令和改元スペ:スウェーデン-ヨーテボリ-トラム

スウェーデン西部のヨーテボリには総延長161㎞という、北欧最大のネットワークを持つトラムが走ります。車線変更時に廃止や地下鉄化などが検討されるも、軟弱地盤で地下鉄には不向き だとか、輸送量からバス化も無理がある などなどで21世紀までしっかり生き延びたところです。12系統を持ち、中心部は路面電車だらけという、トラム天国というのかな、すごい風景なんです。↓

(写真:Brunnsparken、2018.3)

便利なので利用者も多く、中央駅近くはバスも入り混じって大混雑を呈しています。次から次へひっきりなしでやってくるわけでして。。。で、ここのトラムは市の交通局が管理するいわゆる市電。オペレーターも市の所有する会社が運営。ただチケットオペレーターはVästtrafikという、地域公共団体が管理。コミュータトレインであるVästtågenのチケットオペレーターでもあります。ちょっとややこしいんですが、インフラは管轄自治体、運行は自治体出資100%の会社、料金徴収は地域自治体連合 かな。SJのほうはインフラは国のインフラ会社、運行はSJの地域子会社、料金徴収は地域自治体連合、で、電車ブランドが「Västtågen」。ちなみにトラムは「Sparven」って呼ばれていて、路面電車って意味の「Spårväg」をもじって呼んでるみたいです。ちんちん電車って愛称みたいなものかな?わからん。↓

(写真:Göteborg Centralstation、2018.3)

さて、ここのトラムは現在5→4形式移行中。ルックスがかなりレトロな車両が大半でしたが2019年からバリアフリー対応で旧型車両の置き換えがスタートしています。まずは一番の古株M28タイプがターゲット。ロットナンバーが700番台で旧アセアと企業連合が作った車両。大所帯の70両もいて、2連で35セットを一気に置き換えるという大仕事だったんですが、昨秋に難なく終了。M28もすでに定期運用から外れたとのこと。1両くらいは保存されるかな?↓

(写真:Brunnsparken、2018.3)

そしてザ・古顔のM29。見た目M28とそっくりですがロットナンバーが800番台で区別できます。この車両、ヘグルンド & セーナーという家具屋さんが作った車両。家具屋といってもバスも作るし軍用車両も作る実質エンジ会社だったみたいで、電装品はアセアから持ってきてるし、組み立てをどこがやるかって差だったみたいですね。M28より若干後に作られたため、更新順序は後になった模様。ただ2026年までの引退が決まっています。M28とM29はヨーテボリトラムのシンボル的な存在だったんでいなくなるとさみしくなりますね。↓

(写真:Brunnsparken、2018.3)

こちら、ちょっと独特なフォルムのM31。もともとM21と名乗っていたんですが、低床の中間車両を組み込んで3両化してM31とタイプ名称変更となっています。こちらは旧アセア製で80編成の大所帯。バリアフリー化も行っておりもうしばらく走る姿を見れそうです。↓

(写真:Brunnsparken~Centralstation、2018.3)

そしてM32、こいつイタリア製・・なんかありそう・・そう、欠陥車両とかでもめてるみたい。何かと欧州ではトラブルが多いイタリア製も、すでに65編成も運行されていてヨーテボリトラムの中核をなしています。M32はヨーテボリでの本格的低床トラムで、5連接車とあって最新のM33が導入されるまでは一番輸送力がありました。片運転台車両で左側は乗降口がないタイプです。↓

(写真:Brunnsparken~Centralstation、2018.3)

現在導入が進められているM33はボンバルディア製のフレクシティシリーズ。ノルショーピンで走るM03と同じシリーズです。3連接で片運転台仕様と両運転台仕様がありどちらも導入されています。現在M28置き換え完了で導入が一段落してますが、M29置き換えと輸送力向上を狙い、M33タイプCという長編成タイプが導入される予定です。ホームの延長工事などが必要で現在インフラ工事に入っているようですが完成後は玉突きでM29が廃車になる予定。↓

(写真:Lilla Bommen、2018.3)

ということで、こうした古顔が特徴的だったヨーテボリのトラムも数年後には雰囲気がガラッと変わりそう。↓

(写真:Göteborg Centralstation、2018.3)

とはいえ少しユニーク顔のM31も残るし・・・↓

(写真:Stenpiren~Brunnsparken、2018.3)

・・・全社低床車両になるのでバリアフリー化達成となります。路線延長も計画されているようですし、新しいトラム網に期待しましょうか。・・・というわけで、これにてスウェーデンは終了。特徴ある車両が多く、またまだ行けてない狭軌の保存鉄道があちこちにあるということで、車でじっくり回りたいところ。でも、生きてるうちにいけるかなあ・・・次回はフィンランドをご紹介。↓

(写真:Stenpiren~Brunnsparken、2018.3)