さよなら飯田線213系①

JR海で進む国鉄系電車の一掃計画、昨年度で211系の置換が完了、今年度は311系と213系がターゲットとなっていて、すでに311系はこの6月末で定期運用が終了、残るは飯田線213系となっています。↓

(写真:下地~船町、2022.4)

213系はもともと国鉄末期に岡山エリアにて瀬戸大橋線用に用意されたもの。観光色が強くかつ着席率UPも鑑みて転換簡易クロスシートの2ドア車となりました。ただ新たな開発費用は捻出できず211系からの設計流用となってしまい見た目も211系そのものとなっています。こちらはJR西で当面活躍続けるであろう213系、帯色が青となっています。すでに瀬戸大橋線からは撤退も宇野線や伯備線などの短編成ローカル運用に就いています。平日朝は2+2+2のような長大編成も存在します。↓

(写真:備中箕島~妹尾、2023.5)

続いてJR海での213投入となりますが、これはJR化後の関西本線名古屋口での近鉄競合対策でした。213-5000番台として登場、2両編成14本が投入されました。これにより165系主体で名古屋口でも1時間に1本という貧困ダイヤから、なんとか毎時2本のフリークエンシーダイヤを実現させ、思惑通り旅客を回復させることができました。しかし、今度は増えたお客さんにて2ドア乗降が不便がられると313を新規投入、玉突きにて飯田線に回ってきたのが現在の213系となっています。現在はさらに客の奪還が成功(近鉄の大幅値上げで客の多くがJR海に鞍替え)、日中4両編成なんてのも復活してますね。↓

(写真:伊那本郷~七久保、2025.3)

213の玉突きにより飯田線の主力だった119系は2012年春に全車離脱。119って1981年登場の新製車両だったのですが30年強の使用で早々と御釈迦に。。。ちょっともったいないんだけど、自重が重くて昭和な電装で電気バカ食い、ギア比の関係?で高速走行不可で他線利用の自由度が低いだとか、もともと設計思想が貧乏国鉄時代の105系で山岳対応(ブレーキ)+耐寒使用にしただけってのもあって、手直ししてまで更新したくないってことだったんだろうなあ。たまたま玉突き案件が出て(関西線混雑緩和の目的)、長期的に見たらこのタイミングで総置換がお得じゃない?ってなったんでしょう。↓

(写真:伊那新町~羽場、2008.6)

119って50両超のそこそこの大所帯だったんですが、短期間ですかーッときれいに掃討されましたね。うち、ワンマン化された2両編成6本だけはえちぜん鉄道に譲渡され、現在も7000形として活躍したますが・・・えち鉄って愛環からの中古車も大量に入ってるんで、車両だけ見ればプチJR海になってますが結果的に地方鉄道を救った形になってます。。↓

(写真:福井口~新福井、2015.12)

さてさて飯田線を走る213-5000は導入当初から14編成のセット。全14編成が飯田線にやってきましたが今年に入ってすでに4編成が引退、他の編成もこの2025年度内での置換予定となって見納めが近づいてます。↓

(写真:七久保~伊那本郷、2025.3)

2両とはいえこのご時世でまだワンマン対応車両じゃないので、まだツーマン体制が残る飯田線伊那エリアがもっぱらの働き場所。朝夕は伊那エリアへの送り込みもかねてか豊橋口での運用もあります。↓

(写真:下地~船町、2022.4)

ただ非ワンマンエリアメインとはいえ運用の中心は朝夕にまとめられてますね。日中は313が主体的に使われています。↓

(写真:七久保~伊那本郷、2025.3)

飯田線では2両編成が基本形、2+2や他形式との併結もありません。↓

(写真:伊那大島~山吹、2025.3)

飯田線って県境越え付近を除くと割と本数があるのですが、朝夕であってもあんまり人が乗ってないような感じで・・・↓

(写真:七久保~伊那本郷、2025.3)

・・・置換の進捗が遅いんで、ワンマン化と減便を見据えた車両置換なのかもしれません。(自治体や組合への説明責任が出てくるからかな?)↓

(写真:伊那大島~山吹、2025.3)

まあ、すでに鉄道としての価値はかなり低下(線形悪いから速達性での競争力はなく、並行する国道も高規格化)、地域内移動のバスがわりという感じになってしまってますから、昨今のローカル線採算問題から見れば、こうして存続してるほうが不思議なのかもしれません。...つづく↓

(写真:伊那本郷~七久保、2025.3)

▲TOP