首都圏は更新ラッシュ(11):都営10-300形初期車

都営新宿線と京王線を走る都営車両は生い立ちなどいろんな事情が絡み、近年若くして運用離脱する車両が目立っています。そして今度は10-300形に統一した矢先での1次車の8両編成8本すべて置き換えるというモッタイナイ事案が発生します。車番3桁目4桁目が37から44までの車両が該当します。登場から20年も経ってないんでまだまだピカピカ。でも、都営側の新宿線車両をすべて10両化するにあたって、10-300初期車の8両編成を+2両新規で作らずに、思い切って新しい編成に総替えしちゃえ!っていうお話になってます。↓

(写真:笹塚、2015.11)

・・・このモッタイナイケースって、先例があって2018年に引退した10-300R形という形式がそれ。登場は10-300形1次車と登場のタイミングが変わらないんですがご覧の通り、つないでいる車両に統一感ない・・・↓

(写真:上北沢~桜上水、2016.21)

角度を変えるとよくわかりますがコルゲートの10-000形を挟んでるんです。登場時10-300形の頭そっくりさんの先頭車を前後に中間車8両を10-000形から持ってきたもの。当時まだ導入から年数がたってなかった10-000形の新しい車両をつなぎ合わせて再利用っていう、コストダウンの発想で10-300R形が誕生したんですが、年数がたてば大半がお古車両になって結局更新時期を迎えてしまった・・・という、まあ悲しい話・・・そして15年経ってない先頭車もいっしょに処分となってしまったんです。↓

(写真:笹塚、2015.11)

同じように今回の都営車両の10両化にあたっては、8両編成の10-300形1次車に追加2両×8編成分をってのも考えたんでしょうけど、結局300Rと同じになるじゃんってなことがあったんでしょうね、8両編成の1次車をいっその事バッサリって結論出したんです。更新車両を探している中小私鉄への再就職があればいいんですが、軌間が特殊で足回りを他車両から持ってくるとなると手間がかかりそうでこのまま廃車になるんでしょう。↓

(写真:笹塚、2015.11)

側面の差でチグハグ編成が目立ってたので、公共機関というのも手伝って、いろんなところからいろんなことを言われたのかな。先頭車をコルゲート側面で作れてたらボロ車両と思われて目立たなかったかも。ただ、おそらく当時そういう作り方してたら特別料金でコスト高になってたでしょうから、これはこれでそのときの英断だったんでしょう。でもでも、このコルゲート側面じゃない10-000形8次車ってあって、なんと1997年登場で2018年に引退!というのもあったりする。保安設備の更新が必要とか理由はあるも、総合的に見たら何かと都政の鉄道行政ってしくじってる感デカイ。。。思慮深い長期的視点がない・・・まあ、行政マネジメントって極端な話「予算取れればOK」なんで、ここが営利企業との差になるところですね。都民税(区民税)って安くない!早く鉄道事業を東京メトロへ譲って税金無駄遣いを減らしてほしいな。↓

(写真:笹塚、2015.11)

さてさて、最近増備されている10-300形の顔はこちらの顔。3次車からベースとなる車両がJR東E233-2000に変更となったため変わりました。もとはE231ベース。登場時は必ず大量生産品活用でコスト削減は意識してるんですがうまくいきませんねぇ。↓

(写真:上北沢~桜上水、2016.12)

廃車対象が製造の若い、この10-37X~10-45Xまでってのがまたまた出てきた。ほら、まだピカピカ。↓

(写真:上北沢~桜上水、2020.11)

このマスクで、かつ「8両編成」って小さい表札出てるのが廃車対象ってことです。↓

(写真:上北沢~桜上水、2018.8)

2005年製なんで、2022年度中置換っていうことで20年経たずにお役御免・・・やっぱもったいないわ。将来を見越して10両編成で登場させていたら話が大分変わってましたよ。↓

(写真:笹塚、2015.11)

そしてこちらは2次車。2006年登場と1次車と1年違いなんですが2010年に前述の10両化をしてもらい、今回命拾いしたグループ。だったら1次車も同時に10両化一緒にやってもらってたら・・・ってなことで・・・あーもったいないなんですが・・・でも、生き残ったとはいえE231ベースだから電装品も別物でこの先の扱いがちょっと心配、今度こそ大切に扱ってほしいものです。いろいろ事情はあるにしても、客欠金欠で死にかけの地方私鉄が多い中、複雑な思い・・・JR北が周辺自治体からボロカス言われてるのもなんか変ですよね(まあJR北も言われるネタがたくさんあるけど)。↓

(写真:上北沢~桜上水、2020.11)

あと、京王ネタとなりますが、この準特急表記もなくなりますね。事実上特急の廃止で準特急を特急に格上げっていう停車駅増の対応なんですが、京王線利用者じゃないとよーわらかん話。それに京王ってどれが速達列車かわからないんですよ。序列は特急>準特急>急行>区間急行>快速>各停。快速の位置が全体をわからんようにしてるんですよね。このポジションってフツー「準急」じゃない?まあ相鉄も快速のほうが弱いってのはあるけど、他社には「快速急行」ってのもあるし「区間」ってつかなくても停車駅はまさに「区間」急行じゃんっていう急行もあるから。↓

(写真:上北沢~桜上水、2016.11)

京王の新顔5000系、こいつが増えてきたら7000系引退のときなんでしょう。7000系は方向幕車も減ってきてますので記録はお早めに。↓

(写真:上北沢~桜上水、2020.11)

あとはおまけですでに引退した10-000形ご紹介。こちらは4-6次車のグループ。↓

(写真:上北沢~桜上水、2016.2)

1988年製造~2017年引退とまあ30年近くは運用に就いてました。↓

(写真:上北沢~桜上水、2016.12)

こちらは7次車。外観差はスカートがついたのと、車番とイチョウマークが入れ替わったくらいかな。↓

(写真:上北沢~桜上水、2016.2)

1992年製造~2017年引退と25年で引退・・・って今回の10-300だけじゃなくてどれも早くねえ? 南海6000系は50年も使っていまだに急行運用にもガンガン就いてるよ!京阪も2200みたいに物持ちいいぞ、JR西はまだ103も201も113もバリ現役だぞ。どうなってるねん? ・・・以上、モノは大切に使おう ってお話でした。↓

(写真:上北沢~桜上水、2016.12)