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Page Start 2011.8.5 最終更新日【2015.3.8】
サントピアワールド「ローズマリー号」「弁慶号」  
DATA
サントピアワールド
新潟県阿賀野市

ローズマリー号
単線往復(乗降車駅1か所)
1300m


弁慶号
周回運転(乗降車駅1か所)
180m


公式サイト

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解説
サントピアワールドは新潟県阿賀野市(旧:安田町)にある遊園地で、新潟・庄内・会津地域における一大遊園地で、冬の降雪の影響もあってもともとこの辺りには遊園地がなく、貴重な存在となっています。利用は家族連れだけでなくカップルもチラホラいます。

豪雪地帯とあって開業は4月~11月の春~秋までで、この期間に稼ぐべく、それぞれの乗り物料金はやや高めの設定となっています。(だいたい1回400円)

もともと安田アイランドという遊園地でしたが「水と緑と太陽のユートピア」をキャッチフレーズに1997年にサントピアワールドとしてリニューアル。マスコットは新たにサンちゃんという坊主頭の子供となりました。社長から取ったということで、今はやりの緩キャラとはかなりかけ離れた異質さがありましたが2012年10月に倒産。2013年からは新たなキャラで再スタートしています。

園内は広く、山の傾斜地を使って作られているので全部歩き移動はちょっと大変です。ただ無料のシャトルバス「メルヘントレイン」が麓から中腹までを往復しており、中腹にある大観覧車へ行くには便利です。

施設はそれなりに整備が行き届いていますが、安田アイランド時代から残るものは少しくたびれているものもあります。たとえば、ゴーカートがモノレールの上を走る「スカイジェット」。くたびれた車両とサビサビのレール、微妙にゆがんだ傾きから安全でない?恐怖を味わえ、スリル満点です。

さて、このサントピアワールドには2つの遊戯鉄道が走ります。1つはやや本格的なナローゲージ「ローズマリー号」。もう1つはよくある遊園地の豆汽車「弁慶号」。それぞれのネーミングは日本の遊園地の一般用語とも言えるありふれた名前ですが、性格は全く違った遊戯鉄道です。

ローズマリー号

正面入り口脇に乗降駅がある、シンボル的な遊戯鉄道で、鉄道名は運行車両の「ローズマリー号」とそのまま呼ばれています。正面入り口へ向かう途中ですぐに目につくので子供は乗りたがるでしょう。

路線は全長1.3kmと結構な走行距離があり、軌間も762mmのナロー鉄道サイズです。客車も少し大きめの鉄道なので、ちょっとした鉄道に見えてしまいます。

全線単線で交換設備は持たず、駅はゲート脇の乗降場1か所のみで乗車駅と降車駅が同じです。機関車は入換がいらないよう、SLが客車の前後両方ついてプッシュプル運転するスタイルとなっています。ただ動力車は往路側のテンダー部分にあり、前後についているSLは単に制御車という、おもしろい列車です。(テンダーは往路先頭側にしかついてない)テンダー部分からブンブンディーゼル音が響くので不思議な感じがします。

運転士は運行だけでなく車内放送、駅の改札も行います。終点で運転手が機関車を乗り換え、機関車入換を行わずに帰路に就きます。終点部での乗降扱いはしていません。

通常、1時間に1本の運転で、距離があるため所要25分とそれなりの時間が必要です。1回乗車400円ですが、他の乗り物がほとんど400円/回なので、時間対比で見れば料金はリーズナブルと言えるでしょう。

多客期には40分ヘッドになるなど、運行回数が増えると思われますが、閑散期は午後だけしか動かないとか、限定運用になるようです。

改札は発車10分前くらいからスタート。乗車する場合はゲート入場時に改札に掲げられる発車時刻を覚えておきましょう。座席は先着順なので希望の席に座りたい場合は並ぶ必要があります。(とはいえ、特におすすめシートはありません)

今回ローズマリー号には時間がなくて乗車までしませんでしたが、この鉄道は園内を走らず、遊園地のある高台下の敷地境界線付近を走行。車窓は駐車場、田んぼ、森 というそこらへんの風景を楽しむという不思議な鉄道です。

乗車は春がおすすめで乗り場の駅上が桜でいっぱい、終点となる久保山水禽公園と前田堤(ため池)も桜の名所で花見が楽しめます。 桜の季節以外だと30分近くの乗車となるので、小さな子供はたいくつになるかもしれません。

レールはため池奥の保養センター赤松荘手前まで延びています。終点は屋根付きですが客扱いはせず、運転士が機関車を乗り換えて乗車駅へ戻ります。

鉄的には軽便鉄道風の雰囲気が漂い、いわゆるケバケバ遊戯鉄道という感じがないのでちょっと惹かれます。駆動車・機関車とも1997年のリニューアル時以前から使われているのでしょうか、かなりくたびれており、さらにいい味を出しています。

弁慶号

ゲート入り口、ローズマリー号の1段上の丘を走る、典型的な豆汽車です。軌間610mmまたは600mmの遊戯鉄道規格で時計回りの線路をぐるりと回る周回運転を行います。中央部に集電用レールがついており、ポイントもないことから古い三相交流タイプかもしれません。

機関車はよくあるSL風の電動車でテンダー部分に運転手がのるタイプです。1回300円で2周運転してくれます。ローズマリー号があまり動かないので、汽車に乗りたがるチビはこちらでごまかせます。

線路は円ではなく凹字状に曲げられているため、乗車距離が少し稼がれています。180mの路線2週なので所要は3分ほどで、並ばなくてもたいてい乗車できます。桜の木々の下を走るので桜のシーズンはお花見列車となります。花吹雪の中を走る豆汽車は地元では人気があるようです。




「鉄道がある風景」/RailScape
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