惜別、日高本線：鵡川～様似 (1)
この春で正式に廃止となる日高本線 鵡川～様似。国鉄合理化の際も生き残るも、災害続きとJR北の経営危機から止む無く廃線となります。とにかく戦前に敷設された路線で海沿いを走る区間も多く、もともと災害には弱い路線でもありました。↓
この厚賀～大狩部～節婦までの区間は海岸段丘の下を海沿いギリギリで走る区間。道路でさえ敷設余地なしということで鉄道だけが海沿いを走っています。波が穏やかであればいいんですが・・・↓
海が荒れるとまあ、すごい。波しぶきかぶりながら走る路線って、ここと五能線くらいでしょう。防波堤も用意されてますが一部が崩壊してたりして自然の力のほうが勝っています。↓
荒れた天気の日に俯瞰で見たらココ、すごい景色なんですよ、冬場の運転はかなり怖いものでしょうね。。。↓
この区間では、大狩部駅ホーム端から撮れる写真がいろんな雑誌に載ってたりしました。廃枕木で作られた防波堤もいい感じ。↓
いつもはこうしたのどかなローカル線って風景なんですが・・・↓
冬場は狂気の風景になります。強風が海から吹き付け、巻き上がる海水が線路に侵入します。前述気動車のキハ１３０は塩水を浴び続けて、軽快構造ということもあって、運行たった１４年ほどという短命となってしまいました。↓
そして長期運休のきっかけとなった路盤流出はこの区間で、そのあと台風被害も受けてしまい、有名撮影地もこんな風にボコボコとなってしまいました。現場を目の当たりにして正直ショックでした。厚賀～大狩部の区間は海沿いを縫うように走るためあちこちで路盤流出があるようで、酷さに復旧する気も失せたかもしれません。↓
ここ、清畠駅近くにあった慶能舞川鉄橋も・・・↓
台風の高波と高潮で橋梁が流されてしまいました。流された橋梁は直されることなく、砂浜に半場埋まってる状態・・・豊郷～清畠の区間も路盤流出がひどく、一部は海岸に取り込まれて痕跡がなくなったようなところもあります。現場を見れば、１日数往復の路線に何十ｋｍも護岸工事をして線路を敷きなおすなんて、とてもお金は出せないなあとすぐにわかります。どうせなら悪天候に強い高規格道路の整備にお金をかけたいでしょうね。↓
路盤流出で運休となったのが2015年1月8日。同年1月27日から暫定的に静内～様似で運転再開となりましたが2月28日に運行停止。その後は鵡川～様似で運転されることなく、今回の廃止を迎えます。ただ現時点ではまだ廃止ではなく休止状態のため、駅などはきちんと整備され、夜になると明かりもともります。↓
代行バス用なんでしょうけど、ちゃんと待合室にも電気がともると、列車はまた走り出すんじゃないかって思っちゃいますよね。↓
列車が走ることないのにホーム側も点灯、わびしい風景ですね。。。↓
駅前の花壇もきっちり整備されてますね、これは地元のボランティアなんでしょうか、手入れがしっかりしています。↓
以下、抜粋で休止後の駅風景。廃止までは備品が盗まれないよう、警察の巡回は必須。↓
