令和スペ:ポーランド②-ワルシャワ通勤鉄道
【注意事項】ポーランドでは2023.7に鉄道撮影禁止法が採択され、鉄道にかかる撮影が法的に禁止されました。対ウクライナ紛争を意識したものと思われますが、現地では同法施行以降拘束される人が出てるなど、厳格な運用を行っているようです。特にLHSはウクライナの軌間と同じで軍事物資が行き交うため厳重に注意を払ってください。
PKPに続いて首都ワルシャワと南西の郊外グロジスク・マゾビエツキとを結ぶ「WKD:Warszawska Kolej Dojazdowa」のご紹介。直訳するとワルシャワ通勤鉄道ってなるんですが、もともとは共産化の前は私鉄だった路線。レールゲージは欧州標準軌も電力線は直流600Vだったのと、併用軌道を走る設計だったため路面電車規格の線路設計となりPKPとの乗り入れは実施されてきませんでした。 ↓
ただし、電圧は2016年5月にPKPと同じ直流3000Vに昇圧。そのタイミングで旧型車を一掃しています。 ↓
全長36kmでPKPから独立した路線ということもあり、今もほぼ私鉄みたいな存在。ただ資本はワルシャワが属するマゾフシェ県が中心となった自治体複合体が所有する公共鉄道となってます。マゾフシェ県営鉄道との相互乗り入れは行ってませんが(県営鉄道は元PKP)、乗車券類はワルシャワ市内は共通の乗車券が使えます。なんとなくブダペストを走るHEVに仕組みがよく似てるかな。(写真左がWKD、右はPKP路線を走るワルシャワ高速鉄道車両) ↓
使われる車両は3タイプありますが、こちら、2011年導入のEN97。ペサ製の国産電車で3連接車+3連接車の変則6両編成で1ユニットとなります。低床車両ですが両端に運転席があり、トラム車両っぽい電車なのかな。14編成ある主力車両。カラーリングがアメリカあるあるの都市交通色なのでちょっと違和感。 ↓
こちらは昇圧時に導入された最新車両のEN100。ポーラインドNewag製でこちらも国産。正面デザインがユニークで西欧で走る車両と一線を画すスタイルです。ドア位置などはEN97と車両規格は統一されてます。この他にEN95という1編成だけの形式もありますが訪問日は運用に就いていませんでした・・残念。 ↓
現在3形式とも車両運用は共通。ラッシュ時対応は増結ではなく運転間隔を詰めた対応をします。 ↓
今回はワルシャワ市内だけの訪問でしたが、一度は終点まで行ってみたいですね・・・旧型車両が走ってた時に来たかったなあ・・・ ↓