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Page Start 2011.8.28 最終更新日【2012.6.16】
専用線「黒崎」 (三菱化学黒崎事業所専用線)
DATA
三菱化学黒崎事業所
福岡県北九州市八幡西区

黒崎~工場
約0.2km


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解説
黒崎駅から伸びる専用線は北にある三菱化学黒崎事業所へと延びています。洞海湾の奥のほうに面し、もともとはアンモニア合成からカプロラ クタム(ナイロン原料)の原料チェーンの工場でしたが生産は撤退。現在は残ったアミド系派生品、フェノール、イオン交換樹脂等が主力製品となっています。

ここから鉄道輸送で出ていくのは通常のコンテナとアンモニア派生品の濃硝酸。コンテナは臨時扱いの貨物が接続とはいえ、結構な量があったりします。

濃硝酸は送り先が大牟田の三井化学。三井化学は未だ現役の旧鉱山鉄道の専用線がつながっており、この濃硝酸はここに集まる最大荷物でもあります。かつてはタンク車でしたが今は専用タンクのコンテナ(銀タンコ)となり、需要に応じて概ねコキ4~6両編成で出荷されています。

運行はコンテナ扱いは平日主体のようですが、銀タンコは三井化学が定修期(GW明け~1か月くらい)のみ停止とあって土日祝日関係なく運転されます。今では珍しい繁忙専用線です。1日2回の引込と1回の出荷があり、工場内ヤードから空タンコ引取りと満タンコ出荷が行われます。

専用線は黒崎駅北側の小さなヤードの西端から分岐。道路高架橋下をくぐって線路北側の工場内へと延びています。駅から場内入口までせいぜい200mほどでしょうか。途中工場内ヤードへ入る前に使われてない分岐があり、かつてはさらに西へ伸びる線もあったみたいです。

場内はでかいコンテナヤードを持っていて、荷役線はコンテナが西側、銀タンコは右奥のほうにあるようで、入り口からは臨めません。

スイッチャーは専用のものを持っており、シルバー地にグリーンとブルーのラインが入った35t機のD353が主機、D352が予備機です。塗装がシルバメタリック調なので新しそうに見えますが結構古くからいるようで、かつてはグリーンとクリームの塗装だったそうです。


入換風景(2012年春現在)

ここの貨車の搬出入はJR機の到着に合わせて行われています。1500あたりに福岡からのコンテナ到着に併せスイッチャーが出てきます。コンテナ列車到着後JR機は小倉へすぐに行ってしまいます。

その後スイッチャーが黒崎構内へ入ると一番北側の側線を使って銀タンコ編成の門司側へまわり、コキを推進運転で押し込んでいきます。この入換は単に機関車が連結されるだけなのでかなり早く作業が終わってしまいます。

続いて大牟田:三井化学からの貨物が到着。通常、濃硫酸の銀タンコ、塩素の黄タンコ(+海コンのときもあり)の編成となっているのでJR機が銀タンコの切り離し入換をします。黒崎での入換が楽になるよう、黄タンコは通常お尻についてきます。

入換は単に銀タンコ編成を荷受線へ転線するだけの作業で終了。20分ほどで残った黄タンコをつないで北九州貨物ターミナルへいってしまいます。

JRの入換が始まる頃、同時に工場内入換も並行して行っています。場内は樹木などで伺えず汽笛のみが聞こえてきます。JR編成が行ってしまった直後、スイッチャーが単機でヤードから出場します。

受け取り入換はコンテナと同じく、小倉方にスイッチャーがついて推進運転で工場へ押し込んでいきます。 推進運転で目視での安全確認とあってスピードは遅いです。

工場へ入場すると出荷編成を仕立てるための入換が始まります。積車銀タンコを奥から入口へ運び、コンテナコキ荷役線へ転線させて一旦待機となります。

出荷は1700~1730くらいのタイミング。1800台のJRダイヤに間に合えばいいということで出荷時刻は適当です。先頭にスイッチャー、続いて銀タンコ編成+積載コキ編成にまとめて工場から出場します。かなり長い編成で、かつ積車でやってきますのでスイッチャーはしんどそうです。

スイッチャーは所定位置へ編成を持ってくるとすぐに解結して単機でご帰還。これで場外の入換は終了となります。


撮影ポイント

駅や工場に隣接して撮りにくそうですが意外と撮影は容易。基本は3・4番線ホームから入線、入換、出場を撮るというもの。障害物もなく比較的容易に撮影可能です。

黒崎駅北側へ伸びる跨線橋階段からも可能。架線の処理が難しいですが、ホームからは違った風景を狙えます。 ただ現在歩道橋工事が行われていて今後はここからの撮影が難しくなると思われます。

さらに工場入り口付近。ここへは前述の跨線橋をわたって西に三菱化学側にある歩道をまっすぐ進むとたどり着けます。ただしここでの撮影は 注意が必要です。

まず、歩道はその先2手に分かれ、そのまままっすぐ進むルートと高架橋下踏切を回るルートがあるのですが、高架下踏切がある南側が公道 (JR線路に近いほう)、まっすぐ行く北側は三菱化学の敷地になります。よって、撮影は南側道路からとなります。

専用線入り口には立入禁止と撮影禁止の看板が上がっています。境界線が紛らわしいですが、専用線工場入口あたりは完全に私有地になっているため、当然ながら撮影禁止、かつ立ち入りも禁止です。注意しましょう。

なお、この専用線は車でのアクセスには注意が必要です。周りに駐車余地がないので少し離れますが黒崎駅北側の公共駐車場に入れて歩きで行くか、電車で黒崎駅へ来るのがベターでしょう。


「鉄道がある風景」/RailScape
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