美祢線、BRT化決定 鉄路に幕①

先月、水害で運休中の美祢線について、「鉄道での復旧をあきらめBRT化に決定」というニュースが入ってきました。復旧に時間がかかりすぎることや、ここ数年続く急な旅客減での将来性も加味され、沿線自治体も止む無しと判断したようです。↓

(写真:湯ノ峠、2023.6)

今年で開業から120年目という、歴史ある鉄道ではありますが、それゆえ災害耐性も低いのか、直近だと2010年と2023年に鉄橋が流出するなどの甚大な水害にあっています。2010年被災時は、国体に間に合わせたいということで県もバックアップ、2011年には復旧と1年という短期間でやってのけた過去があります。↓

(写真:渋木~於福、2022.10)

でも、2023年の水害においては2010年と同じような甚大な被害にあってしまい、前回復旧に取り組んだ方々もかなりのショックを受けた模様。いろんな制度を利用して、かつ、迅速に対応した経緯から、余計に無力感を感じたことでしょう、もう、気の毒としか言いようがない。。。↓

(写真:南大嶺、2013.3)

この先も気象の激甚化がさらに進むと見られ、近い将来同じような水害の発生もありうるとなると、JR西も、自治体ですら復旧に及び腰になってしまいます、、、↓

(写真:長門湯本~板持、2000.7.9)

写真、バックに写る川が氾濫原因の厚狭川、日常こんな穏やかな河川が溢れだして濁流になるんですからね、二級河川でもあるので予算配分も一級河川ほどではないのかな。途中流域だけでなく、下流の厚狭の町も浸水したりするからまずは人口多いそっちからってのもあって山間部エリアが後回しになってるかもしれないけど、昨今の気象の激甚化影響が大きいんだと思います。↓

(写真:湯ノ峠、2023.6)

また利用者減も止まらないってのもある。1999年に起死回生を狙って新幹線厚狭駅を作ったんですが、これがまた超不便。ダイヤ上厚狭駅設置でこだまが停車するタイミングが悪くなったのか、山陽新幹線岡山~小倉での「のぞみ」や「みずほ」「さくら」なんかの2本抜かれとか、新幹線なのにバカ停がボコスカあるんですよ。本来は観光地としての萩へのアクセス窓口に、工業都市の宇部に近い駅に・・としたかったんでしょうけど、ダイヤがクソ不便でこだま利用なんてやってられないから、いまでも新山口から車かバスで萩へ、宇部市内へ、というほうが便利。歴代首相も多数出てるせいか、高速道路網がかなり立派というのもあり、車使いが基本ってのもある。↓

(写真:湯ノ峠~厚狭、2023.6)

もちろん旅客減に対抗すべく、かつては有名観光地である萩を連絡する、美祢線経由の快速列車も走らせたりしてたんですがねぇ・・・↓

(写真:長門湯本~渋木、2000.7)

美祢線内の車窓お楽しみが少ないからか、こうした観光ニーズの列車は海の景色が自慢の山陰線内完結の列車にシフト、美祢線自体はキハ120のみのローカル対象路線に戻ってしまいます。沿線には秋吉台という超有名観光地はあるんですが鉄道アクセスは最悪なんで、どうしても車か観光バス利用が中心になるんで、結局ほとんど観光客は取り込めなかったんでしょうね。↓

(写真:_玉江~三見、2000.7)

で、地元使いのメインは通学用途。以前はそこそこの需要を賄うべくキハ40サイズ3両編成とか4両編成とか走ってたんですがねえ・・・↓

(写真:渋木~於福、1990.8)

大嶺支線って南大嶺から分岐してた枝線は1997年に早々の廃止。閉山後は毎日空気を運んでたというレベルだったんで残ってたのが不思議でしたが。↓

(写真:南大嶺~大嶺、1996.4)

同じような時期に気動車の近代化も進んでこれまでの20mサイズはあっという間に一掃され・・・↓

(写真:厚保~湯ノ峠、1996.4)

・・・小さいサイズのキハ120に統一。美祢線カラーをまとわせてもらいましたが(広島エリアの120カラーリングによく似てるけどちょっと違うよ)、すでにこのときでも20m車が必要ない輸送量だったんでしょうね。当時キハ120導入路線ってJR西の「廃止させろよフラグ」と言われてたんですが、三江線がなくなり、ここもなくなり、あながち間違ってなかったんですね(というか導入路線見れば一目瞭然だったけど)。↓

(写真:南大嶺~四郎ヶ原、1996.4)

120化されても朝夕はまだ2連が基本だんったんですが、、、↓

(写真:重安~於福、2000.7)

運休前には朝だけ2連となり、すっかり寂れてしまってました。主要顧客の高校生が減ったのと、2016年からの山口県学区廃止による生徒の流動変化なんかも影響ありそう。↓

(写真:渋木~於福、2022.10)

山陰線の支線、仙崎まで入る列車運用もあって美祢線の一部区間みたいで、通学需要もそこそこあったと思うんですが・・・↓

(写真:厚狭~鴨ノ庄(信)、2023.6)

朝2連運用は残ってるも余裕ある感じみたい。。。とはいえ仙崎支線は美祢線運休中でも美祢線車両で運行続けてますね。。。でも、もしかしたらここもついでのBRT化で置き換えられるかもしれないけど、どうなるんやろう・・・紀州鉄道みたいな雰囲気でいいとこなんだけどね。↓

(写真:長門市~仙崎、2022.10)

さあ、今回の鉄道廃止で美祢線担当の120たちはどうなるんだろう?7両が専属となってましたが・・・↓

(写真:長門湯本~板持、2000.7)

現在120が運用就いている路線はすでに余剰感すらあるから、引き続き仙崎支線用で、プラス、山陰線益田~長門市あたりのキハ40/47を一部置き換えるかな?ただ美祢線120の運用って厚狭や長門市留置もあるけど毎日新山口から1両を送り込んでたから(5運用だから毎日変わって5日で一周かな)、そうなれば山口線を走る120も出てくるかもね(小串周りかもしれんけど)。来春のダイヤ改正で運用変更を実施すると思われますのでお楽しみってことだね。↓

(写真:於福、2000.7)

しかし、自然災害でそのまま廃止ってのが最近増えてるような・・・ここ美祢線はもともとは石炭やセメント関連での貨物輸送が盛んだったんですが、それゆえ、貨物の荷がなくなったとたんに急激に劣化。加えて水害が追い打ちかけたような感じなんですが、水害なくてもあと10年もったかどうか微妙なぐらいにまで利用が減ってたんで、今回のBRT化は日常使いの地元にとってはプラスだったんじゃないかなあ。。。ちゃんと利用者目線で議論して結論だしてるよね、隣の県の廃線危機沿線自治体はもう少し勉強してほしいなあ、リニアでの静岡県もひどかったけどほぼ言いがかりだもんなあ、並行する国道なんか車がかなり少ないもん。人流なきところで増発したら利用者増えるって算数わかってるかなあ。↓

(写真:湯ノ峠~厚保、1996.4)

まあ、同じく水害運休中の米坂線や肥薩線人吉以南なんかはもっとしんどそうでBRT化の話すら出てこないもん、でも津軽線モデルを使うにはちょっと利用者多いような気もするからバス転するしかないのかなあ、まあ、肥薩線吉松以南は鹿児島空港連絡鉄道みたいに一部線路付け替えたら再生できそうだけどね・・・次回は懐かしの美祢線貨物編をご紹介。↓

(写真:厚狭~鴨ノ庄(信)、2023.6)
         

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