終幕の旧京王5000系(2)-一畑電車①

経営危機で廃線も検討された「ばたでん」こと一畑電車。バブル期後期に行政からの支援が入り車両近代化が一気に進み旅客も回復。とはいえ2000年代に入って減少していく旅客減対応にて追加行政支援にて、第二弾の車両更新がスタート、新車まで入るんですよね。併せて一畑電鉄から持ち株会社移行にて鉄道部門は一畑電車として再出発。かつてを知る者にとってはここ数年の設備改善に唖然とするレベルです。↓

(写真:雲州平田~布崎、2022.5)

だって電車は全部非冷房、吊りかけの古豪さんボロボロばかり走っていて、たいていの駅舎は傾く年季入った木造メイン、「すぐにでも廃線できます!」フラグがバキバキ立ってたんでねぇ~↓

(写真:一畑口、1994.10)

まあ、平成に入っても戦前戦後あたりの車両が跋扈、硬券乗車券も常用という、時代錯誤な風景にテツとしてはおいしいローカル鉄道でもあったんですが、まあ、そんな状態だったので関東と関西大手私鉄から中古車が来て新塗装になるとすごい新鮮な感じになった記憶があります。やっとやっと冷房車が来た!って感動もあったよなぁ。↓

(写真:秋鹿町、2010.9)

京王5000系は改造を経て2100系と5000系に、南海21000系は3000系として運行を開始しますが、駅周りの設備更新がまだ追いつかず、なんともレトロな風景となったんですよ、これ、たった10年前の風景なんですがすげえなあ、大鐡でもここまではできん。↓

(写真:川跡、2014.9)

さらに30年前の川跡3並びはこんな感じ・・・もはや歴史教科書の写真レベルやん、昭和じゃなくて平成の風景なんですよ。まあようやってたわって感じで。。。この設備で1時間に1本は運行し、ほぼ定時運行だったんで、車両メンテや保線は凄腕?、経営面でも切った張ったで凌いでたんでしょう。いやあ、今から思うとすごいなあ。脱線から半年たっても動かないどこかの三セクはどないなってんねん。↓

(写真:川跡、1994.10)

さてさてタイトルコールの話題にと・・・ばたでんの旧京王車は2両6編成で1994~95年に投入されました。最初の2編成が2100系3ドア車。↓

(写真:長江~朝日ヶ丘、1995.8)

続く2編成は2100系の2ドア車で、3→2ドア改造にて納入されてます。乗り降りする人の利便より座れる人を多くというコンセプトなんですが、ローカル車両としての基本はこっちなんでしょう。↓

(写真:長江~朝日ヶ丘、1995.8)

続いて入ってくる京王5000系は少し遅れて1998年に投入、観光用もかねて内外装とも大きく手を加えましたが形式は京王時代と同じ5000系となりました。正面貫通扉埋め、前照灯1灯化、塗装変更、2ドア化、クロスシート採用とがらりと雰囲気が変わります。↓

(写真:朝日ヶ丘~長江、2000.8)

北松江線から出雲大社前に入る列車は「出雲大社号」のサボを掲載、観光列車らしくなりました。↓

(写真:一畑口~伊野灘、2000.8)

ただ、いつからかこのヘッドマークがなくなったなあ、格好良かったんだけど・・・↓

(写真:一畑口~園、2000.8)

おそらく5009編成が内装の木質化で「しまねの木」となったんで、このときあたりからなんでしょうか。↓

(写真:川跡、2014.9)

さらにどこかでデハニ50色に変更となり、外観から威厳さがなくなりました。。。改めて思いますがほんと、塗装の配色って大事だなあ。↓

(写真:雲州平田~布崎、2022.5)

今年年初に引退した5010編成は最後まで出雲大社号カラーで運用されてました。正面エンブレムが渋いですね。↓

(写真:雲州平田~布崎、2024.5)

一方で2100系のほうは1000系が入るあたりから導入オリジナル塗装から企画ネタ塗装への変更が進みます。2101編成は京王時代のリバイバルカラーに。↓

(写真:一畑口、2014.9)

2102編成はかつての電鉄カラーに。これは懐かしかった!でもこれって引退フラグだったみたいで、2018年に一足先に廃車、このカラーリングは現在見れません。↓

(写真:雲州平田~布崎、2016.8)

2103編成はいろいろ塗装が変わり最後は「IZUMO-BATADEN 楯縫」号として改造、イベント列車となりました。ま、イベントとはいえ日常の運用には入ってます。この編成だけ8000系投入による廃車候補にはなってないんですが、いつまで走るのかな・・・なぜかこの編成だけ正面方向幕は使われてません。↓

(写真:一畑口、2022.5)

2104編成は初代しまねっこ号のラッピング車となりました。訪問日は2103と組んでスーパーライナーに就いてましたが、現在スーパーライナーは7000系3連になり2連×2の運用はありません。↓

(写真:一畑口、2014.9)

スーパーライナーに2+2で入ると迫力ある姿になってたんですが・・・コロナ禍で2両化→運用変更にて現在は7000系3連となってます。平日日中の運用を1両にすべく、松江からの折り返しを1両に差し替えて出雲方へ戻すという車両繰りをしてるみたいです。↓

(写真:一畑口~伊野灘、2016.8)

で、前述のしまねっこ号ラッピング車は現在1000系ラッピングに変更となり、2104編成は導入時原色に戻らずデハニ50色となり運行されてます。1000系やしまねの木とカラーリング合したのかな?これはこれで似合うけど引退時はどうするんだろうね。↓

(写真:雲州平田~布崎、2024.5)

ということで、ばたでんの京王車も2~3年で消え去る運命。↓

(写真:一畑口~伊野灘、2014.9)

8000系の増備は続くので気になる方はお早めに。まあ、まだまだ時間ありますが・・・↓

(写真:一畑口~伊野灘、2016.8)

大社線にあるこの風景や・・・↓

(写真:川跡~高浜、2014.9)

全国区となった粟津稲生神社なんかもまだ間に合いますよ。↓

(写真:遙堪~高浜、2014.9)

・・・ということで一畑の元京王5000系のお話でした。次回は懐かしのばたでんご紹介・・・↓

(写真:雲州平田~布崎、2014.9)

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