Queensland Rail
Brisbane-Cairns 1691km
Operated by Queensland Rail
路線案内図
QLD North RailMAP (ARM)
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QRのティルト・トレインは電車タイプと気動車タイプの2タイプあり、電化区間を走るブリスベン~ロックハンプトン(Rockhampton)は「エレクトリック・ティルト・トレイン(The Electric Tilt Train)」、ブリスベン~ケアンズを走るディーゼルカーは「ケアンズ・ティルト・トレイン(Cairns Tilt Train)」と呼ばれています。現地ではこれらを特に分け隔てせず「ティルト・トレイン」と呼んでます。
エレクトリック・ティルト・トレインは1997年にブリスベン北方の中小都市を結ぶ、ビジネスユース向け列車として運行が開始され、スピードを売りにするため、直線区間では160km/h運転ができ、カーブの減速も最小に抑えるため振り子式台車の採用と路盤改良、センサー取りつけが行われました。名前の「ティルト」とは「振り子」という意味で、直訳すれば「振り子列車」となります。
ケアンズ・ティルト・トレインは電車版ティルト・トレインが好評とあって、ロックハンプトンから先の非電化区間乗り入れ要として開発。専用ディーゼル機関車2両で客車をサンドイッチするプッシュプルタイプの列車が運行します。外観は電車タイプとよく似ていますが、電車のほうが編成が短くなっています。
ケアンズ・ティルト・トレイン
さて、ケアンズ・ティルト・トレインはブリスベン~ケアンズを週2往復運転され、所要24時間をかけて走ります。運行は2002年から始まり、現在も堅調な成績を収めているようです。
夕方にブリスベンを出発、電車ティルト・トレイン午後便の少しあとの筋を走ります。バンダバーグを出ると深夜帯を走り、カーミラ(Carmila)あたりから昼行となります。戻り便も同区間が深夜帯を走る感じとなり、ケアンズを朝出発、翌朝ブリスベンに到着するダイヤです。
停車駅は電車ティルト・トレインと少し違いますが、概ね中核都市に停車するパターンとなっています。特に北部では高速移動の乗り物としてそれなりの利用客がいます。
車両内装は電車ティルト・トレインに準拠しており、エコノミークラスとビジネスクラスに分かれ、オーディオ設備が各席に装備されています。同区間を走るサンランダー号(The Sunlander)には寝台車が連結されていますが、ティルト・トレインはコーチ車両だけとなっており、ブリスベンからケアンズまでの通し乗車はかなりきついものがあります(まずいないですが)。
なお、一時はサンランダー号を置き換える話もありましたが、寝台車や食堂車を自由に組み合わせられる客車編成のほうが便利がよく、今のところ、それぞれの役割分担で住み分けされ、当面こうした状況が続くと思われます。
ブリスベン始発駅は他と同じくローマ・ストリート発。ロックハンプトンまでは電車ティルト・トレインと同じ路線を走ります。ロックハンプトンから先はさとうきび畑が広がる畑の中を進みます。山々が結構迫っていますのでどことなく日本の田舎の雰囲気さえします。
このあたりのさとうきび畑にはナローのさとうきび鉄道が張り巡らされ、収穫シーズンにはそれらを車窓から見ることができます。さとうきび鉄道のほうが敷設が早かったため、QR線路との平面クロスもあちこちに存在します。沿線にある煙突がある工場はたいていは製糖工場です。
終点ケアンズはブリスベン以来の久々に大きな町。ただ駅はこじんまりした感じで駐車場?の下にホームがあります。週5本のブリスベン行き、キュランダ鉄道が1日2往復、サバンナランダー号が週1本という発着ですので、日本的に考えればかなり贅沢な駅になるのでしょう。
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