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Page Start 2000.3.12 最終更新日【2013.1.20】
越後交通 長岡線(えちごこうつう ながおかせん)
DATA
越後交通長岡線
新潟県長岡市

・寺泊新道-寺泊 3.1km
 1966年5月31日廃止

・来迎寺-西長岡 7.6km
 1972年4月15日
  旅客輸送最終日

・大河津-寺泊(寺泊新道) 4.8km
 1973年4月15日最終日

・越後関原-大河津 19.4km
 1975年3月31日終了
(残存区間旅客輸送廃止)

・西長岡-越後関原 4.3km
 1993年3月31日廃止

・来迎寺-西長岡 7.6km
 1995年4月1日廃止

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解説
越後交通長岡線は貨物専用鉄道として、信越本線来迎寺駅から西長岡に至る7.6kmを営業していました。もともとは旅客輸送が主体で、路線の西長岡から先、JR越後線寺泊(旧大河津)を経て寺泊まで路線が伸びていました。

またこの長岡線とは別に長岡から上見付を経て栃尾に、長岡から悠久山へと延びる栃尾線がありました。こちらは762mmのナローで軽便鉄道風なところが人気あってこの長岡線より有名だったようです。

この越後交通も地方鉄道にありがちだった高度成長期のモータリゼーションに呑みこまれ、北陸鉄道や福島交通のように次々と路線を廃止。特に致命的だったのが西長岡で寸止めとなっていた路線構造。もともと西長岡から信濃川を越えて長岡駅へ乗り入れる計画だったのが建設当初の資金難から堤防前でレールがストップ。

結果的に最後まで行き止まり駅状態だったのでJR来迎寺駅にはつながるものの、全列車通し運転の際スイッチバックするなど、長岡へ行くにはかなり遠回りをする構造でした。

1975年春に越後関原~大河津の路線廃止を機に、不便で旅客が減った旅客を見放しすべてバス転換。来迎寺~越後関原の貨物輸送だけが残り、 以降、細々と営業してきました。

しかし、貨物輸送の形態も時代とともに変化し、道路整備が進み、トラックなどの小口輸送が主となってくると鉄道輸送の魅力は低下。荷主との契約が切れて西長岡~越後関原が1992年の休止を経て1993年に廃止。残った来迎寺~西長岡の区間も荷受け所の廃止とトラック輸送への切り替えで運行休止となり、1995年、全線廃止となりました。

晩年はブルーの車体の電気機関車3両体制で運行。箱型2両、凸型1両の独特の構成で、うち箱型のED5101はEF58似の特徴的な電気機関車でした。定山渓電鉄から長野電鉄、越後交通と渡り歩いてきたELで、ED5102と2両セットでやってきましたが、最後は部品取りの役割で一線を退いていました。

最後の荷主はデンカで、来迎寺と西長岡の間の旧才津駅にサイロを持っていました。機関庫は西長岡にあったので、列車の仕立ては西長岡~才津まで単機、才津~来迎寺で貨車牽引となっていました。なんかよくわからんモーターカーもいました。

また才津の入換はアントが行っていたようです。訪問当時はアントに興味なかったので才津には立ち寄らず実際はどうだったのかはわかりません。また1両だけ化学タンク車っぽいデンカ車両が付いたり付かなかったりしてたのですが、なんだったんでしょうね。

運行は1日2往復設定があり、朝に単機で西長岡から来迎寺へ出かけセメント貨車を引いて才津へ。貨車をサイロ側線に入れたら単機で西長岡へ帰ります。夕方セメントを抜き出した空貨車を来迎寺へ持っていくため、単機が才津へやってきて空の編成を来迎寺まで牽引。来迎寺に貨車を留置後、単機で西長岡まで戻るというパターンでした。

廃止の直前は設備の老朽化が目立ち、機関車の故障など日常的に起こって運転に支障をきたしていたようです。

廃線跡は年数が経っても結構残っていましたが、最近は積極的に撤去を進めているようで、築堤などが残るくらいになったようです。廃線跡が残っていたのはかつて大株主だった田中角栄+一族の威光で復活してもらえるかもしれないから・・という都市伝説があったようです。今も越後交通には田中家が株主として(持株比率小さい)は経営に関与しています。

長岡線はレトロな機関車とヘロヘロ感たっぷりのレールがいい感じだったのですが、不安定な運行時刻と平日限定運行ということで難易度が高く、思ったほどの撮影ができませんでした。また西長岡駅へも訪問はしていましたが廃墟みたいな駅だったのでフィルムをケチって写真を撮ってませんでした。今となってはちょっと後悔しています。


「鉄道がある風景」/RailScape
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