令和スペ：ポーランド③-ワルシャワ高速都市鉄道
【注意事項】ポーランドでは2023.7に鉄道撮影禁止法が採択され、鉄道にかかる撮影が法的に禁止されました。対ウクライナ紛争を意識したものと思われますが、現地では同法施行以降拘束される人が出てるなど、厳格な運用を行っているようです。特にLHSはウクライナの軌間と同じで軍事物資が行き交うため厳重に注意を払ってください。
ワルシャワ通勤鉄道に続いて首都ワルシャワの新たな交通網として整備・拡張中のワルシャワ高速都市鉄道のご紹介。略称がSKM、正式名が「Szybka Kolej Moejska」、直訳すると高速都市鉄道となります。同じ名前の会社がグダニスクにもあってややこしいんですが、こちらはワルシャワ公共交通局傘下の鉄道会社。 ↓
SKMはPKPの路線をベースに新駅の設置や遊休路線の活用等で地下鉄の補強的な通勤路線を作るために2005年秋から運行を始めた新しい鉄道。ドイツのSバーンをイメージしたらいいでしょうか、ワルシャワの旧国鉄鉄道網は長距離を意識して作られてるのでワルシャワ郊外や近郊をカバーする、コミュータトレイン向けではありませんでした。地下鉄もありますが、新線開業には莫大なコストと時間もかかるため、既存路線を活用したコミュータトレイン網の整備でまずのカバーを進めています。 ↓
2012年にはワルシャワショパン国際空港までの路線が開業、旅行者にもダウンタウンまでのアクセスが容易になりました。こちらも近くを走る既存路線から最短で分岐したローコスト開業した路線。 ↓
国鉄のローカル路線部門だったマゾフシェ鉄道とも同じ線路を共用しています。ここワルシャワ・シルドミエシチェ駅はローカルホームの中央駅の位置づけ。特急ホームは中央駅を名乗り、ホームは少し離れています。シルドミエシチェ駅は２線３面のつくり、PKP列車はやってきませんが、マゾフシェとSKM車両が次から次へとやってくるので、まるで名鉄名古屋駅のよう。 ↓
SKMはSKMのみの専用車両で運行されています。車両はすべてポーランドの会社、ニュワグかペサのもの。こちらは主力のペサ製27WE。 ↓
27WEは13編成、台車が連結部にある連接車となっています。SKMでは６両１ユニットで運行されています。 ↓
こちらはPKP特急線を走る27WE。SKMは路線開発の途上、年ごとに路線変更や休止などが発生しています。今は特急線を使った運行はないと思います。 ↓
赤の車体は結構目立つので旅行者にとっては区別がついてありがたい。ただ空港発着のSKMは現在はシルドミエシチェ駅まで入ってないようです。（西駅＝ザコドニア駅で乗り換え） 系統がちょこちょこ変わるので利用時には最新情報をチェックしてくださいね。 ↓
そしてこちら、二番目に多いグループのニュアグ製35WE。顔つきはヨーロッパあるあるの、スタイルいいデザイン。 ↓
路線拡張で増備され、現在は９編成在籍しています。35WEは６両編成の連接車構造。欧州車両は連接車が多いですね、車両の１両単位の組み換えが面倒なんですが、あまり１両１両を検査したり差し替えしたりはしないのかな。 ↓
27WEと35WEって最初は区別つきにくいんですが、並んだら一目瞭然ですね。 ↓
最近ニュワグから新たに２タイプの車両を導入。現在は車両タイプが増えて車種がにぎやかになってるようです。14WEという開業時に導入された編成もあるようですがほとんど運行されてないとのこと、どこか地方の県鉄道への売却が模索されているようです。SKMは運転頻度が高く、かつ、ザコドニア駅はSKMのハブ的な駅になっているのでザコドニア駅にいれば全車種をゲットできるかもしれません。 ↓
・・ということで高速都市鉄道のご紹介でした。次回はマゾフシェ（県営）鉄道かな。 ↓
