解説

ドン・リバー鉄道は、メルボルンなどからのオーストラリア本土からのフェリーが発着するデボンポートに位置する保存鉄道です。デボンポートの町の西側を流れるドン川沿いの3.5kmの線路を使って運行されています。

起点となるドン(Don)駅(旧Don Township駅)は車庫兼博物館となっており、扇形の機関庫を持った中規模の施設となっています。ドン駅はクリスマスや特定の休日を除き朝9時から夕方5時までが営業時間となっており、保存鉄道自体の運行は朝10時~午後4時まで、お客さんがいれば1時間に1本程度運行されています。

運転で使われる車両は、平日・土曜日はディーゼルカーが、日・祝日にはSL+客車で運転されます。往復の所要は30分(運行10分、入れ換え10分)で、タスマニア鉄道西線との分岐駅であるコールズ・ビーチ(Coles Beach)駅(旧Don Junction駅)までを往復します。

途中の風景は、川沿いの半公園のようなところを進み、ダイナミックな風景はありませんが、小さな鉄道の旅を味わえるといった感じでしょうか。

もともと、この路線は1854年に港と製粉所を結ぶために作られた古い鉄道で、その後は木材運搬用にも使われました。島内の鉄道敷設の際、路線の延長も検討されましたが他に候補地を取られ、1963年に廃止されてしまいます。

しかし、その後保存鉄道としての復活話が出て、デボンポート市支援の下1976年にドン・リバー鉄道として一部区間が復活、タスマニアにおける保存鉄道の雄としてそのポジション確立しました。

なお、この鉄道は州都ローレストンに車庫を持ち、最後に旅客車両として使われていたDC、DP???タイプを留置させています。年に数回、この車両を使ったり、ドン・リバー鉄道の保存車両を仕立てたツアー列車を運転してましたが、2006年から線路の老朽化を理由に鉄道運営体のパシフィック・ナショナルから理解が得られず、現在まで本線上の運行ができなくなっています。

なお、このパシフィック・ナショナルは2009年末に州へ鉄道経営権を返上したため、今後本線上の走行が復活することが期待されています。


旅メモ

鉄道のあるデボンポートはメルボルンからのフェリー「スピリッツ・オブ・タスマニア」号が発着する港。フェリーでの入島の場合はこの鉄道へのアクセスは容易です。むろん、島の公共交通機関はバスとタクシーなので、基本はレンタカー利用がお勧めです。

なお、デボンポート自体にはたいした見所はないので、南西部のウェスト・コースト・ワイルダネス鉄道への訪問の寄り道で立ち寄るのがベターかと思います。


  乗車場所 (Google Map)

PHOTO GALLERY

Don

・ドン駅は各種展示場も兼ねています。少々構内は狭いですがたくさんの車両が並べられています。

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・2軸の不思議な機関車やSLもいっぱい。

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・コールス・ビーチからの列車が戻ってきました。機回しをして次の列車の出発準備です。。

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・オープンのときはこのような看板が掲げられます。

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Don~Coles Beach

・河川敷の公園風の中を列車は進みます。

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・SLが正面を向いて走るのはドン駅に戻る時。コールス・ビーチには転車台がないので仕方ないですね。

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Coles Beach

・到着したらすぐに機回しが始まります。夏休み(日本と逆)とあってたくさんの観光客が乗ってました。

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