置き換え始まる 泉北高速3000系

昨秋、9300系導入とそれによる3000系置き換えのリリースが出た泉北高速鉄道。この夏に4両編成2本が入ることで、同じく3000系4両編成2本が離脱するものと思われます。↓

(写真:萩之茶屋~天下茶屋、2021.12)

泉北高速が開業したのが1971年。開業時に導入されたのがすでに引退している100系。ベースが南海6100系なんですが先頭仕様は切妻となったので兄弟とは思えない外観に。当時貫通路に施された縦ブルーストライプとVに見える独特のロゴがすごく印象的だったのを覚えています。乗り入れる高野線はステンむき出し無塗装だったからかもしれません。そして路線延長と増発にて100系マイナーチェンジ車として入ったのがこの3000系。デザインを踏襲し方向幕と正面コルゲートひげ以外は外観はほぼそっくりさんとなってます(出始めのころ100系は角型サボを使っていた)。1975年登場ですが1次車は関西では珍しく車齢40年に満たずして2007年ですべて引退しています。外観は、横の青帯と「SENBOKU」プレートは後から付けられたんですが、それ以外は幕を含めて大きな改造もなく、登場時の姿を保っています。↓

(写真:新今宮、2018.11)

3000系の基本設計は南海6200系がベース。そういや外観はよく似てますね。第2編成以降は最初から冷房車として登場。100系はまだまだ冷房なしだったんで、冷房化黎明期は当たり外れが大きかった印象があります。特に泉北高速線なのに非冷房の南海6000系が準急運用に結構入ってたり、非冷房たっぷりの高野線区間急行に3000系が使われたりして、夏場は沿線利用者が腹立つことが多々。高額運賃と割引率が低い定期代が拍車をかけてたかな。まあ、関東の北総開発(北総鉄道)の関西版ですな。泉北高速はもとは大阪府都市開発っていう公社だったんで「開発」という文字は高額運賃ってイメージがいまだ焼きついてます。(とはいえ、岩手開発鉄道が旅客輸送してた時は破格運賃だったけどね) 今は株式譲渡のゴタゴタから南海電鉄グループになって運賃も下がったようで何より。↓

(写真:天下茶屋、2020.1)

御堂筋線のなかもず延伸時には御堂筋線乗り換えを阻止すべく、なんと堺東~深井を停車しない区間急行を設置。で、お金に敏感な関西人はその多くが中百舌鳥乗り換えができる準急を選択し、導入当初は区急より遅い準急や各停が混むという訳の分からんことになってました。まあ、難波周辺の通勤通学は区急へ、天王寺や心斎橋以北移動は御堂筋線へと今はうまく棲み分けされているみたいだけど。↓

(写真:萩之茶屋~天下茶屋、2021.12)

で、まずの離脱予定は製造年が古い2編成と思われます。こちら1977年製の3509F(前4両)と・・・↓

(写真:新今宮~今宮戎、2018.8)

・・・1979年製の3511F(前4両)。見た目キレイですが40年以上経ってるんで更新したいって頃合いなのでしょうか。ただ南海6000系が車齢55年でもいまだ橋本急行運用でガンガン運行されているんで、南海グループ内での更新ってなかなか勇気いるよな。↓

(写真:天下茶屋~萩之茶屋、2014.6)

続いてのお古は2両編成に改造された50番台の2本。種車が1979年製(もと3511Fから抜き取った)の3551F(前2両)と・・・↓

(写真:萩之茶屋~天下茶屋、2020.1)

・・・種車が1980年製の3553F(前2両)。改造車はヘッドライトがいかにも後付けって感じですぐに区別がつきますしコルゲートひげもないですね。なんとなく100系ぽくなっちゃった感じ、まあ、もともと先頭車が切妻だったので中間車を持ってきても違和感ないです。ただこれら2両編成って、昨今の運用減から同数が増備されるのか微妙。まあ5000系の8連が手余り気味なので増解結用に数はそろえてくる可能性はありますから、さ、どうなるんでしょうか。↓

(写真:今宮戎~新今宮、2012.12)

おそらく最後まで残るは比較的新しく増備された3編成。1986年製の3519F(前4両)と・・・↓

(写真:今宮戎~新今宮、2018.11)

・・・1989年製の3521F(前4両)と・・・↓

(写真:難波、2015.7)

・・・1990年製の3523F(前4両)。最後の2本は平成時代の製造なんで、さすがに南海系だと最低でもあと10年は使うんじゃないかなあ。というよりは・・・↓

(写真:萩之茶屋~天下茶屋、2020.1)

じゃじゃーん、またまた南海がもらっちゃう!って可能性大。こちら元泉北高速3000系の南海3000系。4両3編成、2両1編成の14両が本線用に譲渡されているんです。写真の3513F(先頭4両)は1980年製で決して新しくないんですが、7000系老朽化対策で車両不足が深刻となり運用減で余剰となった泉北高速から譲ってもらったもの。4+4で8両編成か、4+2で6両編成となって主に空港急行で活躍。↓

(写真:新今宮~難波、2018.5)

南海はこれまたなにわ筋線乗り入れ工事でお金がぶっ飛んでいく近未来。老朽化した6000系と7100系を置き換えているもかなりゆっくりペースで財源は苦しい状況。なので新車は泉北高速で発注させておき、本体には中古を持ってきて償却費削減って考えているかもしれません。こちらは1980年製3515F(前4両)。車番プレートと泉北高速のトレードマークを剥がした跡がよくわかります。↓

(写真:岸里玉出~粉浜、2015.12)

こちらは3517F(前4両)。3000系は3000系とだけで編成を組みますが運用は他の系列と混ぜ混ぜで両数にあった運用に入ります。↓

(写真:岸里玉出~粉浜、2015.12)

そしてこちらは3555F(前2両)、中間車の先頭車化をした3編成のうちの1編成。見た目6200系そのものですね。塗装だけでこんだけ雰囲気変わります。種車は1981年製と新しくないんですがまだまだ使われるのかな。泉北高速から移ってきたのは2013年でやっと板についてきたところか。南海だと50年は使いますから、2030年になったら置き換えを考え出すかもしれません。↓

(写真:貝塚~二色の浜、2015.12)

・・てなことで、今年度置き換え予定と言われている3000系も形式としては相当先まで残りそう。もちろん泉北カラーは見納め近そうですが、車両自体はまだまだ南海で活躍する気がします。西武鉄道がサステナ車両として中古車を導入って話題になりましたが南海は一足先にやってたんですね(ま、いろいろ仕方ない事情があったんだけど)。↓

(写真:我孫子前~浅香山、2020.1)

さすがに今年運用離脱しそうな2編成は予定廃車になりそうも、残る4両3編成、2両2編成は南海にやってきそう。泉北高速3000系引退=南海3000系増備!ってことなんですが、なんせ梅田乗り入れでラピート全編成置き換えないといけないし、新今宮から分岐する新線建設もバカにならん金がかかるんで・・・ほんま、大丈夫かいな、南海電車?!↓

(写真:新今宮~天下茶屋、2018.8)