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Page Start 2009.1.28 最終更新日【2013.4.3】
「高千穂鉄道 (旧 JR高千穂線)
DATA
高千穂鉄道
運行休止
・延岡〜高千穂
 2005年9月6日
廃止日
・延岡〜槇峰(29.1km)
 2007年9月6日
・槇峰〜高千穂(20.9km)
 2008年12月28日

JR最終日
 1989年4月27日

路線営業キロ:50.0km


各駅

延岡(のべおか)
西延岡(にしのべおか)
行縢(むかばき)
細見(ほそみ)
日向岡元(ひゅうがおかもと)
吐合(はきあい)
曽木(そき)
川水流(かわずる)
上崎(かみざき)
早日渡(はやひと)
亀ヶ崎(かめがさき)
槇峰(まきみね)
日向八戸(ひゅうがやと)
吾味(ごみ)
日之影温泉(ひのかげおんせん)
影待(かげまち)
深角(ふかずみ)
天岩戸(あまのいわと)
高千穂(たかちほ)

《GALLERY》
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解説
高千穂鉄道は、宮崎県北部、工業都市の延岡から五ヶ瀬川に沿って高千穂町までを結んでいた全長50kmの第三セクター鉄道でした。2005年の台風14号の集中豪雨によって橋脚や路盤が流され、復旧することなくそのまま廃止となりました。

もともと国鉄の赤字路線で廃止候補に掲げられていた路線で、国鉄民営化を経たあと当時流行りでもあった第三セクター鉄道にて存続することが決定。1989年4月28日JR九州から高千穂線を引き継ぎ「高千穂鉄道」として再出発しました。

第三セクター化にあわせ、これまでキハ20が主体だった車両もすべて新型の軽快気動車に刷新、観光用に展望車両も増備され順風満帆でのスタートとなりました。

開業当初は話題性もあり注目を集めましたが、沿線住民の鉄道離れはスタート時点から進んでおり、旅客の大半は学生という状況でした。また、九州は早くからバス路線が発達しており、平行する国道には宮崎交通のバスが鉄道以上に頻繁に運転され、利便性の高いバスを使う人がもとから多く、その後も旅客減が続きます。

さらにその後の道路整備で国道が高速道路並みの高規格道路となってからは、自動車やバスのほうが断然早くかつ乗り心地もいいということで急速に鉄道利用が落ち込んでいきます。

結果として赤字からの脱却はむずかしい状況となり潜在的に廃止論が形成されていきます。そんな折、2005年9月6日の台風14号による集中豪雨で第一五ヶ瀬川橋梁、第二五ヶ瀬川橋梁が流失。路盤も大きく流され日之影温泉駅から川水流あたりまで甚大な被害を被りました。

結局復旧には新線建設並みのコストがかかるとして同年12月に廃止の方針が決定。ただ、被害の比較的少なかった槇峰〜高千穂(といっても日之影温泉駅には泥水が入って結構グダグダになっていた)は観光鉄道として存続させたいとして廃止保留となります(休止を継続)。

地元有志などで出資を募り「神話高千穂トロッコ鉄道」として再生計画が話し合われますが、思ったように資金が集まらないなどで、結局2007年12月に廃止を申請、幹事役も亡くなったりして存続話は急速にすぼんでしまい2008年12月28日付けで全線廃止となりました。


沿線風景

かつての沿線風景ですが、行縢までは延岡市街を走りますが、細見あたりからすぐに五ヶ瀬川沿いを走る風景に変わります。川の蛇行に合わせてぐねぐねと曲がりながら小さな駅で乗降扱いをしていきます。

川水流駅は交換駅、ローカル駅らしい雰囲気です。川水流を出ると山が迫って谷の中を列車が進んでいく雰囲気になります。目線上には高規格道路となった国道が見られ、見るからに便利そう。

やがて川幅が狭まって上流に来たなあというところで日之影温泉。かつては日之影駅と名乗ってましたが1995年に改称、駅もきれいに作り変えられました。

日之影温泉から先は1972年開業ということで直線主体の線路に突然変わります。これまで蛇行しながら川の風景を楽しんでいたのがトンネルだけの風景になってしまいます。

深角を過ぎ長いトンネルをくぐるとこの路線の目玉であった日本一高い鉄橋「高千穂鉄橋」へ。観光客風の人が乗っていたら、列車はスピードを緩め車内アナウンスで鉄橋を紹介。眺望や高さを味わってもらうため徐行で鉄橋を渡ってくれます。鉄橋を渡るとすぐに天岩戸駅。あの天照大神で有名な神話の舞台です。眺望はすごいがいまいち売りのある風景ではなかった大鉄橋。実は並行する国道からも同様の風景が楽しめる

ここからは高原風の地形を進み、終点高千穂に。高千穂から先、熊本県高森までつなぎ、延岡と熊本を結ぶというのが高千穂線のもともとの使命でしたが、工事は着工したものの、異常出水や国鉄赤字問題で計画は凍結。

そして高千穂線自体も第三セクター化、さらに廃止となってしまい、何年か後にはそんな話があったんだよという神話にでもなってしまうのでしょう。

なお、現在は休止直後ということで遺構が結構残っていますが災害のあった部分などは撤去が進んでいる模様です。高千穂鉄橋については公園施設として残しトロッコ運行をしようという話が現在も協議中です。

また、黄色と緑のトロッコ列車2両はJR九州が買い取り、日南線で特急列車として第二の人生を歩んでいます。



「鉄道がある風景」/RailScape
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