ルクセンブルク国鉄(CFL)
Société Nationale des Chemins de Fer Luxembourgeois
全長 275km
軌間 1435mm
CFL路線系統図(2011)
(C)CFL
CFL website
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ルクセンブルクはドイツ、フランス、ベルギーに囲まれた小国で、ちょうど佐賀県くらいの大きさの国土です。国土は全般的に平地が少なく丘陵地で構成されており、首都のルクセンブルクも丘の上に町が築かれています。一方で高い山はなく、一見すると山奥にある国という印象を受けますが、首都の標高でも380mほどです。
人口は50万人弱で、佐賀県の人口よりも少なく、それでいてGDPトップクラスの裕福な国です。また大公が元首となる大公国で大公が行政権を執行する立憲君主制の国です。大公国は世界でルクセンブルクだけとなっています。
さて、こうした小国でありながらも全長275kmの鉄道網を持ち、路線は南に位置する首都から放射状に伸びています。ほぼ全線電化されており、ルクセンブルクからベルギーへ続く路線19kmの区間が直流である他はすべて交流となっています。
運営はすべて国が行っておりルクセンブルク国鉄を名乗ります。略称「CFL」がトレードマークにもなっていて、これはフランス語の「Société Nationale des Chemins de Fer Luxembourgeois」の頭文字をとったものです。言語はドイツ語に似たルクセンブルク語、フランス語が公用語となっており、表記はたいていフランス語になってます。
また国境を接するベルギー、ドイツ、フランスから列車が乗り入れ、国土が狭い分、国境を出たり入ったりする列車もあります。系統は全部で7系統あり、南北を走る系統10番が路線長が一番長くなっています。また系統10番は2つの枝線を持っています。
他のヨーロッパ諸国と同じく休日は減便されるので、日曜日やクリスマスなどの乗車計画には気をつけましょう。土日祝運休や土日祝のみ運転、季節運行もあります。
各国との列車の接続ですが、ベネルクスグループであるベルギー首都ブリュッセルからの直通列車が1~2時間に1本運転され、利便性を見るとベルギーから入るのが一般的です。ただ3時間半もかかるのでビジネス客は飛行機利用が一般的。
2007年からはパリからのTGVが乗り入れるようになり、パリからだと3時間切るスピードとなりました。乗車券の値段は割高ですが、日帰り旅行ならベルギーからよりもフランスから入るほうが実は便利です。
ドイツ方面との乗り継ぎはどちらもローカル線経由となるため移動時間がかかります。コブレンツからのICが1日数本ありますが、のんびり沿線風景を楽しむなら系統10番や30番を乗り継いでの旅行が楽しいでしょう。
使われている車両ですが、CFL所属車両は機関車+客車のセットか電車のいずれかとなります。機関車+客車は3~4両のダブルデッキ車両が使われ、最近はほぼ新型に置き換わったと思われます。電車のほうは2タイプあり、新型への置き換えが進んでいます。
また各国からの直通列車はフランスからは真新しいダブルデッカー電車のZ24500、ドイツからは急行車両に使われる機関車+客車のセットが、ベルギーからは国鉄の機関車+客車のセットが乗り入れてきます。各国の列車が集まるルクセンブルク駅はちょっとした博物館のような感じです。
各系統
◆10番
ルクセンブルクから北へ延びる路線。国内はトロワヴィエルジュ(Troisvierges)までの列車、途中コタンバック(Kautenbach)から支線に入るウイルツ(Wilt)行き、エテルブリューク(Ettelbruck)から支線に入るディーキルヒ(Diekirch)行きが運行。
ルクセンブルク~エテルブリュークは本数が多く、おおむね15分に1本の運行があります。2つの支線内の区間運行もあり、たいていトロワヴィエルジュ行きと接続が図られています。
国境を超える列車はベルギーとの国境を越えてすぐのグヴィー(Gouvy)行きとリエージュ(Liège)までの列車があります。
◆30番
ドイツへつながる路線。ドイツ国境を越えたトリール(Trier)行きと国境手前のヴァセルビリグ(Wasserbillig)までの区間運転が主。一部列車がトリールの先、ヴィットリッヒ(Wittlich)まで運転されます。
またインターシティーも線内を走り、ルクセンブルクからコブレンツ(Koblenz)、さらにその先ケルン(Köln)まで運行されています。
◆50番
西部ベルギー国境へ延びる路線。途中国境のクランベッタンジャン(Kleinbettingen)までと国境を越えたベルギーの町アルロン(Arlon)行きが運転されています。またナミュール(Namur)やブリュッセル、さらに遠くオーステンデ(Oostende)までのインターシティも運行されます。
◆60番
フランス国境沿いを南に、ベルギーとも国境が接するロダンジュ(Rodange)方面へ向かう列車。国境手前のペタンジュ(Pétange)止まりとベルギー国境を越えてすぐのアチュ(Athus)行きがメイン。
また、途中分岐する支線系統で60a、60b、60cがあり、60aはベトンブール(Bettembourg)から分岐しフランス側ヴォルメランジュ・レ・ミーヌ(Volmerange-les-Mines)と国境手前のデュドランジュ(Dudelange)までの運行があり、ルクセンブルク直通と支線内区間運転とが設定されています。
60bは60系統ノルツァンジュ(Noertzange)から国境の町リュマランジュ(Rumelange)へと延びる路線で朝夕だけ運転の超ローカル線となっています。
60cはエシュ・シュル・アルゼット(Esch-sur-Alzette)からフランス国境を越えてすぐの町オーダン・ル・ティッシュ(Audun-le-Tiche)を結ぶ路線。ルクセンブルクからの直通列車も走ります。
◆70番
ベルギー・フランス3国接する国境の町ロダンジュ方面へダイレクトに延びる路線。ロダンジュどまりと国境を越えたフランスの町ロンウィー(Longwy)行きが運行されています。
また副系統としてロダンジュからベルギー側アチュ経由50系統終点のアルロンへ向かう70a、ロダンジュからベルギー側ヴァルトン(Virton)、リブラモン(Libramont)へ向かう70bがあります。
◆80番
フランス内のティオンビル(Thionville)からルクセンブルク内のベトンブールを経て、系統60番と重なってロダンジュ、国境を越え再びフランスに入ってロンウィーまでを結ぶ路線。系統全線を走る列車は少なく、ベトンブールで乗りかえるパターンがほとんどです。
◆90番
ルクセンブルクとフランスのメス、ナンシーとを結ぶ路線。フランス国鉄との共同運行路線で、メスまではTGVとも供用します。
旅メモ
首都ルクセンブルクの見所は小さくまとまってますので半日あれば駆け足で回れます。が、旧市街のオープンカフェなどで楽しんで、1日いるのがベスト。パリ東駅からのTGV利用の日帰り旅行が便利です。
他の観光地と掛け持つなら、ベルギーのブリュッセルからナミュールやリエージュの訪問途中に、またドイツ コブレンツからや、フランス ナンシーやメスなどからも入ってこれます。
ルクセンブルクの旧市街とグルントは見所満載。しかもそうした観光スポットから手軽にいけてる鉄道写真も結構撮れるのでテツにもGOOD。・・・観光ポイントの詳しくは旅行ガイドにお譲りしますが、コンパクトにまとまった古都をご堪能ください。
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