令和スペ:ポーランド⑤-ワルシャワ地下鉄・市電

【注意事項】ポーランドでは2023.7に鉄道撮影禁止法が採択され、鉄道にかかる撮影が法的に禁止されました。対ウクライナ紛争を意識したものと思われますが、現地では同法施行以降拘束される人が出てるなど、厳格な運用を行っているようです。特にLHSはウクライナの軌間と同じで軍事物資が行き交うため厳重に注意を払ってください。

前回のマゾフシェ鉄道に続くワルシャワ首都圏の鉄道紹介、今回はワルシャワ地下鉄と市電。まず地下鉄ですが開業は1995年と共産化離脱後の開業とあって新しい乗り物。100年も前から建設計画があるも世界恐慌や大戦、ソ連の侵略もあってずっと建設できずにいたワルシャワ市民にとっては悲願の鉄道だったりします。現在2路線が運用中。南北に走る1号線はほぼ計画通りに完成、残る2号線の末端部の延長が進められてます。3号線も計画されまだまだ拡張が続きます。全線1435標準軌、第三軌条終電のDC750Vという一般的な地下鉄規格で、ワルシャワ市が所有する地下鉄会社が運行。 ↓

(写真:Centrum、2019.10)

使われている車両は4タイプ、開業から走るロシアワゴンマッシュ製の81形電車、アルストムのMetropolisシリーズ、シーメンスのInspiroシリーズ、2022年から登場のチェコのシュコダ製Varsoviaシリース。こちら、ロシア製の81-717/714形。外観違いで3種類いるんですが、屋根だけしか写真がないけど開業時導入のオリジナル。フェイスはソ連らしいヤツ、ブダペストで走ってるのと同じ顔です。フェイス違いの亜種、81-572/573もソ連顔。地下鉄開業時は3両編成でしたが2005年までに6両化が完了。 ↓

(写真:Centrum、2019.10)

2009年に増備されたワゴンマッシュの81形572.2/573.2。フェイスがずいぶん垢抜けしてマイルドになりました。ちなみにワゴンマッシュの型式は先頭車/中間車ってルールみたい。 ↓

(写真:Centrum、2019.10)

こちら、アルストムのMetropolis。M1線にて18編成が活躍中。ロシア製が22編成あり、M1だとどっちかに合う確率が高い。 ↓

(写真:Centrum、2019.10)

こちら、2015年のM2線開業で投入されたシーメンス製車両。M2メインでM1含め35編成投入で一大勢力となっています。ただ2022年のM2路線延長ではシュコダの車両が入ってきました。シビアに入札してる感じがしますね、まあ、マニアからはいろんな車両が走ってる方が楽しいのでいうことなし。・・・ってなことで地下鉄はここまで。地上走行区間がないから写真が撮れるところって限られるんですよねぇ。 ↓

(写真:Centrum、2019.10)

続いて路面電車。こちらも地下鉄同様ワルシャワ市が所有する路面電車会社が運行する公営企業。地下鉄建設が進まなかった経緯から総延長100kmを超える大きな路線網を敷いています。車両も700両を超え多種多様。混雑しやすい中央駅周辺には連接車が集中的に投入されています。人口176万人のワルシャワ市の規模は日本の福岡市に相当しますが、圧倒的にこっちのほうが交通先進都市ですね、日本の公共投資はどこに使ってるんだ? ↓

(写真:Centrum、2019.10)

こちら、5連接車のペサ製Swingシリーズの120Naタイプは総勢180編成を有する一大勢力。2009年に旧型車一掃目的で導入されました。自国のペサを使えたのもメリットの1つだったんでしょう。 ↓

(写真:pl.Starynkiewicza、2019.10)

中央駅をバックに走る120Naタイプ。5連接の輸送力は大きく、低床車両とあって高齢者にも優しい乗り物。日本も見習ってほしいなあ。特に地方都市の地方鉄道って何かと廃止したがるけど、人口規模からいえば、こうした低床路面電車で公共交通テコ入れって大事なんだけど!・・・おい、金沢だよ!車やバスでの中心部の移動が大変なんだよ、何かといえば北鉄廃止ばかり話になる。国際観光都市も目指すなら石川線低床トラム化して市内へ路線延長すべしだわ。中心部だけでなく周辺の朝夕渋滞が多いし、特に中心部の交通行政は完全にしくじってるんだけどまだわからんのだなあ、富山見習えって感じ。観光資源ないのにあれだけ変われたんだからさ。(ま、高岡は規模が小さいんで苦戦してるけど) ↓

(写真:Dworzec Centralny、2019.10)

・・・話が脱線しましたが・・・ワルシャワのトラムってエンドループと折り返しが混ざっていて両運転台付きと片運転台だけの車両が混じってるんです。ま、系統で使用車種を限定はしてますが管理はたいへんそう。 ↓

(写真:Krucza~Centrum、2019.10)

こちら、ペサのJazzシリーズの128N。総勢50編成の5連接車の両運転台付き低床車両。低床も35cmという超低床カテゴリーに入るレベルが特徴。コンスタル製の高床旧型車の置き換えで投入されましたが、2019年からの追加は韓国ロテム製に。120編成の投入計画なんですが、「故障するしサービスもしないから車両が安いだよ、お宅が選んだ責任だろ!」とトラブルとすぐに開き直る悪名高いロテムなんで。。。大丈夫なんかいな。 ↓

(写真:Plac Starynkiewicza~Plac Zawiszy、2019.10)

こちら、新しい低床車両に混じってがんばるコンスタル116N/116Na。登場が1998年と比較的新しいんですが、3連接でかつ、車両両端部分が高床というのもあって、低床部が少なく、また収容力も足りないのでどんどん周辺部へ押しやられているグループ。 ↓

(写真:Plac Starynkiewicza、2019.10)

現在はロテム車両が増えたんで活躍の場を小さくしてるかもしれません。まあ、コンスタル105シリーズが300両ほど、たいてい2両で1編成で使われてるんで、今回のロテム投入量と同数程度と考えれば、この116が最後の旧型顔になりそうです。 ↓

(写真:Plac Zawiszy~Plac Starynkiewicza、2019.10)

ということでワルシャワ首都圏の鉄道紹介はおしまい。トラムは末端部に行けてなかったのですが、ボギー車がほぼロテムに変わったみたいで訪問意欲が減退・・・もしポーランドに行く機会があれば他の都市を訪問したいですね。・・・次回ポーランドの最後はウィッチ市電ご紹介予定。 ↓

(写真:Krucza~Centrum、2019.10)