解説

「ミシュコルツ(MISKOLC)」はハンガリー第3の都市で、ブダペスト・ケレティ駅(東駅)から特急で2時間弱のところにあります。かつては工業都市として栄えてきた街ですが、ソ連崩壊後は大方の工場が閉鎖され、町はなんとなく暗い雰囲気です。

この街にはトラム(路面電車)が運行されており、ミシュコルツ交通(MKV:Miskolc Városi Közlekedési ZRt.)によって運営されています。最近低床式の新型車が導入され雰囲気が変わりました。 路線は2系統で、系統内を行ったり来たりする運転をしています。


[系統「1」]

系統「1」は、ミシュコルツ・ティサ駅前からバロッシ・ガーボル通(Baross Gábor utca)を北進しバイチ・ジリンスキ通り(Bajcsy Zsilinszky utca)へ左折、この通り上をひたすら西にむけ走ります。

途中、キラーイ通を越えると繁華街のセーチェニ・イシトヴァーン通りの中を進みます。この通りは歩行者天国になっていて歩道を路面電車が走っているという雰囲気です。結構人も多く賑わっているのですが、歩行者も運転手も慣れているのか、平然と列車が通り過ぎていきます。

このあたりの中心部付近は雄鳥教会などの歴史的建物が点在しています。少し時間を取って散策しても良いかと思います。

トラムはこの繁華街を過ぎてしばらくすると、アンドラーシ通りに出て再び車道との併用軌道に戻ります。Újgyőri főtérと次の停留所Újgyőri piacで線路は系統「2」と分岐。

そのまま道なりに直進、LÁÉV乗換停留所を経て、終点ディオーシュジュール城(Diósgyör vá.)に到着します。終点までは時間にして約30分強、車両は新型スタイルが中心に使われます。

ディオーシュジュールには古城があり、電停から歩いて5分くらいのところに建っています。途中車窓からも4つの尖塔を見ることができます。 夏期のみオープンの有料(でも安い)ですが中を見学でき、尖塔上の展望台からミシュコルツの街が見渡せます。

また古城の反対に向って徒歩10分ほどのところにリラフュレド森林鉄道(LÁÉV)のDiósgyör-Városközpont駅があります。ただ、この途中の道はちょっぴり怖いところがありますので(低所得者層が多いみたい)、なるべく単独行動は避けたほうがいいでしょう。 (ひとりでLÁÉV撮影中、変なおばはんに絡まれた)

なお、このラーイーヴ(LÁÉV)の基点はミシュコルツ・ドロッチャ・ウッツァ駅で、トラムの途中にある「LÁÉV」という電停を降りてすぐのところにあります。


[系統「2」]

一方、系統「2」は中心地までは「1」と同じルートを走りますが、 Újgyőri főtérで系統「1」と分岐します。Vasgyár(製鉄所)経由で南側ループを1周する路線となっていて、ループ線は単線になってます。Újgyőri piacからÚjgyőri főtérへの反時計回りでぐるっとまわります。

分岐点 Újgyőri piac付近はなかなかいい雰囲気で、この電停から「2」のトラムは並木道の緑の中に吸い込まれていきます。系統「2」は車両がレトロなタイプが中心的に使われ、古い街並みにもうまく溶け込んでいます。

今回時間がなかったのでこの系統「2」は乗車できませんでしたが、静かな街を抜ける感じの良い路線という雰囲気です。

Tips

トラムは「1」「2」両系統とも日中5~10分くらいの間隔で運転、駅前からは「1」と「2」がだいたい交互に出発します。 車両は変則的な連接車(2?3両?)で運転され、乗車率もかなりよかったです。運賃が安いからかな?

トラムの乗車には何度でも乗り降りできる1日乗車券がお勧めで、ミシュコルツ・ティサ駅前のバス乗り場の窓口で購入できます。 地球の歩き方などを見てマジャル語で「1日乗車券1枚、今日使う」というメモを渡せば購入できます。

残念ながら英語は通じませんでしたが、気合で何とかなります!

それから、このMKVでもブダペスト同様車内改札が行われています。無札だと罰金が取られますので注意してください。 また、改札方法もブダペスト同様で、乗車券の場合は車内にある刻印機でパンチ穴をいれてください。刻印がないと切符を持っていても罰金です。

PHOTO GALLERY

■Miskolc Tiszai pu.(ミシュコルツ・ティザ鉄道駅)

・駅舎は立派なつくりです。駅の周りは中心街から離れており、ちょっとさびしい感じです。

   -1999.8.12

・トラムは駅前のロータリーが乗車位置。2つのタイプのトラムが走ります。

      -1999.8.12




■Városház tér

・このあたりは町の中心地。歩行者専用の道路を路面電車がいく欧州らしい風景を楽しめます。

    -1999.8.12

・連接車でも風景に溶け込んだ電車です。

     -1999.8.12




■Vince u.~Diósgyör vá.

・ディオーシュジュール城からの俯瞰撮影。旧共産圏らしいアパートイメントが並びます。

      -1999.8.12

・このあたりは専用軌道を走ります。道路幅もゆとりがあります。

   -1999.8.12




■Diósgyör vá.(ディオーシュジュール城)

・トラムの終点らしい駅づくり。ミシュコルツ駅前よりしっかりしてます。ここはループ線ではなく行き止まりとなっています。

      -1999.8.12