蒲原鉄道
最終日
・加茂~村松(17.7km)
1985年3月31日
・村松~五泉(4.2km)
1999年10月3日
路線営業キロ:21.9km
各駅
加茂(かも)
陣ヶ峰(じんがみね)
東加茂(ひがしかも)
駒岡(こまおか)
狭口(せばぐち)
七谷(ななたに)
冬鳥越(ふゆとりごえ)
土倉(つちくら)
高松(たかまつ)
大蒲原(おおかんばら)
寺田(てらだ)
西村松(にしむらまつ)
村松(むらまつ)
今泉(いまいずみ)
五泉(ごせん)
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蒲原鉄道は新潟県JR加茂駅から東へ、七谷から国道290号線沿いに高松までを、以降村松を経てJR五泉駅とを結ぶ、全線単線電化の鉄道でした。開業は大正時代と古く、新潟県で初の電化鉄道として開業しています。
ただ、旅客の中心は五泉と村松を結ぶ区間がほとんどで、村松から加茂までの区間は大きな集落もなく新潟や新津などへ向かう旅客の流れにも対応していなかったことから、列車のほとんどは五泉~村松となっていました。
加茂まで通しで運転される列車は朝夕の設定だけで、115系電車が発着するホームの脇からオンボロの吊り掛け電車が発着する様はちょっと違和感がありました。
鉄道の廃止は2段階で行われ、旅客の少なかった加茂~村松が1985年3月で運転を終了、以降はバス転換されます。このとき全線廃止の話も出ていましたが、利用者の比較的多かった五泉~村松は残すべきという意見が多く、そのまま残ります。
残った区間はたった4.2kmの途中駅1つという、ミニ私鉄になりましたが、それまでの吊り掛け電車は顕在し古豪たちが毎日運行されていました。
しかし、その後残った区間も旅客が減少傾向で、また老朽化した車両の更新などの課題も残り、1999年10月ついに廃止。同年4月の新潟交通全廃とともに新潟県から老舗の私鉄がなくなりました。(北越急行は第三セクター鉄道)
沿線風景ですが、加茂を出た列車はJR線を跨いで東に進みます。ホームはJRと共用となっており、今の駅の西側にホームがありました。
加茂から先は山へ向け勾配を登り、小さな駅をつないで進みます。七谷で方向を北に向け峠越えとなります。峠付近の冬鳥越にはファミリー向けの小さなスキー場があり、冬場にはそこそこ賑わっていました。
国道に沿って北進し、高松あたりから北東方向へ向きをかえ田んぼの中を進み、集落に入ると村松。島式ホームの駅で駅ビルも完備した拠点駅で車庫もここにありました。
列車はそのまま向きを北へかえ国道沿いを進み、左に曲がると終点の五泉。この駅も国鉄との共用駅でホームに小さな窓口がありました。
車両は最後まで古い吊り掛け電車が使われ、内装も木を主体とし旅情あふれる車内で、結構人気のある鉄道でした。油びきされた独特のにおいと吊り掛けモーターのにおいがとても懐かしく、また車両のカラーリングも昭和を彷彿とするツートンカラーとなっていました。
現在路線跡は、早くに廃止された加茂~村松はわからなくなっているところが多くなっていますが(国道拡張に伴い国道沿いを走っていた区間は道路になっている)、冬鳥越スキー場には村松駅に留置されていた電車を静態保存。村松にある五泉市城址公園には当時使われた車両の一部を屋根付きで保存。またJR五泉駅構内は当時の雰囲気のままとなっています。
#静態保存はこちらで紹介。
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