台湾の鉄道 TITLE
鉄道がある風景

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Page Start 2006.5.7 最終更新日【2014.3.1】
「新平溪煤礦博物園區(旧 台灣煤礦博物館)」小火車
(新平溪炭鉱博物館観光トロッコ)
台車公園~煤礦園區 1.2km
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解説・スポット
新平溪煤礦博物園區は1997年に閉山となった旧新平渓煤礦(新平渓炭鉱)跡を利用して博物館として整備したところで、2002年に台灣煤礦博物館として開業、2013年にかつての炭鉱名を取った新平溪煤礦博物園區に改称しました。閉山後施設は老朽化しベルトコンベアなど朽ち果てているところもありますが、なるべくお金をかけないでほぼ当時の状況を保つよう努力しています。

入り口は十分駅から線路沿いに大華方向に線路左手の道を進みます。しばらく道なりに歩いていくと前方左手に石炭の積み出しに使っていた建物が見えてきます。そのまま進むと左手にトロッコの機関車2台を門構えにした博物館入り口があります。ここの入り口で入場券を購入します。案内では1人250NT$ですが、なぜか1人200NT$(700円くらい)で買えます。

ゲートを入るとすぐ国鉄の引込み線跡を利用した人力トロッコが置いてあります。テコをギッコンバッタンしてレール上を走ることができここで少し遊べます。この線路を横切り石炭積み出し?棟に向かって道を上っていきます。

施設は錆びきっておりちょっと危ない感じですが近くまで行くことができます。そしてそこにつながっていたであろう朽ち果て寸前のベルトコンベア伝いにさらに急傾斜の道を上っていきます。これが結構大変で夏場はバテてしまいますので必ず水を携帯してください。ベルトコンベアから右へはずれた斜面の道を登りきるとトロッコ乗り場がある広場にやっと到着。幸い登りはここまでです。(この広場から平渓線の俯瞰撮影が可能、ただし逆光です)

ここから展示施設のあるところまでがトロッコ列車の乗車となります。かつて運搬用に使われていた運炭トロッコを客車風に改造、機関車は当時使われていたものをバッテリーカーに改造して復元しています。当時は集電タイプの電気機関車でしたが丈が低く危ないのと管理が面倒なのでバッテリーカー使用となったようです。

乗り場らしいところには屋根のある休憩施設?があります。トロッコが来るまでここで一休みです。通常下のゲートで切符を買うと電話で展示エリアからトロッコ列車が迎えに行くという手はずになっています。ただいくつかのグループで入場すると先に行ってしまったグループが乗っていってしまい、後から来た人は乗ることができなくなりますので注意が必要です。わたしが行ったときは待てども来ず、パンフレットの電話にかけたら迎えに来てくれたという、さすが台湾って感じです。

ま、トロッコが来なくても線路上を歩いていけば展示エリアにはいくことができます。なおここの広場は坑口から出炭した石炭を麓に送り出す跡地で、広場中ほどにある穴みたいなところでトロッコをひっくり返し、その下にあるベルトコンベアに石炭を落として麓まで運んでいたようです。

さて、このトロッコ、当時炭鉱で働いていたおばさんが運転を担っています。運転は結構適当で、お客さんが乗ってなかったら面倒なのか機関車の付け替えをせずバック運転でやってきます。路盤のクセもよく知っていて、脱線しそうなところが広場手前にあって、私の場合、乗り場まで列車を乗り入れず、そこまで乗りに来てと言われました。でも帰りはそこで見事脱線!(後述)

さてさてなかなかいい感じのトロッコ改造客車に早速乗車してみると今度は発車すぐに連結器が外れ、おばさんの乗った機関車だけが行ってしまう始末。。。走って追いかけおばさんを捕まえに行く羽目に。当のおばさんも運転中に肩をたたかれびっくり、さらに振り返って取り残された客車を見て大ウケ(おいおい・・~_~)。再び戻って連結しなおし、展示エリアへ出発。

路盤はかなりくたびれており乗り心地はとても悪いのですが、細い切りとおしや木々の中を進むのでなかなかおもしろいです。軌間もナローサイズで車両も元運炭トロッコとあってリアルです。距離は結構あって1kmくらいなんでしょうか、5分ほどの旅ですが十分満足できます。

視界が開けゲートが見えてきたら展示エリアに到着。機関車や客車はここで管理され、炭坑口も目の前にあります。線路は坑内へと続いていますが中には入っていきません。将来的には途中までの運転も計画してるそうです。今は坑内で農産物の保存などをしているそうです。

ここに到着すると順番で展示館を案内してくれます。案内役はボランティアの人で、坑口から順に丁寧に解説してくれます。坑内に入るときの名札板、ヘルメットライトの充電設備、展示館、炭層の説明など30分近くのガイドです。全部中国語ですが言葉がわからなくてもパネル説明などがあってわかりやすいです。小さな売店もあり飲み物はここで買えます。予約すると食事を採ることも可能ですがちょっと怖いかな・・・。遠足などにも利用されているようです。

場内はそう広くなく、案内が終わったら見るところがなくてちょっと退屈です。帰りたくなったら係りの人にいうか、帰りそうなグループにくっ付いてトロッコに乗り込みます。行きのおばさんが機関車を付け替え、もと来た線路で戻ります。

ただおばさんは行方不明になるとトロッコは一時運休、私が帰るときちょうど昼休みを取ってたらしく、おばさんが帰ってくるまで足止めになりました。まあ、ここは台湾ですからのんびり待ってると、職員がみかんでも食わない?と差し入れ。こののんびりさが台湾のいいところでもあります。

やっとおばさんが無事戻って運転再開。帰り道は行きと違って順調に運転・・と思いきや、広場手前まで来て突然停車。なんと客車が脱線!!行きに脱線しやすいっておばさんが言ってたところで見事1両目が脱線してしまいました。

でも復旧は手馴れていて脱線した客車をそそくさと棍棒で持ち上げ、お客さんに客車を押してもらって無事軌道に・・・日本だったらすぐに運行停止なんでしょうけど、おばさん曰く、こんなのしょっちゅうだよ、古いから仕方ないとのこと。まあ、ここは適当の国「台湾」、ご愛嬌ご愛嬌・・・。

ってことで、気分を取り直し無事広場に到着。といっても乗ってた人は脱線後に連結作業をしていたためみんな降りていってしまいました。広場の乗り場には展示エリアへ行くお客さんがちょうど待ってて、機関車をつけ返し、また来た道を戻っていきました。

単に廃鉱にちょっと手を入れただけの、まあ正直トロッコ列車がなかったらあんまり見るところのない台灣煤礦博物館ですが、のんびりした気分を味わえる、なかなかオツなところです。へろへろ線路も魅力的ですので、ぜひ平渓線ご乗車の際には訪問してみてください。


撮影ガイド

ま、好きなところでどうぞ。運転時刻は適当でいい加減なので、途中区間で撮影する場合は展示エリアへ一旦行っておばさんが出て行ったら煤礦園區へ戻る帰りの列車を狙うという形で撮るのがお勧めです。なおくれぐれもいたずらに藪に入らずに。

新平溪煤礦博物園區



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