令和改元スペ:英イングランド中部/北部
改元タイミングですっかり終われなくなってしまった海外シリーズですが、今回はバーミンガムやマンチェスター、ニューカッスルなどロンドンから北のイングランド諸鉄道をご紹介。まずミッドランドエリアの大都市バーミンガムから。こちらバーミンガム中心部からザ・ホーソンズを経てウォルヴァーハンプトンを結ぶ「ウェスト・ミッドランズ・メトロ」。↓
最初はバーミンガム・スノー・ヒル~ウォルヴァーハンプトンの貨物線を使った運行を開始。車両も今のもとと違ったイタリア製が走ってました。↓
こちらの車両は小型車両ということもあってかすでに引退済みで・・・↓
現在の車両はバーミンガム市内への路面区間乗り入れのタイミングでスペインCAF製の長尺車両に置き換えられています。↓
ウォルヴァーハンプトン側もバーミンガム同様に中心部へは路面電車として入ります。途中は旧貨物線の専用軌道なので結構ぶっ飛ばしますので今どきのライトレールですね。ちなみに2018年秋にオペレーターの経営母体が変わって今の車両のカラーリングはブルー基調になっています。現在も路線拡張の延伸工事も実施中。途中ウェンズベリーから分岐してダドリーを経てのスタウアブリッジへの延長計画も進んでいます。↓
ちなみにミッドランド・メトロと並行して走るのはウェスト・ミッドランド・トレインがオペレーター。ボンバルディア製のクラス172が幅を利かせてますが・・・↓
・・・かつてはクラス150が幅を利かせてましたがバーミンガムからは撤退したみたいです。↓
続いてバーミンガムの北に位置するノッティンガム。2004年に新設された新しいトラム「ノッティンガム・エクスプレス・トランジット」が走ります。中心地は新設の併用軌道、郊外は貨物線などの休止廃止路線の活用でイギリスあるあるのスタイル。全体の投資コストを抑えれるのですが、イギリスはあちこちに廃線があるので使い方次第ってとこでしょうか、日本も都市部なんかで活用できそう。↓
ノッティンガムは丘陵地にある町。市内はアップダウンが結構あり、移動にはトラムが便利です。Park&Rideシステムが取り入れられており、郊外からの車にも対応。写真は現在の塗装変更前のカラーリング。↓
ノッティンガム駅との接続部分は新設された大橋梁。大胆にノッティンガム駅ホームを跨いで作られました。↓
車両は2種類あり、写真左が開業時導入のボンバルディア「Incentro AT6/5」、右がStation Street以南が開業した時に導入されたアルストムの「シタディス」シリーズ。運用ですみわけはなく共通となってます。↓
続いてはイギリスでの地方都市でのトラム再生1号となったシェフィールド。「シェフィールド・スーパートラム」という名で1994年から運行を開始。廃線や貨物線再利用と市内部分の併用軌道新設での組み合わせでの欧州あるある再開発ネタの交通機関。とはいえ4路線35kmの中堅クラスの規模です。↓
シェフィールドも丘陵地の町。アップダウンが大きく、トラムはとても便利ですが、開業時はバスと競合して集客が伸びず、イギリスでは一時公共投資の失敗例として有名になってました。ただ最近は旅客が伸び、新しい路線開業も行われて、ネガティブイメージは消えました。↓
車両は2タイプ存在し、開業時から走るこちらシーメンス(旧デュワグ)の「Siemens-Duewag Supertram」と・・・↓
・・・鉄道線乗り入れ用に作られたトラムトレインのシュタッドラー「Citylink」。ナショナルレール乗り入れからなのか、「クラス399」という車両形式を持ってます。ドイツのカールスルーエ方式でのイギリス初の運用かな。↓
続いてミッドランド最大都市のマンチェスター。ここも「マンチェスター・メトロリンク」という名の新しいトラムが走ります。1992年から始まった路線拡張は現在100kmを超える総延長になっています。開業当時はまだ低床車が普及しておらず、乗降口は電車と同じような高床となっています。↓
こちらも他都市同様、貨物線利用とダウンタウン部分は新設という合わせ技での新設。↓
現在車種はボンバルディアのM5000タイプに統一され、ラッシュ時は3連接+3連接の併結運転も行われます。↓
ナショナル・レールのマンチェスターでの中心駅はここピカデリー駅。ロンドン他、主要都市への列車が発着します。ピカデリー駅隅っこにある13番線14番線ホームはシェフィールドやリバプール、空港とを結ぶ列車が発着するホーム。ピカデリー駅は突っ込み型ですが、このホームだけスルー出来るため、列車が頻繁の通ります。なので朝夕のホームはこんな感じでかなりのラッシュ感あるんです。↓
またピカデリー駅は貴重な駅撮りポイント。最近イギリスでは駅やホームの管理会社が別にいて撮影禁止にあっているところが多いので、こうしたところがあると助かります(といいながらいつ禁止になるかはわからない)。写真は交直流電車のクラス319。直流時はゲタ集電となります。↓
こちらはイギリス各地でよく見るクラス158のディーゼルカー。タイ国鉄でも走ってますね。オペレーターは・・たくさんあってコロコロ変わるでちょっとフォローしておりませんです。↓
代わってこちらはかつての造船の町リバプール。ビートルズで有名ですが、町はちょっと乱雑な雰囲気で治安的に気になる印象。リバプールには地下鉄やトラムはありませんが(保存トラムはある)、ナショナル・レール部分のオペレーターはマージーレイルという会社でトレードマーク「M」がメトロマークと混同します。実際地下部分も多く走りゲタ集電なのでずばり地下鉄の印象です。↓
こちらマージーレイルはクラス507とクラス508/1が活躍するのですが1978年登場の古豪たち。しかもこいつらは吊り掛けモーター。内装はすごくきれいんですが、このギャップがすごい・・・やっと新車導入が決まり2022年までに置き換えが完了するそうです。↓
そしてリバプールの北にある海沿いの町ブラックプール。ここには開業が1885年という「ブラックプール・トラム」が走ります。現存するイギリス最古のトラムですが近代化工事を経て今は最新の低床車が運行されます。↓
ここの有名なところはバルーンというレトロな二階建てトラムが現役であること。とはいえ休日のシーズン中のみ運行とあって、運転日を確認してこないとお目にかかれません。通常はボンバルディアの低床車「フレキシティ2」だけが走っています。↓
長くなりましたが最後は北部のニューカッスル・アポン・タイン。ニューカッスル地下鉄と呼ばれる「タイン・アンド・ウィア・メトロ」という都市交通があります。ちっちゃな国電というか、地下鉄というか・・・ニューカッスル都心は間違いなく地下鉄なんですが規模はトラムのような感じ。珍しく第三軌条じゃなくて架線集電です。↓
使われる4000形車両は1979年登場とあってかなりくたびれており、2023年度から全車両が置き換えられる予定です。↓
当時まだニューカッスル周辺の枝線ではこのレールバスであるクラス142が結構走っていました。2軸の折り戸とまさにレールバス。1985年登場とあって日本の事情によく似てるような感じですが、折り戸だとバリアフリー化できないため、2020年で全車引退となってしまいました。↓
ここニューカッスル中央駅は駅自体が撮影ポイント。コンコース側もそうなんですが・・・↓
・・・古城をバックに撮影できるんですよ。ここはよく雑誌に紹介されてます。次回はスコットランド。↓