解説

内灣線は、縦貫線新竹から内灣まで、東の山脈に向って走るローカル線です。新竹~竹中は竹中から分岐して高鐵新竹站に接続する六家線と供用になってます。新竹~六家が電車運行による30分毎のフリークエンシーダイヤとなっているため、分岐点から先の竹中~内灣が事実上の支線になっています。

六家線は高鐵新竹駅と新竹駅を結ぶ路線として2011年11月11日に開業した新線で、これに合わせて乗り入れる新竹~竹中間が複線電化・高架化されました。

2007年3月1日から新竹~竹東をバス代行運転して工事を進めてきましたが、工事後の新竹~竹中は様変わり。新駅が3つ(北新竹、世博(千甲)、竹科(新莊))設置され、竹中駅は従来1面1線の超ローカル駅から2面3線 の高架駅に大変貌。新線のようになりました。

また台北からの内灣線へのアクセスもたいへんよくなって、高鐵新竹駅下車にて六家線経由でに入れば半日旅行で訪問できるようになりました。

六家線開業後の現在、運行形態を新竹~六家は電車、途中竹中から先はこれまで同様DC運行となり、朝夕を除き内灣行きは竹中乗換となりました。竹中から先は従来通り竹東での列車交換が行われ、概ね1時間ヘッドで運行されます。平日朝夕には混雑緩和から九讃頭までの区間運行も行われるようになりました。

一方でかつて走っていた貨物列車は廃止され、竹東から先で残っていたタブレットも自動閉塞となってなくなりました。

なお、竹中から先の非電化区間では今後観光路線としての強化が図られるとのこと。蒸気機関車や光華號として活躍したDR2700(現在台東線で使 用)などを使ったイベント列車も走らせるようですがいかほどに。

かつての内灣線(新竹~竹中・セメント貨物)についてはこちら


沿線風景・路線紹介

新竹を出た列車は縦貫線との供用駅北新竹に到着。ここは貨物駅があり、レールの配線を複々線にして増線しました。北新竹を出るとカーブしながら高架橋へ。まわりはまだ田んぼだらけですが、数年で開発が進むのでしょうね。途中竹中までの2駅もまわりはこれからの開発待ちといったところ。閑散としています。

竹中駅はもともと1面1線の駅だったのが高架駅になって大変貌。1線は内灣線発着専用、2線は六家線の北行南行に使われます。竹中始発の列車は北新竹からやってきます。竹中止まりの列車は竹中駅に留置されず、到着後客扱いをやめて一旦北新竹まで回送しています。全般的に言えるのですが台鐵は車両置きっぱなしがあんまり好きじゃないようです。

竹中を過ぎ新幹線をくぐってかつてのレールへ戻ると突然ローカル線の風景になります。最初の交換駅である竹東駅(現在の始発駅)は古めかしい跨線橋がある、いかにもローカル線の交換駅という感じです。平屋の駅舎が感じよく、小規模のヤードはかつての貨物列車の発着があった名残です。

横山駅を出るとしばらくして油羅渓を渡り、九讃頭駅に到着します。大きな構内はかつて亜泥の貨物列車が入れ替えをしていた跡です。

九讃頭駅をでると急に勾配がきつくなってきます。乗り合わせた列車の運転手は、「最近暑すぎてかエンジンのパワーが出ず、たまに登れなくなるん だ」と言ってました。エンジンフル回転状態がアイドル状態に変わると勾配に設けられた合興駅に到着します。かつては台湾唯一のスイッチバックの駅 で長らく引込み線などありましたが、広い構内は公園に改造されてしまいました。

合興駅をでるとさらに列車は登りつづけ、小さな無人駅富貴(2003.10.10「南河」から駅名改称)。ホームだけの仮乗降場のような駅です。 さらに列車は登り続けると、終点内灣駅に到着。

内灣は有人駅で、南国ムードのあるヤシ系の木々がアクセントとなっています。コンクリートでできた平屋の駅は、なにか日本のローカル線の終点の駅のような感じがします。駅前にはちょこっとしたお店が並んでいましたが観光地化されてすっかり雰囲気が変わってしまったようです。(またいかなくちゃ)


撮影ガイド

竹中駅ホームから内灣線方向を。駅撮りですが築堤をあがってくるシーンが撮れます。うまくいくと新幹線と絡めることもできます。竹中駅を出て竹東方向に少し進んだ線路沿いの小道からも写真撮影が手軽にできます。

竹東駅構内は昔の日本のローカル駅の風情があっていい感じ。横山~九讃頭の油羅渓の鉄橋もいい感じです。(ただし河川敷は藪が茂り毒蛇に注意が必要。また蛇だけでなく日本と違って毒草や棘のするどい植物も多いのでむやみに河原に下りないことを強く勧めます)。

合興駅付近は並行する道路から俯瞰気味にいくつか好きなカットで。終点内灣はローカル線の終着駅の風情があっていい感じ。

あと夏場の撮影は湿度が高く温度も高いので歩きでは必ずバテます。夏場は駅の近くでの撮影がお勧めです。水も忘れずに(竹東、内灣以外はどこも小さな駅でちゃんとした店が駅の廻りにない)。

PHOTO GALLERY

■新竹

・かつては端っこの専用ホームだったのも電車化で本線と同じ並びのホームへ移動。

   -2012.4.29


■竹中

・ただの1面1線の駅がこんな高架の駅に。できて間がないのに薄汚くなってるのは台湾仕様かな。駅名標も立派になりました。

       -2012.4.29

・えらく都会の駅らしくなりましたが駅前は昔のまま。

       -2013.4.29




・内湾線列車は複線から外れたホームに入るので、六家線よりもこちらのほうが支線に見えます。竹中始発・止まりの列車はすべて北新竹へ/からとなります。

     -2012.4.29    -2013.4.29h



・ホームから内湾方向を見るとなかなかいい築堤のアプローチ。バックの新幹線とからめれるといいのですが難易度高いです。

     -2012.4.29



・順光だとこんな感じ。

        -2013.4.29





■竹中-上員

・竹中駅から線路沿いに少し歩いたところ。線路と小道が並ぶ、ちょっとした撮影ポイントです。

           -2013.4.29



■九讃頭-合興

・クロスする道路の跨線橋から撮影。このあたりはかなりの急勾配を上ってきます。

    -1999.7.19



■内灣
・終着駅らしい質素な田舎の駅。最初に訪れたときはDR1000が導入されて間もない頃でした。ローカル線ブームの前だったため、駅前も簡素でした。このとき「南河」駅は駅ではなく仮乗降場のような扱いだったのでしょうか、駅名標には記されてませんでした。

      -1999.7.19  

・2回目は平日に来ましたが観光客はチラホラいました。駅の中もローカルムードが漂います。

      -2002.9.23



・以前は2両だったのも3~4両が基本になりました。

      -2002.9.23



・このときには南河も駅に昇格。さらに富貴に今は名称変更されました。

     -2002.9.23



・当時のDR1000は復興號を名乗りクロスシートの内装でしたが、今は電車と同じロングシートになってしまいました。

      -2002.9.23



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