香港鐵路―城際直通車
≪路線(綫)≫
・廣東綫 紅磡~肇慶/佛山/廣州東/東莞
・北京綫 紅磡~北京西
・上海綫 紅磡~上海
路線系統図
©香港鐵路
港鐵城際直通車サイト
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香港と中国本土とを結ぶ列車は「城際直通車」と呼ばれ、毎日広州(廣州東、東莞)~香港を12往復(うち1往復は肇慶まで運転)、隔日で北京と上海それぞれを結びます。香港イギリス統治時代は国際直通車という名前でしたが、中国返還後は国際ではまずいということで城際という名前に変わりました。「城際」の英語名はインターシティ(Intercity)で、都市間高速列車を意味します。
旧九廣鐵路である東鐵線を使って運行され、香港行政区内では紅磡(ホンハム)発着のみの客扱いとなっています(イミグレのある羅湖、深圳は通過)。紅磡駅で出入国の手続きを済ませてしまうため、城際直通の紅磡駅ホームは中国領内という位置づけになっています。乗り場へはX線による手荷物検査を実施、イミグレーションを経てホームへ入ります。
広州と香港を結ぶ城際直通車は広深铁路股份有限公司(広深铁路)と香港鐵路有限公司(港鐵/MTR)との共同運行となっています。それぞれ別の車両にて運行されており、時刻表の列車番号に「ktt」と記されているのが港鐵が運行する「九廣通」、それ以外は中国国鉄運行の「準高速(准高速)」となります。
「九廣通」はダブルデッカー車のEL牽引のプッシュプルタイプの高速列車で、3クラス+食堂車という優等列車の風格があります。ステンレスボディーに赤と緑の色調はいかにも香港らしい感じです。乗るならこちらの「九廣通」がお勧めです。
「準高速」は特急用客車を利用しているとはいえ、中国国鉄仕様とあって九廣通より格が落ちてしまいます。クラスは2クラスのみで通常シートのみ(クロスシートではある)編成も走っています。2008年までは九廣通の中国版としてスウェーデン国鉄からもらった(無償貸与)X2000を使った「新時速(新时速)」という列車も走っていましたが、故障が多発し他線へ転籍してしまいました。今は中国国鉄車両が大半を占め、全体のサービスは低下しています。
一方、北京、上海への長距離列車は隔日運転で運行されており、車両は広州~香港のものとは違う車両が使われています。中国国鉄(中华人民共和国国务院铁路部)が運行し、寝台車や食堂車も連結されて長距離列車としての風格があります。ただ、広深铁路含め、中国側の車両は機関車含めカラーリングがダサく、残念ながら見た目は優等列車らしくありません。
かつては中国からの乗り入れ客車列車はDF11型のディーゼル機関車により牽引されていましたが現在はすべて電気機関車牽引に変わりました。また国境の隣町である深圳からはドイツICEや新幹線のパクリである高速列車「和諧号」が発着しています。いずれは香港への乗り入れも実現するのでしょう。今後に期待ですね。
撮影ポイント
東鐵線上を走るので、比較的撮影は容易です。一番手軽なのは大學駅。ホーム両方の端から簡単に撮影できます。駅をはさんだ南北それぞれに陸橋があり、そこからも走行シーンが簡単に撮影できます。
紅磡駅は半地下構造で狭く、撮影には向いてません。
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