ほぼ見納め?四国185系特急、さらば「むろと」

この3月のダイヤ改正で廃止が決まった特急「むろと」号、四国内では少なくなった185系車両を使った優等列車でしたが、利用者減から減便が繰り返され、とうとう消滅することになってしまいました。↓

(写真:牟岐、2019.3)

乗務員不足というのもあるようですが、特急だと運転士と車掌2名が必要、かつ牟岐での夜間留置、加えて利用者も少ないとなれば、廃止が最大のコストメリットってことになっちゃいます。↓

(写真:辺川~牟岐、2015.8)

今の徳島界隈への185導入って、老朽化したキハ28/58主体の急行列車の更新のため。国鉄時代四国の優等列車は特急はシンボル的な本数しか走らず、大半は28/58/65を使った急行列車でした。宇高連絡船からの乗り換え客の便利を考え?、すべての急行列車には四国オリジナルの丸サボにて急行名称を掲げていました。↓

(写真:高松、1988.3)

気動車のゴミ捨て場とまで言われていた四国の車両、その近代化を進めるべく、民営化前に185系の投入と本四連絡橋完成を見据えた予讃線電化事業がスタート。電化工事が始まるとしおかぜ(+南風)用に投入された185系が暫定運用っぽく感じたものです。まあ投入時点では電化後の転属も考慮されていたのでしょうけどね。↓

(写真:高松、1988.3)

JR化後も曲線多い土讃線対応のためのディーゼル振り子車両2000系を早速投入、優等列車の近代化が一気に進みました。これで余剰となった185系にて高徳線の遜色列車となっていた急行「阿波」「むろと」を特急「うずしお」に置換。また一部はJR九州に譲渡されてます。↓

(写真:志度~オレンジタウン、1998.6)

さらに高速バス対策で徳島線にも185系特急を投入、急行「よしの川」に変わり特急「剣山」となります。(このあたりは実は特急「むろと」の延長運転やら特急「あい」とかいうのもあって変遷がややこしいので大雑把にしちゃってます)↓

(写真:石井~府中、2019.3)

さらにさらに高速バス対策強化で高徳線のスピードアップを図るべくN2000系を投入、1往復を除き「うずしお」から185系は撤退します。現在はさらにこのN2000系を玉突きにて土讃線と予讃線末端部の185特急車両置き換るべく2600/2700系を投入、特急列車の追加強化が図られます。ただ...↓

(写真:勝瑞~池谷、2019.5)

...1往復残った185系うずしおはそのまま残り続けていました。↓

(写真:志度~オレンジタウン、2022.3)

これは特急「剣山」や「むろと」の運用に就く185系の整備点検のため高松運転所へ送り込むための運用上のもの。なので、徳島線でアンパンマン列車が運転される際は185系運用のスジにアンパンマン編成の185が入り、ご丁寧に「アンパンマンうずしお」のヘッドマークもついてました。↓

(写真:池谷~勝瑞、2019.3)

今度のダイヤ改正ではこの「うずしお」運用の185も廃止とのこと、それに「むろと」も廃止で「剣山」も減便となると、毎日高松送り込みのスジもいらなくなる・・・↓

(写真:板東~池谷、2024.9)

・・・となると現在一部が「むろと」の間合い運用となっている「剣山」が減便なんで、改正後は185系での運用は必要なくなりそう、、、これにて185の通常特急は消滅するのでは?と噂されてます。確かに「うずしお」の岡山乗り入れとか止めるんで運用のシフトで2600/2700代替は可能そう・・・↓

(写真:石井~府中、2024.9)

ただダイヤ改正後も「剣山」のアンパンマン列車は継続されるとのこと、この専用列車が運転日あたりに高松から送り込み回送が設定されるのか、一定期間の徳島常駐にするのか、それならば一部「剣山」に185が残るのか、・・・などなど気になるところです。まあ朝イチ上りの「剣山」は2+2の4両なので、2運用セットとなることから、このまま185が継続しそうではありますが・・・もしかしたら2700の一部をアンパンマン化するとか?!...できることはいろいろあるので妄想が止まりませんね、詳細はダイヤ発表があるまで待つしかありません。↓

(写真:阿波加茂~辻、2019.3)

なのでダイヤ改正後の四国185は観光列車改造以外の、オリジナルに近い優等列車を見ることはできなくなるかも。それに牟岐線からの優等列車撤退が牟岐線阿南以南の廃止(並行する高速バスへの代替)に向け一歩進みそう。↓

(写真:阿波赤石~南小松島、2019.3)

ちなみに現存185カラーは普通列車用と観光列車を除くと3タイプ。こちらはJR四国オリジナル色(先頭車)。JR四国ブルーと白でコーディネート。↓

(写真:石井~府中、2024.9)

こちら、徳島地域メインの剣山カラー、先頭部窓周りが黒茶色(正確にはブドウ色らしいけど)でボディー横ラインの下側が濃いブルーになってるやつで、剣山導入時にできた塗装。今はこいつが一番多いかな?↓

(写真:阿波赤石~立江、2019.3)

こちら、導入時カラーの復刻国鉄色。アンパンマン剣山使用時は優先的に使われている感じがします。(気のせいかな)↓

(写真:辻~阿波加茂、2019.3)

まあ「むろと」廃止&「剣山」廃止で大幅な運用減となるので、この3カラーのどれが残るか・・・ですね。いくつかは波動用に残るだろうけど。↓

(写真:阿波富田、2019.3)

「むろと」廃止になれば牟岐線阿波以南は本当にスカスカになりますね、並走する高速バスとの共同運行も今のところうまくいってるようだし、近いうちの鉄道運行休止→廃止・・・なんてすぐにでもありえそう。↓

(写真:辺川~牟岐、2019.3)

もし牟岐線の一部がなくなるとしたら、取り残される阿佐海岸鉄道はどうなるんだろう、いったん阿南から先を三セクとして受け取るのか、孤立路線として生き残るのか・・・↓

(写真:徳島~阿波富田、2019.3)

まあ、お正月時の特急「やくおうじ」はしばらく残るとしても(もしかしたら快速列車に置き換わるかもしれんけど)優等列車がなくなるってさみしいですね、ここ10数年での沿線住民の流出は大きいし、阿南以南の大きな町(大きな集落というほうが正しいかな)って日和佐、牟岐、海南くらい。どこも高齢化が進み、かつ最大の観光地であろう室戸岬へは高知からのアクセスのほうが便利いいってのもあるので、起死回生のネタもなく、あるタイミングでバサッと阿波以南がなくなってしまうんだろう。。。↓

(写真:辺川~牟岐、2015.8)

・・・縮小均衡、というか、衰退一本の日本各地の地方エリア、鉄道が廃線になると廃れるというけど、実態は鉄道を隠れ蓑にしてゆでガエル状態で気が付けば打つ手なしってことなんだろう。そういう意味で先手を打つような、高速バスとの共存を模索する牟岐線のケースは参考になると思うなあ。まあ、それでも鉄道にカネかけて維持するんだ!っていうなら、同じカネを通過時間短縮の道路網整備がベストだと思うなあ。災害大国日本だしね。。。。あらら、牟岐線存廃ネタになっちゃった、、、ってことで185の話は終わり!↓

(写真:牟岐、2019.3)

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