VIAの列車はすべて機関車牽引の客車で黄色の企業イメージカラーの機関車がステンレス車輌をひっぱります。毎日運転の列車はマラハット号だけで、隔日運転が基本です。値段が安いので都市間輸送で利用する人もたまにいますが、基本は旅行者向けの列車です。運行状況も貨物列車の合間を走るので遅れることが多く、定時性はバスのほうに軍配があがります。 窓口システムは日本の鉄道とはまったく違い、VIAの乗車券は航空券のような形で、駅窓口もチェックインカウンターそのものです。個人客利用よりも旅行会社のパッケージ利用のお客さんのほうが多いのでそのような形式になっているのかもしれません。 旅客は夏場が多く、ハイシーズンでの利用時には事前の予約をお勧めします。値段のはる寝台車でも直前には予約できないことが多いです。予約は日本の旅行会社を通じてやると便利ですが、VIAのサイトからネット購入することも可能です。 「カナディアン」号(The Canadian) バンクーバー~トロントを走る「カナディアン」号は、週3便のみの運行で3泊4日かけて大陸横断の旅をします。BC州とAB州では、景勝地を通ることもありお客さんが比較的多く乗車します。特にロッキー山脈越えあたりの景色は抜群です。この景色狙いでバンクーバ~ジャスパー、ジャスパー~エドモントンだけのお客さんも結構います。 西の出発駅となるバンクーバVIA駅は中心地から少し外れたところにあります。スカイトレインのスタジアム駅が最寄り駅で荘厳な石造りの立派な駅舎が目を引きます。この駅を発着する列車は他にもロッキーマウンテニア号、アムトラックのシアトル行きも発着しています。また長距離バスターミナルとしても利用されており、比較的にぎやかな駅です。 駅の構内にはマクドナルドや売店などがあり、簡単な食事を採ることができます。また手荷物預かり所もあって一時的に荷物を預けることができます。ただ開いている時間が限られるので使い勝手はよくありません。VIAの乗車チェックイン(飛行機と仕組みが同じ)が13:00頃から始まりますので、発車前まで街をぶらっとしたい場合はチェックインを済ませ、先に荷物を預けてしまったほうがいいでしょう。荷物は下車駅でちゃんと下ろしてくれます。またチェックインカウンターにはVIAの車両案内パンフレットや時刻表が置かれていますので、記念にもらっておくとよいでしょう。 カナディアン号に使われる車輌はVIA共通のステンレス車体の客車が使われます。長距離用ということで座席車(コーチ)のほかに寝台車、ビュッフェ車が連結されます。 寝台車はランクが3つに別れ、それぞれ料金がかわります。一番いいのは個室でシャワーつきになります。寝台車は人気が高く、ハイシーズン中は2ヶ月前に完売することも多々あります。 日本の寝台料金より割高ですがそれなりの価値があります(部屋で食事が給仕されるとか・・・)。日本からも予約を入れれますので乗車を検討する場合は早めに予約しておきましょう。 コーチ(座席車両)のほうは一般的な座席車でリクライニングシートで日本の特急電車と同じ感じ、ただちょっぴり外人仕様でシートピッチが緩やかになっています。コーチは全車自由席で、混雑する夏場はできるだけ改札前に早くから並んでおくことをお勧めします。いい席を確保したい場合は少なくとも出発の2時間前には改札前に並ぶことをお勧めします(座席は先着順)。 VIAサイドも座席確保のためたいていコーチをいつもより多くつないで大編成にしていますが、積み残こしが出るときは、場合によってはコーチ車輌増結をして座席確保をしてくれます。(ただそうなると出発が大幅に遅れてしまいます・・・)もちろん増結は車輌のやりくりがつく場合だけなのでご注意。 カナディアン号のバンクーバ発車は夜、夏場は緯度が高いのでまだ明るい状態です。食事は済ませて乗り込みます。コーチは夜間は減光してくれ眠りやすくなります。朝になると朝食の車内販売がきます。サンドイッチ、コーヒーなどの飲み物が買えます。英語がしゃべれなくても指をさせば買えます。車内販売は1回だけしか来ませんので来たときに買わないといけません。ビュッフェの利用もできますが事前に予約が必要です。 車窓は明るくなり始めると同時にロッキー山脈越えが始まります。自然のままの大きな川や遠くの山々を見ながらカナダらしい雄大な景色が楽しめます。途中列車交換や駅で停車しながらゆっくりと時間が流れていきます。私の乗車経験はバンクーバ~ジャスパーで、17時間の長旅でした。大阪からの特急白鳥号で青森まで乗ったとき以来の鉄道の長旅でした。ジャスパーにはもちろん定刻には到着せず90分遅れの到着となりました。通常、3時間遅れることは当たり前らしいのでラッキーだったのかもしれません。 「スキーナ」号(The Skeena) 「スキーナ」号は、ロッキーマウンテン北の観光拠点ジャスパーから太平洋岸の町プリンス・ルパートを走る列車で、CNの路線を借りて3~5両のミニ編成で週3便運転されています(夏場は増結)。機関車+客車でカナディアン号と同じスタイルですがコーチのみとなってます。 現在VIAでは「スキーナ」号という呼び方は使わず、単に路線の始発終着駅の区間表示だけになっています。 この列車も完全な観光列車で、ほぼ中間点のプリンス・ジョ-ジで列車が駐泊し、2日かけて全区間昼行運転するという運行形態となっています。途中のプリンス・ジョ-ジからはかつてBCレイルでバンクーバへ行くこともできましたが旅客が2003年9月で廃止されてしまいました。現在はほぼ同じルートをロッキー・マウンテニアの観光列車が走ります。 「鉄道がある風景」/RailScape Copyright ; © Yukihiro Minami, All rights reserved. / 版權所有 不得轉載
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