解説
馬路森林鉄道は高知県東部の山間部にある馬路村馬路(うまじ)地区にある鉄道施設です。この馬路市街には3つの鉄道関連施設があり、1つは馬路温泉向かいにある馬路森林鉄道、そのとなりにあるインクライン、馬路市街の入口にある機関車展示場です。

馬路温泉前にある馬路森林鉄道は、かつて馬路村内に走っていた森林鉄道を94年に復元したものです。もともと馬路村では91年に村内の魚梁瀬地区に森林鉄道を復活させたのですが、こちらが好評とあって馬路村中心地にも作ろうということになり馬路温泉施設向いの谷あいに敷設されました。

路線は300mで川を真中にしたエンドレスループとなっており、1週5分ほどの運転時間となっています。まず駅を出ると左にカーブし、川沿いの道の脇を利用して坂を登っていきます。線路の途中にはかつて活躍したDL?が保存されています。古い家屋が正面に見えたら川を渡って対岸へカーブ、向う岸を下って再び駅に戻ります。運賃は大人300円、小人200円となっており、1回の乗車で2周してくれます。

使われている車両はSL風にアレンジしたDLがトロッコを引くというスタイルですが、魚梁瀬にある森林鉄道に比べて小ぶりで、どちらかといえば遊戯鉄道に近い感じです。また、路盤もなんか手作り感があって、鉄橋などは苦労した感じが偲ばれます。

運転はおもに日祝日、夏休み期間中の9時半~15時ごろまで、お客さんが来たら運転するフレキシブル体制となっています。

一方、インクラインはこの鉄道のすぐ横にあり、山の頂上まで登ることができます。ここのインクラインは水の力を利用してゴンドラを上げ下げしていて、かなりゆっくりとしたスピードで登って行きます。ゴンドラはスタンディングタイプで格子柵があるだけなので、ゆっくりとはいえ少々スリルがあります。

所要時間は上り下りで約15~20分、運賃は上り大人300円小人200円、下り無料となっています。展望台までは登山道があるので節約されたい方は歩いて上まで行けばタダで乗れます。ただし、インクラインで登る人がいないと下りの発車がありません、ご注意。運行は鉄道施設と同じでフレキシブル運転となっています。

機関車展示場は現在閉鎖され、編成のセットも撤去されています。かつては馬路村入口の橋たもと、ふるさとセンターの川向いにあり、実際に魚梁瀬森林鉄道安田川線で使われていた路盤をそのまま利用しDL+木材運搬貨車をコンクリート橋の上で展示していました。展示といっても外からはDLは五味隧道の中に突っ込まれた状態で木材貨車しか見えませんでした。以前はDLをトンネルから出して展示していたのですが、訪問時はすでにトンネル内に格納したままとなっていていつの間にか閉鎖され車両もどこかに行きました。

当時はトンネル内には入ることができ、はしごを下って降りていくとDLを拝むことができました。入場?は無料で、開場?時間は馬路森林鉄道の運転に準拠してました。

これら施設へのアクセスは、車利用だと高知から室戸岬方面へ走る国道55号線で安田まで行き、県道12号線へ左折して馬路へ向けて登って行きます。所要時間は高知市内から安田までが約70~80分くらい、安田から馬路市街までが30~40分ぐらいです。県道は1車線道路ですので運転には気をつけてください。バス利用で訪れることもできますが本数が少ないためできるかぎり車での利用をお勧めします。

バスは高知の土電バスターミナルから安芸まで乗車、そこから馬路方面ゆきバスにら乗車し45分です。本数がかなり少なかったと思いますので事前に確認してから乗車したほうがいいでしょう。今後土佐くろしお鉄道が開通すればもう少しアクセスがよくなることでしょう。

なお、馬路市街にたどりつくまでに旧魚梁瀬森林鉄道の廃線跡が結構あり、トンネル鉄橋など多く残っています。これら遺構はまだまだ使えそうな雰囲気ですので、いっそのこと全線復活させて土佐くろしお鉄道の駅と結べばいいのになと思います。もし実現すれば村にとってかなりの観光収入になるでしょうね。(ただ安全運行とか投資金額から考えてちょっと非実現的かな?)


所在地

 馬路森林鉄道&インクライン(GoogleMap)

PHOTO GALLERY

■馬路森林鉄道

・乗車駅は馬路温泉施設の裏手。インクラインが目印です。

    -2000.8.15


・乗り場は屋根つきで真新しい設備です。

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・出発するといきなりの急カーブと勾配となります。

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・ゆっくりゆっくり勾配を上ってきます。

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・かつて使われていたモーターカーの脇を通って小さな鉄橋へ。

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・下りは結構な坂道。藪の中を進みます。

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■インクライン

・上りだけ料金を徴収します。しかし上りがこないと下りが乗れません。。。

      -2000.8.15




■森林鉄道機関車展示場==廃止

・旧路線の一部に当時のDLが保存されていました。見過ごしてしまいそうな入り口で、しかもハシゴで降りていくという優れもの?でした。

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・こんな感じで保存されていました。イベント時には外へ出していたそうです。

      -2000.8.15




・ハシゴを降りると機関車の前。ちょっと狭くて撮影がむずかしい~。

    -2000.8.15


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