解説

イル・ド・フランス(Île-de-France)のSNCFは、パリ郊外の近郊電車としての役割が濃く、パリ市内へは在来線経由とRER(Reseau Express Regional:エル・ウー・エル)経由とで乗り入れます。RERはメトロと同じく地下化され、メトロよりも駅間が長く作られています。RERは現在も新線建設中で、一部路線はパリ交通公団と共同運行となっています(RERの運営管理はパリ市交通公団)。

パリ市内のSNCFおよびRERはフリークエンシーでの運転で数分間隔、郊外へは5~30分間隔で列車が運行されてます。近郊電車の車両は2階建てやステンレス車両が使われ、車両デザインやカラーリングはフランス国旗を意識したものやパステル調のヨーロピアンスタイルとなっています。車内はフランスらしいカラーリングで、座席もゆったり目の設計となっています。

日中の車内はパラパラ程度のお客さんで、ラッシュ時も混雑しない程度のお客を乗せてパリと郊外を結びます。RERや近郊列車は動力分散の電車が基本で、遠距離発着は主に客車が使われます。近距離列車の大半はRERとしてパリ市内に乗り入れています。

遠距離発着の列車は南仏方面はリヨン駅、北仏およびユーロスター方面は北駅などとわかれています。こうしたターミナル駅には国内だけでなく外国からの列車も多数発着します。駅舎も近郊電車の駅と違って重厚感のある歴史的なつくりとなっており、客車が機関車に引かれてホームに進入してきます。プラットフォームも近郊電車と違って低いタイプとなっています。セーヌ川を渡る



RER Map  [PDF:76KB]   (C)RATP
Ire de France Rail Map  [PDF:648KB]   (C)RATP

観光スポット

普通パックツアーでフランスを訪問するとSNCFの乗車機会はほとんどありません。市内はメトロで移動ですし、郊外は観光バス利用となります。いろいろ乗車されたい場合は自由行動の多いパックツアーか自由旅行がいいでしょう。近郊電車はなんとなく不思議な形の車両が多い

自由旅行なら空港到着からいきなり乗車することができます。シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内へはRER-B線が走っています。市内まで約30分、目的地に近い適当な市内の駅で下車し、そこからタクシー利用が便利でしょう。ただ、電車は座席が普通のクロスシートで荷物置き場もないことから、ちょっと荷物が多いと不便です(実はパリ市内へはバスのほうが便利。ただし早朝到着便で入国の際はバスがまだ動いてないので鉄道利用となってしまいます)。

有名なベルサイユ宮殿へはSNCF(RER-C)が便利です。パックツアーに申し込む手もありますが、2階建て電車で郊外の車窓を楽しみながらの小旅行もいいかと思います。ただ、行き先がいろいろあるので、それさえ間違わなければ途中乗換えがないので安心です。

パリ市内の移動も駅数の多いMETROよりも駅間が長いRERのほうが便利な時があります。また、ちょっと郊外のシャンティー(古城が有名)やシャルトルなどへもSNCFで手軽に訪れることができますから、半日旅行で近場の郊外へ電車で行くのもいいでしょう。

パックツアーでSNCFの乗車機会がない場合は、列車発着を観光(?)でリヨン駅訪問でもしたらどうでしょう。TGVをはじめ、いろんな列車を見ることができます。構内にファーストフードやレストランも多くあるので昼時のランチついでに寄ってみてもいいでしょう

[フランス語読み方]
 RER-A;エル・ウー・エル アー
 RER-B;エル・ウー・エル ベー
 RER-C;エル・ウー・エル セー
 RER-D;エル・ウー・エル デー
 RER-E;エル・ウー・エル ウー


PHOTO GALLERY

■Gare de Lyon

・拳骨型のELはSNCFのトレードマーク的存在。いかつい無骨な顔つきでパステル調の客車を引くのに、なぜか似合うところが不思議。

        -1999.8.9

・2階建て車両が多い中、朝夕にはオールドカーも運用されます。

     -1999.8.9



・通勤電車からTGV、客車とあらゆる列車が発着します。

      -1999.8.9




・にぎやかな駅。ヨーロッパらしい駅ですが、ちょこっとしたところにフランス流のデザインセンスが活かされ、フランスらしさを出しています。

        -1999.8.9




■Puteaux

・トラムT2線と乗り換え可能。駅前は普通の町並みでお店などありません。セーヌ川の西岸のこのあたりはパリではなく別の町になっています。

        -1999.8.8


■Puteaux~Suresnes Mont-Valérien

・Puteaux駅から望遠系で撮影。駅ホームがゆるくカーブしているので架線柱を気にせず撮影できます。

      -1999.8.8


■Gare de I'Est

・東駅の駅舎は重厚なつくりで観光スポットになっています。

   -1999.8.14


■Gare de Nord

・北駅はユーロスターからベルギー方面などへのTGVなど数多くの国際列車が出入りします。華やかな列車たちが目を引きます。

    -1996.8.7



RER-B: Aéroport Charles de Gaulle 2

・シャルル・ド・ゴール空港駅(ターミナル2)。国際空港らしい駅でデザインも洗練されていて気持ちいい。ただ券売機などは故障で出てこなかったりと中身にいたってはやっぱりフランス。

          -1999.8.8


・駅は豪華ですがやってくる電車はイマイチ。ラックがないので大きな荷物だとたいへんで、さらにパリ市内の駅は階段ばかりで海外旅行者の利用はお勧めできません。荷物を持ってのパリ市内へはバスのほうが断然便利。パリ以外への足はTGVが入ってきていますのでTGV利用のほうがいいでしょう。

     -1999.8.8



RER-C: Invalides

・メトロ乗り換えでヴェルサイユに行く際の乗り換えに便利な駅。8号線と13号線がリンクします。

    -1996.8.6  


RER-C: Champ de Mars Tour Eiffel~Avenue du Pdt Kennedy

・地下中心のRERもセーヌ川越えのここは地上に出てきます。ここはメトロ6号線の有名なセーヌ川鉄橋と掛け持ちで。

     -1999.8.8


RER-C: Javel

・エッフェル塔をバックに撮れる駅。この日は工事運休で列車は来ず。

   -1999.8.8


RER-C: Versailles -Rive Gauche

・ヴェルサイユ宮殿最寄り駅。世界中の観光客が集まります。なお、ヴェルサイユ駅は2つあるので注意。もう1つのVersailles -Chantlersからは少し距離があります。

   -1996.8.6  


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