JR東日本 信越本線
群馬県〜長野県
横川〜軽井沢 11.2Km
軽井沢〜篠ノ井 65.1Km
横川-(信)熊ノ平-軽井沢-中軽井沢-信濃追分-御代田-平原-小諸-滋野-田中-大屋-上田-西上田-坂城-戸倉-屋代-篠ノ井
1997年10月1日 廃止
※軽井沢〜篠ノ井は第三セクター「しなの鉄道」として経営を引き継ぎ
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信越本線横川〜篠ノ井間は、長野新幹線の開業の際、並行在来線廃止に伴い廃止された区間で、特にヨコカルと呼ばれていた横川〜軽井沢間は急勾配で機関車補機をつけての運転が有名な区間でした。
旅客が見込める軽井沢〜篠ノ井は第三セクター「しなの鉄道」として存続となりましたが、管理コストがかかり旅客の増加も期待できない横川〜軽井沢間においては完全廃止となりました。
もともとこの区間は勾配対策としてアプト式のラックレールが敷かれていましたが、スピードアップを図るべく粘着運転可能なEF63を導入し2両1セットにて全列車を牽引するスタイルに変えた経緯があります。
特急列車、普通列車とも全列車において機関車による補機が必要だったため、連解結作業のため横川と軽井沢駅で停車時間ができ、特に横川ではその合間を狙った弁当売りが有名で、誰もが知る「峠の釜めし」は特急列車到着時は飛ぶように売れてました。
現在も横川駅では峠の釜めしを売っていますが、ローカル支線の終着駅となってしまった今はさみしい駅となっています。(ちなみに峠の釜めしは長野新幹線内でも買え、近くのサービスエリアでも購入可能)
沿線風景ですが、横川を出るとすぐに勾配を登り始める感じとなります。山深い中を進んでいきますがスピードはそう出せないため、ゆっくりと山々の緑を拝みながらの車窓となりました。
かつてのレンガ造りの変電所あとやアーチ橋を横目に見ながらトンネルと鉄橋を繰り返し登っていきます。長めのトンネルを抜けると高原の町軽井沢に到着。ここで機関車を切り離します。
この横川〜軽井沢間は距離11.2kmに対し所要17分、両駅での機関車付け替えにそれぞれ最低3分必要としていたため、特急列車のボトルネックになっていました。そのため長野新幹線が開業してからは東京〜軽井沢が約1時間とこれまで必要としてきた時間を半分に短縮することができました。
またそうした手間から普通列車の設定が少なく、18キップでここを通過するには少々面倒なところでした。
軽井沢から先、篠ノ井までは第三セクター鉄道「しなの鉄道」に引き継がれましたが、駅施設や車両はそのまま使われており、信越本線時代とそう変わらない風景を保っています。
中軽井沢を出ると右手に大きく浅間山を望み、勾配対策のS字状に敷かれた線路を下りて行きます。
上田駅は新幹線、上田電鉄が接続する中規模都市で沿線で一番大きな駅です。その先の西上田には石油受入施設があり、第三セクターになった今でも篠ノ井から貨物列車が運行されています。
篠ノ井までの風景は169系の車両も以前使われていたものと同じなので(塗装は大きく変わりましたが)ほぼ原風景を保っています。
ただし優等列車:特急あさま、白山は廃止となり消滅。夜行急行の能登は上越線経由での運転に変更されました。
なお、横川には現在かつての広い構内を整備した「碓氷峠鉄道文化むら」があり、ここに当時使われていたEF63などが動態保存されています。また一部路線跡を使った園内鉄道としてトロッコ列車が運転されています。
なお、このトロッコ列車はさらに奥までの延長運転も検討されたりしてましたが距離も長く、安全上の問題もあることから実現には至っていません。
また廃止区間にはJRバスが運行されており、時刻表にも記載されています。廃止区間の一部は遊歩道に整備されているところもありますがトンネル部分や鉄橋部分はそのままとなっています。
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