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韓国の鉄道 TITLE
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Start 2008.4.27 最終更新日【2008.4.27】
KORAIL「京釜線(キョンプせん)」(한국철도공사 경부선) 
KTXがずらりとならぶ姿はなかなかのもの。 KORAIL「京釜線」
한국철도공사 경부선
441.7km(KTX408.5km) ソウル~釜山(プサン)
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解説
KORAIL京釜線は日本で言う東海道線にあたる韓国の一大幹線です。ソウルを基点とし韓国最大の港である釜山まで南北に走る路線で、水原、大田、大邸といった主要都市も結ばれます。

京釜線にはフランスTGVの技術を導入した「KTX(Korea Train eXpress)」が走ります。2004年4月に開業したばかりで、フランス同様、在来線駅はそのまま利用、途中を高速専用線を使って走行する形式がとられ、在来線に自由に入っていけるところが日本の新幹線と大きく違うところです。

KTXは途中始興駅を過ぎた、ソウルから17kmのところにある始興連結線分岐から専用線として分岐。大田駅近くまで専用線を走ります。大田駅は在来線との共用駅で、太田を出て沃川駅を出てから再び分岐、大邸手前の新洞~枝川で在来線と合流し東大邸までKTXとして走れます。

東大邸から先は予算との関係でまだ未完成の状態で、予定されているソウル~始興と東大邱~慶州~釜山での高速専用線建設はまだ途上にあります。暫定的に釜山までは在来線を利用して現在列車を走らせています。

ただ暫定開業とはいえ、これまで特急であるセマウル号だとソウル~釜山で4時間20分かかったのがKTX開業によって2時間40分と大幅な時間短縮となりました。これでソウル~釜山は日帰り圏内となり、とても便利になりました。さらに東大邱~慶州~釜山が完成した暁にはソウル~釜山が2時間10分で結ばれることになります。また少々交通の便が悪かった慶州へもつながることから残り区間の開業が待たれています。

KTXは高速専用線内では300km/hの高速運転で走ります(在来線を走るときは通常のセマウル号と同じMAX150km/h)。列車は客車を機関車ではさんだプッシュプルタイプなので、高速運転時での音もとても静かです。ただ車両が軽いからなのか、高速時には結構車体が振動します。また座席が方向固定の座席となっており、高速運転時の逆向きは少々気持ち悪くなります。車輌も少し小さめに作られているため大きな荷物だとちょっと窮屈となります。

なお、逆向きシートは乗客からの評判が悪く、正面向きシート利用より料金が割引されているのですが、依然不満が多く、結局車内改装を実施することとなり、今後3年ほどで全車両シート交換をするそうです。

このKTXはソウルからは釜山行だけでなく、途中大田手前の分岐点となる大田操車場から湖南高速線が分岐し、木浦、光州へ行く列車もあります(湖南線には高速専用線はない)。また、大田から在来線に入って東大邱へいく列車もあります。このあたりが日本の新幹線と違って在来線を利用することを最初から考えて作ったTGV型の利点で、軌間1435mmと同じなため、地方都市とソウル直結の列車運行も可能となっています。

また、韓国で面白いのが日本だとKTXのような新幹線ができると在来線特急とかなくなるのが普通ですが、京釜線ではKTX開業後も特急の位置づけであるセマウル号も急行の位置づけであるムグンファ号も健在です。KTXが通らない途中の中核都市間輸送を主とした目的としているためで、往復乗車する場合に時間があるようでしたら、行き帰りをKTXとセマウルで分けてみるのも面白いでしょう。車輌の座席のゆとりはセマウル号が一番ゆったりしていますので余裕がある場合は少し時間はかかりますが景色もゆったり見れるセマウル利用がお勧めです。 韓国ではポピュラーな海苔巻。ゴマ油が効いていて結構おいしい。

セマウル号では車内販売もあり(KTXもある)、韓国語だけしか通じませんがなんとか購入をトライしてみるのもいいでしょう。また駅には必ずコンビニがあり、巻きずしや弁当を購入できます。ただ袋はくれませんので(環境対応)、日本からはそうしたものが入れられる手提げ袋は持って行ったほうがいいでしょう。小さな紙袋に入れられて売っているスルメ。うまい一品。

また、社内のおつまみとしてお勧めなのが駅ホームのキヨスクで売られているスルメ。やわらかタイプで値段もちょっと高めですが(3000ウォンとかする)、あったかくて味はバツグン。ぜひ旅のお供に購入することをお勧めします。


沿線風景

さて、路線はソウル駅を出て天安まではソウル地下鉄の一部をなす「電鉄線」として並走、複々線構造となっており、地下鉄側がちょうど緩行線の役割を果たしています。途中始興駅を過ぎた付近からKTXは在来線から外れ専用線に入り大田まで行ってしまいます。一方在来線は、セマウル号がたいてい最初に止まる水原(スーウォン)へ。水原は古い城郭都市のある観光地で、ソウルからの近郊ちょい旅の目的地に適しています。

水原を過ぎるとソウル郊外の都市的風景から、だんだん田んぼなどが入り混じった風景に変わっていきます。ぱっと見、ハングルなんかを無視すると日本の田舎の風景そっくりです。KTXだとトンネルと鉄橋が主体となった最高速度で走りぬく区間ですが、在来線は丘陵地をいく風景の中を走ります。

途中天安で長項方面へ分岐、鳥至院で忠北線と分岐、中核都市の1つである大田に到着です。大田には地下鉄もあり、工業都市として栄えています。ここ大田では湖南線が分岐、西側の中核都市である木浦、光州と結びます。太田を出るとKTXは再び専用線で分岐、金泉で慶北線と分岐し中核都市大邸へ。ここも地下鉄が走るやや大き目の町です。

東大邸で慶州方面と分岐後は山が深くなってきます。田んぼと山が広がる盛岡以北の東北本線のような感じです。日本の田舎そっくりの風景をしばらく走り、小さな町を結んで列車は進みます。

やがて家々がだんだん増えてきて、高層マンションなんかが見え出したら釜山市街。操車場を横目に右へ大きくカーブを曲がると終点の釜山駅。釜山駅は終点形式の駅で、ソウル駅同様広い構内の終点らしい駅です。駅舎はKTX開業に合わせてソウルと同じような空港ターミナル風のガラス基調の建物に改築され、駅前も広場があって風格ある駅となっています。釜山駅とは地下鉄が接続し、釜山市内の移動に便利です。


撮影ポイント

手軽に駅撮りとするならソウル駅構内。改札は15分前にならないと入れないため、コレイルパスで入るのがポイントです。

走行シーンを収めるならソウル駅からすぐの電鉄線(ソウル地下鉄1号線)南営駅が手軽。ただし長い時間での撮影は駅員に注意されるので気をつけましょう。(原則撮影は禁止のようですがおとがめはないようです。長時間撮影をしたい場合はあらかじめ駅員に声をかけておくとOKです)


旅メモ

釜山のタクシーはソウルのタクシーよりボったくる運転手が多いので(遠回り、おつりを渡すのを忘れたふりをする)、迷惑行為に遭遇したら日本語でもなんでもいいので大声で文句を必ずいいましょう。お金が返ってくる可能性があります。もちろん全部が全部そういう人でもないので過敏になる必要はありませんが、あまり車内で日本語を話さないのも手です。

この手のぼったくりはソウルのロッテ百貨店などでもあり、店員がネコババ目的でお釣りを渡さないふりをしたり、文句を言ったら値段が昔のままだとか言ってごまかすヤツが意外といます。百貨店では日本語の話せるスタッフがいるのでその人に言いつけ、こうした不良を懲らしめましょう。

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