿線状況が大きく変わってしまってます。↓
それは並行する国道の高規格化が完了したこと、そして北を走る中部縦貫道が北陸道から大野までつながったこと。鉄道より車がだんぜん便利に早くなってしまいました。地域の足という立ち位置がかなり揺らぎ始めてます。さらにコロナ禍で乗客減で追い打ちかけられてる始末。減便ダイヤ改正でさらなる鉄道離れが心配されます。↓
もちろん今回は小幅減便でなんとか逃げ切ったも、すでに鉄道としての使命は終わりつつある状況なんでしょうね。特に大野から先、九頭竜湖まではほとんど人が住んでない過疎エリア。今でも大野~九頭竜湖は福井~大野が2両編成でも切り離しを行って単行運行となります。単行といっても利用者が限られるので通常はガラガラ。さらに効率悪いことに九頭竜湖での夜間停泊を避けるため、九頭竜湖始発は早朝大野から回送を走らせています。ごく少数の利用者のため結構なコストがかかってるんですよね。↓
もはや、線路があるから使命感で走らせている という感じなんでしょうね、とはいえ、不謹慎ながら次の災害を待ってバス転換を狙っているのでしょうか。・・・今の状況を考えればバス対応で十分な気もします。↓
もちろん人口稀薄エリア=風光明媚なわけで、この末端区間は写真映えする景色多数。↓
以前より木々が成長して撮りにくくなりましたがいい俯瞰が撮れます。↓
紅葉時はすごくきれいなんですが、光線状態のいいタイミングで列車が走らないんでこれまた困ったもん。↓
俯瞰場所以外もいろんな角度でカットが狙えます。↓
麦畑を走るシーンとか・・・↓
遠く越前大野城をバックに収められたりと。↓
次の減便はどうなるのだろう、大野以東はやっぱり運行休止になるんでしょうか、、、ますます存続が危ぶまれる越美北線。新幹線開業後もしっかり残ってくれるのでしょうか。ちょっと心配。次回は懐かしの越美北線ご紹介。↓