BKV(ブダペスト交通)
HÉV--Helyiérdekű Vasút
Szentendrei HÉV (H5)
Batthyány tér ~ Szentendre:21km
Ráckevei HÉV (H6)
Vágóhíd ~ Ráckeve:40km
Csepeli HÉV (H7)
Boráros tér ~ Csepel:7km
Gödöllői/csömöri HÉV (H8)(H9)
Örs vezér tere ~ Gödöllő:26km
Örs vezér tere ~ Csömör:11km
[ブダペスト鉄道路線図](PDF)
時間がなければそれぞれ市内起点駅でもそれなりの写真が撮れます。
時間があるようでしたらBKVの1日乗車券が使えるところまでの好きなところで写真を撮るのもいいでしょう。
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ヘーヴ(HÉV)はマジャール語で「Helyiérdekű Vasút(郊外電車)」を短くした略名で、ブダペスト市街から郊外を結ぶその名の通りの郊外電車です。
4つの路線があり、北部のセンテンドレまでドナウ川沿いを走るベーカシュメジェル/センテンドレ・ヘーヴ(Békásmegyeri/Szentendrei HÉV)、ラーツケヴェまで南へ進むラーツケヴェ・ヘーヴ(Ráckevei HÉV)、南部チェペル島を走るチェペル・ヘーヴ(Csepeli HÉV)、東部を走るグドュルー・ヘーヴ/チュムル・ヘーヴ(Gödöllői/Csömöri HÉV)があります。2011年から路線番号が振られ、ベーカシュメジェル/センテンドレ・ヘーヴがH5、ラーツケヴェ・ヘーヴはH6、チェペル・ヘーヴはH7、グドュルー・ヘーヴ/チュムル・ヘーヴはグドュルーがH8、チュルムがH9、となりました。
それぞれの路線が直接つながることはなく、市内中心部までの乗り入れもありません。各起点駅は中心部を結ぶトラムや地下鉄が接続します。
路線はバラバラですが軌間1435mmで直流1000Vと共通で、車両は全路線での供用となっています。グリーンベースの3両固定編成の電車が使われ、平日朝夕ラッシュ時は3+3の6両編成で、通常は3両での運転となります。各路線ともMÁVと線路がつながり、車検時や車両入れ替えはMÁV線を通って行われます。
車両のタイプは3タイプあり、国産のMIXaシリーズは、MIXa+PXXVa+MIXa という組み合わせで、車番 801-854:駆動車(運転台付)と601–627:中間車 がそれに当たります。外観がまるっぽく、吊り掛け駆動なのですぐにわかります。1960年代の導入とあって、少々くたびれています。現在はチェペリ・ヘーヴ限定使用になっています。
残り2タイプは旧東ドイツ製の電車で、MXシリーズとその亜種のMXAシリーズが走ります。こちらも3両固定となっており、MX+PXXVIII+MX、MXA+PXXVIIIA+MXAMXの組み合わせになります。MXシリーズは駆動車車番 861–892まで、MXAシリーズは駆動車車番が 901–1000、MXA 1101–1150となっています。MXが1971年、MXAは1970年代後半の製造で、こちらも少々くたびれた感じです。
MIX系とMX系の併結はできないようで、見たことがありません。現在MIX系はCsepel HÉVを中心に使われています。車内はホームが低床使用のため乗降口にはステップが付いています。箱形クロスシートで一昔前の小汚い車内となっています。冷房はついていません。
電車の他にも電気機関車を持っており、保守や電車回送等に使われているものと思われます。MÁVへの乗り入れは軌間は同じでも電気が違うため(MÁVは交流)乗り入れはできません。
乗車に当たっては大きな駅では自販機があるのですが、故障していたりマジャール語だけだったりするので、乗車に当たってはBKVの1日乗車券や3日乗車券を買っての乗車がお勧めです。ただ、BKVの乗車券はブダペスト市内のみ有効のため、市境を越える場合は別途乗車券が必要です。
車内で精算できますが、英語の通じない車掌とやり取りするのも面倒ですので、窓口で追加乗車券を事前購入しておくのがベターです。起点駅には窓口がありますのでそこで往復を買っておきます。
各路線
H5:ベーカシュメジェル/センテンドレ・ヘーヴ Békásmegyeri/Szentendrei HÉV
ヘーヴの中で一番しっかりした路線。ブダペスト市内と観光地である古い町センテンドレ(Szentendre)を結び、途中ベーカシュメジェル(Békásmegyer)までの区間運転があります。
