「新」御代志誕生!:くまでん(1)

熊本電鉄の終点駅御代志駅。駅周辺での区画整理事業が進み、10年以上前から話があった新駅がやっと開業の運びとなりました。昨日プレスリリースが出て「10/10」オープンと正式に発表となりました。↓

(写真:新)御代志、2022.9)

駅前ロータリーもほぼ完成、今までなかった駅舎も設置され、かなり大胆な更新となります。瀕死の雰囲気がまったくない、限りなく新線って感じに仕上がっています。↓

(写真:新)御代志、2022.9)

御代志新駅は現行駅の南側200mあたりに新しく建設され、それに併せて線路も移設。熊本高専前と現)再春医療センター前の間で新駅側へ分岐。これにより、分岐地点から現御代志駅までの区間と現行の再春医療センター前駅、御代志駅が廃止となります。↓

(写真:再春医療センター前~熊本高専前、2022.9)

分岐部分から新駅までは路線がすでにできており、8/30?未明に本線と一旦仮接続、6111A+6118Aの元三田線車両が搬入され、各種テストと習熟運転が始まっています。↓

(写真:新)御代志~新)再春医療センター前、2022.9)

保線から見ると車両搬入が完了しているので架線チェックや踏切動作確認、信号システムチェックなど、リアルタイムでできるのが大きなメリット。↓

(写真:新)御代志、2022.9)

新しくできた踏切は試運転でもきちっと動作しており、まだ未完路線とはいえ、電車が通らなくても車は一旦停止しています。↓

(写真:新)御代志~新)再春医療センター前、2022.9)

線路の付け替えとはいえ、これまでの設備があまりに脆弱だったんで格段によくなって見えます。現在の風景、木製架線柱に木製枕木・・・↓

(写真:再春医療センター前~熊本高専前、2022.9)

・・・それがすべてPC枕木の堅牢な線路とコンクリート柱。しかも柱はまっすぐ立ってます!↓

(写真:新)再春医療センター前、2022.9)

試運転は日時が特に決まっている感じではなく、設備チェックと兼ねて行われてる感じ。訪問日は午後遅くからのスタートでした。開業に間に合わせるべく工事のすべてが同時進行のため、いろんな人が動き回って現場感満載です。↓

(写真:新)御代志、2022.9)

新しい移設線は700mほどあるんでしょうか、そこそこの距離があるので何やらちょっとした試験線みたいになってます。↓

(写真:新)御代志~新)再春医療センター前、2022.9)

試運転は接続部分付近で現行路線のダイヤにぶつからないよう工夫されている感じですが、あんまり規則性なく行ったり来たりしています。↓

(写真:新)再春医療センター前~新)御代志、2022.9)

線路設備部分はほぼできあがるも、駅ホームの備品類(駅名標やIC読み取り装置など)はまだ未整備。あと2週間ほどあるので間に合うんでしょう。↓

(写真:新)再春医療センター前、2022.9)

試運転は切り替え部分までしっかりを入ってきます。新しい再春医療センター前駅の発着を想定してるんだと思います。↓

(写真:新)再春医療センター前~熊本高専前、2022.9)

車止めギリギリまでくるのでちょっとストレスあるかもしれません。↓

(写真:新)再春医療センター前~熊本高専前、2022.9)

既存線との位置関係を見ると、運転は結構緊張します。↓

(写真:新)再春医療センター前~熊本高専前、2022.9)

既存線と新線との車両の並びを狙いましたが・・・なかなかうまくいかない というか、ちゃんと外してるかなって感じでした。↓

(写真:再春医療センター前~熊本高専前、2022.9)

分岐部分から現行の御代志駅までの区間は10/9までの運転となります。10/9の夜は線路切り替えの大工事。ある程度下準備は終わってる感じですが社運をかけてってくらいの緊張したものになりそうです。この線路切り替えが終わると国道387号線の熊電並行区間の拡幅工事がやっと完成することに。↓

(写真:熊本高専前~再春医療センター前、2022.9)

