住友大阪セメント(株)伊吹工場専用線
・近江長岡-伊吹工場 3.7km
・1999年6月28日終了
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住友大阪セメント(株)伊吹工場専用線はJR東海道線近江長岡から伊吹山麓にある同伊吹工場までを結んでいた、電化された企業専用線です。もとは大阪セメントの伊吹工場でしたが、企業合併により住友大阪セメントと名乗るようになりました。
この路線の特徴はなんといっても専用線なのに電化されて、かつ、箱型の電気機関車「いぶき501」と「いぶき502」が活躍していたことでしょうか。運転本数も1日数往復とかなりの頻度で運転されていて、知る人ぞ知る穴場の鉄道でした。
列車のやりくりは、工場からセメントを積んだ貨車を駅に送り、そこで返車を受けとって工場へ帰るという運転パターンでした。長岡を出た列車は山のふもとに沿って勾配を登り工場目指して進んでいきます。田園地帯を横断し小さな集落を抜けると伊吹工場に到着。工場内のヤードはなかなか雰囲気が よく、旅愁のあるなんか懐かしい感じがするところでした。
セメント不況から住友と大阪の2社が合併しましたが、扱うセメントも減少し1999年にトラック化。さらには本巣にあった岐阜工場との統合で伊吹工場でのセメント生産が2003年に終了。今は採石のみとなっています。
この周辺はセメント原料の石灰石が豊富にあり、三岐鉄道、西濃鉄道、樽見鉄道(住友大阪セメント岐阜工場専用線)、かつては近江鉄道でも石灰石やセメント貨物列車が運転されていました。しかし、徐々に輸送がトラックなどに切りかえられ、今でも元気のいいところは三岐鉄道だけとなりました。
ちなみに、この専用線廃止後、使われていた電気機関車2両は大井川鉄道に譲渡されましたが、中部国際空港埋め立て用砕石運搬のため地元の三岐鉄道へ貸し出され、しばらく三岐鉄道で活躍していました。三岐鉄道では専用線時代にはなかったEL「いぶき」同士の重連が見られました。
空港完成後には501は大井川鉄道に戻りましたが502は廃車となっています(静態保存)。またこの501も2010年に西武からきたE31への置き換えで廃車となる運命です。
なお、廃線跡は大半が遊歩道となって残っています。かつての線路跡は東海道新幹線車内からも確認することができます。
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