起点駅のバッチャーニ広場(Batthyány tér)駅は地下鉄M2とトラム19番41番と接続し、駅も地下に設けられ、4面3線のしっかりした作りとなっています。構内も明るく、駅係員もいて、ヘーヴでもっともターミナル駅らしい駅です。
路線はドナウ川右岸を北へ向かって走り、マルギット橋(Margit híd)駅(トラム4・6番乗換駅)を過ぎたあたりで地上に出ます。地上走行区間は平行する道路とくっつき、ほとんどトラムのようです。センテンドレまでの間にはローマ時代の遺跡などありますので、途中下車もお勧めです。
終点センテンドレは青空駅のヘーヴらしい駅。旧市街までは少し歩きますが、ブダペストとは違った雰囲気があってブダペストからの小旅行にはお勧めです。
BKV1日乗車券はベーカシュメジェル(Békásmegyer)まで使えます。
H6:ラーツケヴェ・ヘーヴ Ráckevei HÉV
ブダペストとチェペル島のラーツケヴェを結ぶ全長40kmの少し長い路線です。起点のケズバーゴーヒード(Közvágóhíd)駅はトラム2番と24番が接続します。チェペル・ヘーヴのケズバーゴーヒード(Közvágóhíd)駅とは駅名は同じも700mほど離れています。
ケズバーゴーヒード駅は2面1線のシンプルな駅で、乗車券販売所や職員の詰め所らしい建物はありますが、駅らしい入口はなく、かなりオープンな作りです。バス停のような小さなベンチはありますが、ホーム上を跨ぐMÁVの鉄橋がある意味屋根代わりとなっています。
ラーツケヴェまでの路線は途中までMÁV線と並行します。ヘーヴが緩行線のような感じなのでしょうか、駅数も多く、日中の運転も30分ヘッドのフリークエンシーが図られています。
BKVの1日乗車券が使えるのはMillenniumtelep駅まで。その先まで行くには通常の乗車券購入が必要です。
ラーツケヴェまでの道のりは、途中路面電車のような道路脇を走りますが、途中ドゥナハラスティ・クルショー(Dunaharaszti külső)駅を過ぎチャペル島へ渡るとのどかな田園風景の中を走ります。
終点のラーツケヴェはサヴォイ城がある古い街。時間がある方はのどかなラーツケヴェ・ヘーヴの旅を楽しみながらの観光をトライしてみてください。
H7:チェペル・ヘーヴ Csepeli HÉV
ドナウ川中洲の島、チェペル(Csepel)島を走る路線で、起点のボレーロス広場(Boráros tér)駅は幹線トラムの4・6番、ドナウ川右岸を走る2番に接続します。距離は7kmともっとも路線が短く、全線ブダペスト市内を走ります。
チャペル島は住宅街や工場などが集まっており、平日朝夕はそれなりのお客さんが利用します。沿線には有名どころもないため、市内共通で使えるBKV1日乗車券で行って帰ってくるような乗り鉄にお勧めなくらいでしょうか。
起点から2つ目の駅のケズバーゴーヒード(Közvágóhíd)駅はラージュマーニョシュ橋の下にあり、トラム1番の駅の最寄り駅。ラーツケヴェ・ヘーヴとトラム2・24番ののケズバーゴーヒード(Közvágóhíd)駅とも乗り換え可能ですが、ラーツケヴェ・ヘーヴとトラム2・24番のケズバーゴーヒード(Közvágóhíd)駅とは700mほど離れてますので注意が必要です。
H8/9:グドュルー・ヘーヴ/チュムル・ヘーヴ Gödöllői/Csömöri HÉV
地下鉄M2終点のウルシュ・ヴェゼール広場(Örs vezér tere)に接続するヘーヴ。途中ツィンコタ(Cinkota)から路線がグドュルーとチュムルに分かれます。
ヘーヴのウルシュ・ヴェゼール広場駅はM2ウルシュ・ヴェゼール広場駅と交差点を挟んで位置し、それぞれの駅は地下道でつながっています。ヘーヴ駅側にはトラム3番と62番の停留所とバスターミナルが隣接し、一大交通拠点という感じもあります。
ヘーヴ駅は地方鉄道の始発駅のような雰囲気で2面4線のホームからグドュルー行きとチュムル行きが交互に発車します。ヘロヘロレールで低床ホームとあって路面電車の雰囲気です。
途中ツィンコタまでは市内を走りますが、ツィンコタを出ると田園風景広がる田舎の電車となります。ブタペスト滞在日数があってちょっと田舎へというときにはグドゥルーやチュムルへの小旅行もいいでしょう。グドゥルーには有名なグドゥルー宮殿があります。
BKV1日乗車券はチュムル・ヘーヴのSzabadságtelep駅、グドュルー・ヘーヴのIlonatelep駅まで使えます。
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