王子製紙米子工場
鳥取県西伯郡日吉津村
伯耆大山~工場
約0.5km
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専用線「伯耆大山」は、JR山陰本線伯耆大山駅から、王子製紙米子工場へ延びる工場専用線です。全長500mほどのそこそこの距離がある専用線で、土曜祝日も動く、いまどきめずらしい活発な専用線です。(日曜日運転不明も貨物発着があることから、狭い構内を考えると動いていると思われます)
米子工場は印刷用紙がメインで、年間34万トンの生産能力とあって、同じ王子の春日井と比べると半分程度のキャパですが、専用線は1日中動いていて、春日井よりもはるかに動いています。消費地が近くになく、生産品の大半を鉄道出荷しているからなのでしょう。
路線は伯耆大山ヤードの北西隅から分岐。煙突が見える王子製紙まで、途中国道9号線ガードをくぐって工場まで延びています。
荷はコンテナ扱いの紙で、伯備線を走る貨物列車のうち伯耆大山発着のものはすべてこの米子工場向けとなっています。他にも伯備線経由で来る貨物列車も何本かあり、EF64が現役で牽引することから、タラコ色のキハ47もあいまって、なんとなく国鉄らしさが残ります。
入換風景
西岡山~伯耆大山の発着貨物はすべて夜間・早朝となっています。駅構内の入換と専用線への荷の受け取りは別々に行われます。また米子~伯耆大山往復の3087レと3086レも王子向けコンテナです。
駅でのJR貨物仕立ての入換は、深夜貨物列車が到着するタイミング、午後の米子往復の発着時も入換があります(ウヤならなし)。駅にはJR所属のスイッチャーが2台います。
貨物列車は西岡山往復の2列車は、場内ヤードの構造上、1編成は2分割されて留置されるので、その分割・連結のためスイッチャーが動いてるものと思います。こちらは朝の工場からの引き込み時には動きませんが、午後のコキ出場後に連動して動きます。夜間の貨物到着時も入換に従事しているものと思われます。
一方、米子往復発着時は工場からスイッチャーが出してきたものをそのままELが引っ張って米子へ持って行ってるものと思われます。ただ米子から貨車が来ると昼間の入換も行われます。この米子往復の列車は伯耆大山発着ではまかないえないコンテナを米子発列車にくっつけるために運用されているのかと想像してますがどうなんでしょうね。。。私が見たのは工場からの出場はあったも米子からの列車はなく、場内入換をJRが行ってました。うーん、わからん。
工場からのスイッチャーですが、早朝6時半くらいから7時頃にかけて単機で出場。前夜に到着した2編成を工場へ引き込んでいきます。まず1編成分を工場へ引き込みます。編成が長いほうを引っ張っていきます。結構な両数になりますが小さなスイッチャーがエンジン全開で引っ張っていきます。
その後工場内へ入ると入換を行い、工場荷役線へ放り込まれます。荷役線への押し込みが一旦終了すると8時~9時前にかけて2回目の引き込みに出てきます。再び単機で出た機関車はあらかじめ2分割されて置かれているコキ編成を一旦連結。この簡単な入換作業後、1回目と同じように工場へ引き込みます。
その後場内へ引っ張りいれて狭い構内での入換がスタートします。場内での入換は狭いこともあってかなり活発に行われており、編成の離合や結合で工場外へもスイッチャーが何度か出てきます。一番外へ出てくるときだと国道陸橋手前まで引っ張り出されます。日中はほとんどの時間で入換作業をやっていますので半日粘れば必ずスイッチャーをゲットできます。
また、機回しの関係でDL2台でのプッシュプル運転での離合・入れ替えも行われます。コンテナへの積み込みが工場の建屋中と、ヤード側にそれぞれあって、紙種で積み分けをしていると思われます。
スイッチャーは訪問時に見えるところで4台確認。うち、3台を目的別に同時に動かしていました。役割分担は①駅までの運行、②建屋内への押し込み、③ヤード内積み込み施設への入換、④ヤード内入換の4つくらいに分けられるのでしょうか。車番確認していないのでどれがどう動いているかは不明です。
業務は日通が担当。おなじみの黄色の日通カラーを纏ったスイッチャーがチョロチョロ動きます。スイッチャーはあちこちで廃止になった専用線のスイッチャーたちが再就職しているようで、12年8月現在、2011年春に廃止となった四日市三菱化学から1両、2012年春に廃止となった岡部からも1両がやってきました。
工場から駅までの出場ですが、1400頃に伯耆大山発着となる米子往復便の仕立てのため、または夜便の仕立てのため出場があります。
朝と同じく深夜・早朝発用の送り出しもこのあと2本あり、翌朝発の列車に間に合えばいいということから時間は適当といった感じです。夕方16時くらいからのときもあれば15時くらいのときもあるようで、日によってバラバラのようです。時間が決まっている朝便狙いがいいですね。
1400以降の運行はチェックはしてないので、機会があれば観察に出かけたいと思います。
撮影ポイント
伯耆大山の駅構内での入換風景は、ヤード回りにアクセスする道がないため、駅ホームからが便利でしょう。
駅から工場までの区間は、国道跨線橋辺りがお勧めです。並行して道路があり、また比較的開けているため撮影が容易です。工場に向けての撮影についてはヤード入り口の門脇に「撮影禁止」とデカデカと看板が出ています。
ただ場内での撮影禁止ということらしかった(保安の方に伺ったところ、外から見えるところは撮られても仕方ないからとのこと)のですが、日通職員が12年に変わってから工場を向いての撮影は敷地外からでもすべてダメとのこと、国道下の踏切あたりから撮れとのアドバイス(結構罵声に近いみたいですが誰か何かをやらかしたのかな?)を受けるとか。ご注意ください。
ちなみに駅⇒工場のスイッチャーが運行されたかどうかは伯耆大山駅ヤード内にコキが残ってなければ引き込みが終わった証拠(または運休)。場内については正門横のレール側門が閉まってれば運行終了となります。夜発の貨物が運行されるなら、正門レール側が開いていて駅ヤードにコキがない状態であれば工場⇒駅への運行がまだということになります。
ここは夏季だと伯備線での早朝の貨物列車やサンライズ号の撮影も出来ますので、一畑電鉄や山陰線撮影などとあわせ訪れるといいでしょう。山陰線にはまだ国鉄な風景も残っていて楽しいですよ。
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