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ニュージーランドの鉄道 TITLE
Page Start 2007.10.9  【最終更新日 2008.7.21】
Tranz Scenic 「TRANZ ALPINE(トランツアルパイン号)
アーサーズパスでの小休止ワイマカリリ川を渡るトランツアルパイン号
DATA

⇒南島レイルマップ

トランツシニック;トランツアルパイン号紹介ページ

撮影地ガイド
クライストチャーチ周辺ではあまりいいポイントがありません。ローレストンくらいになると道路わきから編成写真が撮りやすくなります。

ローレストン~スプリングフィールドでも編成写真が簡単に撮れます。スプリングフィールド~カスは少々道なきところを行かなければならないのでいきたい場合は事前に下調べをしたほうがいいいでしょう。

国道と鉄道が接近するカス付近はサザン・アルプスをバックに撮影できる有名な撮影ポイント。道路わきから俯瞰気味に列車を簡単に撮影できます。

カス~アーサーズ・パスにかけても道路脇(対岸)から自由に撮影ができます。アーサーズ・パスを越えた西海岸側は単調な景色の中を進むため、編成写真っぽい感じが中心となります。

なお、この路線は貨物列車が頻繁に走っていますのでトランツ・アルパイン号と併せてお楽しみいただけます。

《GALLERY》
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解説
南島最大の都市クライストチャーチと西海岸の町グレイマウスを結ぶトランツ・シニックの列車「トランツ・アルパイン」号は、サザンアルプスを横断する、風光明媚な車窓で有名な列車です。トュールレールのミッドランド線を走るこの列車は1日1往復運転され、早朝クライストチャーチを出発、午後グレイマウスからクライストチャーチに向け出発、夕刻に戻ってくる運転となっています。

この列車は旅行者に大人気で、多くの旅行者はクライストチャーチから途中のアーサーズ・パスまでを乗車するパッケージツアーを利用します。ブルーの客車が牧歌的風景に溶け込み、ヨーロッパチックな雰囲気を醸し出します。きれいな車内ですが向かい合いのシートでしかも外人となれば少々窮屈。

シーズン中は10数両の長大編成となり、連結されるオープンデッキ車両は人ですぐに埋まってしまいます。車内は2+2シートでちょっぴり狭い感じがしますが、シートモケットも新しく清潔感があります。車内販売も乗車します。

切符は航空券のような紙で手書きで乗車日や席番号を書き入れた原始的なものです。旅行者としては記念に持ち帰りたいのですが乗車後は回収されてしまいます。手書きのオールドスタイルなので下車前に回収されるようです。なんとも愛想のない乗車券。クライストチャーチからやグレイマウスからなら当日のちょい乗りも可能ですが、事前に予約しておくのがベターです。

さて、沿線風景ですが、始発駅のクライストチャーチ駅はクライストチャーチの町外れに駅があり、駅舎は最近立てられた立派な外観です。ただホームは1面1線のなんともあっさりとした構造になっており、列車は先発のトランツ・コースタル号が発車した後、近くのヤードからバック推進でホームにやってきます。

駅の中は1日2往復しか列車が発着しないにもかかわらず待合室もあり、チケットカウンターは飛行機のチェックインカウンターと同じ形になっています。チェックインをして荷物がある場合は預ける、という完全な飛行機スタイルです。

クライストチャーチ駅を発車した列車はしばらく街中を走ります。南本線とミッドランド線の分岐駅であるローレストンで西進しサザンアルプスを目指します。車窓はニュージーランドそのもの。

このあたりから車窓はニュージーランドらしい牧草地を進み、放牧された羊を見ながら進んでいきます。カンタベリー平野というとおり、ワーディントンまでは平坦な大地を進みます。スプリングフィールドを過ぎると山が迫ってきます。

これまで並行していた国道とは分かれ、丘陵地を進んでいきます。まわりの風景は映画「ロード・オブ・ザ・リング」のワンシーンのような風景となってきます。遠くには残雪残るサザン・アルプスが見えるようになります。

線路を絡むワイマカリリ川は氷河のなごりある川床でやけに広い河原と転がる石が印象的です。通常川沿いなどにはなんらかの家や人工物などがあるのですが、ここではまったく見られません。周りには人工物がまったく見えない大自然を進むトランツアルパイン号。

カス付近になり、別れた国道と合流するあたりでワイマカリリ川を渡ります。車窓左側から雄大なアルプス連山が拝めます。大きな河原が広がる不思議な景色を横目に列車は進んでいきます。

谷が急に迫ってきたらアーサーズ・パス駅に到着。この駅では石炭列車と交換です。列車交換はアーサーズ・パスだけではなくグレイマウスまでの道のりで何度か石炭列車とすれ違います。

アーサーズ・パスでは結構の乗降があります。パッケージツアーが多い場合は列車の半分をここで分割し、グレイマウスまでは最小編成で運転されます。残った車両は帰りの列車に連結してクライストチャーチに送ります。

アーサーズ・パス駅を出ると峠越えとなります。ニュージーランド最大のトンネル「オティラトンネル」を列車は進みます。トンネル内はかなりひんやりしており、展望車両のままでいると少々つらくなります。

トンネルを抜けるとジャクソンズあたりまで山間部を走る風景となります。川ともつれ合いながらいくつかの鉄橋を越えていきます。線路を右にカーブすると湖や牧草の入り混じる風景を進みます。モアナ付近はブルンナー湖が車窓の左に広がります。ブッシュ状の林や牧草地帯を列車は進みます。

ウェストポート方面との分岐点スティルウォーターまで列車が来るともうすぐグレイマウス。終点のグレイマウス駅も1線1面の小さな駅で、終着駅らしい雰囲気がなかなかグッドです。乗客がすべて降りたら一旦列車はヤードに引き上げ、帰りの発車時間前に新たにホームへ入ってきます。

グレイマウスからはフレンツ・ジョセフ氷河に向け新たな旅程に出かける人、または単に折り返してクライストチャーチに帰る人、グレイマウスに残る人、それぞれが新たな旅に出かけていきます。

ツアーなどでクライストチャーチで数日間あって、レンタカー利用はちょっと・・・という場合にはこの列車での単純往復乗車の旅もいいでしょう。切符の手配は日本の旅行代理店でも可能のようで、ダメでも現地ホテルなどで手配できるようです。ホームページでも予約できますのでトライしてみてください。




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