すでに熊本高専前駅(旧 電波高専前)と黒石駅の間から須屋駅までは20年ほど前に大規模な線路移設を行っており、今回の御代志駅移転で須屋~御代志までさながら新規開業路線のような設備となります。↓

(写真:電波高専前~黒石、2001.5)

ということで、都市部の高架化くらいの変化となる今回の移設。現行駅を見れるのもあとわずかとなります。↓

(写真:再春医療センター前、2022.9)

カーポートを利用した雨避けが熊電らしいんですが、新駅でもまたカーポート使うんですよ。↓

(写真:再春医療センター前、2022.9)

おなじみの国道並走の猥雑な風景。とにかく国道の交通量がいつも多いし平日朝夕は必ず渋滞する。熊本市街&周辺って結構渋滞するのにずっと鉄道軽視だったんですよね~、やっと整備に気持ちがシフトしてきたも、熊電LRT化&中心部乗り入れはまだまだ未来の話。それよりも根本的な渋滞削減で環状道路整備のほうにお金を突っ込みたいって感じかな。でも渋滞の原因の1つがバスの中心部乗り入れしすぎってのもあるんだけど。ちゃんと鉄道駅でハブ作ってそもそもの交通量をどう下げるか考えないと。ずっと住んでる人は当たり前になってるんだろうけど、この都市サイズでこの渋滞頻度ってどうなってるねんっていつも感じます。潜在的な経済損失って結構ありそう。↓

(写真:再春医療センター前~熊本高専前、2022.9)

そしてこの終着駅らしさゼロの御代志駅もおしまい。菊池まで路線があったとき交換駅だったんで、片一方をふさいでバス停にしちゃいましたってつくり。かつてのくまでんは西鉄路面電車のように鉄道廃止の完全バス化を目論んでたのでいずれ廃止になるんだから最小限の改造でとどめようってことだったんでしょうか。↓

(写真:御代志、2022.9)

ホームをバス乗降ステップに合わせたつくりにしたんですが、実はバスってホームにぴったり止まってくれないんで意味がないつくりだったりする・・・↓

(写真:御代志、2022.9)

・・・ま、こんな感じです・・・バリアフリーの運用が日常で定着せず、ドイツなんかと大違いですが、設置当初は当時として最高のシームレス乗り換えだったと記憶しています。↓

(写真:御代志、2022.9)

今は待合室もない吹きっさらし状態の駅ですが、実は列車の折り返し時間が長く、列車自体が待合室を兼ねている感じ。心意気なのか偶然なのか・・・。↓

(写真:御代志、2022.9)

ここ数年は区画整理が決まったので最低限の手入れだけで耐え忍んでますが、14年ほどまえの風景は・・・これ。あまり変わってませんな。↓

(写真:御代志、2009.1)

さらにタイムスリップ。初めて熊電に来た時。青ガエル熊電カラーが1両で運行されてたんですね、写真見てビックリ。これ非冷房だから客離れも大きかったんでしょう。風景も変わらんですね、そういう意味では今の駅って昭和風情が残ったままで、逆に若い世代からは新鮮に見えるかもしれません。↓

(写真:御代志、1996.4)

このころはちょうど都営に置き換え中だったかな。こちら導入されたばかりの都営車両。1968年製の6101+6108も初の冷房車じゃなかったっけ?20m車体に4ドアなのでかなり大きい印象がありました。のち、本編成だけ青帯や社紋が赤になりますが、2014年の事故で運用離脱、そのまま廃車となってます。当時再春医療センター前駅は再春荘前って駅名でした。↓

(写真:再春荘前~御代志、1996.4)

静鉄車両もまだ運用に就いてました。御代志駅周りには桜並木があったんですが、その後の区画整理事業でなくなったみたい。またちょっとした空地は自転車置き場になってます。駅周辺は様子が変わるも駅自体は昔のままってことなんですね。そんな御代志駅もあと2週間ほどで見納め。チェックしておきたい方はお早めに。↓

(写真:御代志~再春荘前、1996.4)