解説

完全自動運転を実施。2両と短い編成 スカイトレインはバンクーバ市内の都市交通で、無人運転の新交通システムの総称です。路線は3路線あり、バンクーバダウンタウンから郊外のキング・ジョージまでを結ぶ全長29Kmの「エキスポ線(Expo Line)」、その途中駅コロンビアから分岐しコマーシャル・ドライブまでを結ぶ全長20Kmの「ミレニアム線(Millennium Line)」、これら2線とは独立した系統、バンクーバダウンタウンとバンクーバ国際空港、リッチモンドを結ぶ「カナダ線(Canada Line)」があります。

スカイトレインは信用乗車システムを採用しているため駅には改札もなく、少し不思議な感じがします。また、案内窓口もまったくない完全な無人駅もあります。早朝深夜の乗車の際にはホーム中ほどにあるセイフティーゾーンで待ったほうが良いでしょう。乗車の際にはホームわきにある券売機でチケットを買います。料金はゾーンごとに分かれているので目的地までの切符を購入します。ときどき職員による抜き打ち検札が行われていて、無札での乗車が見つかると高額の罰金が課せられます。

運転はどの路線も完全自動運転となっており、各車両には運転席だろう部分に座席があります。普段は誰でも座れるようになっていますので、あいていたらぜひ座ってみましょう。パノラマを楽しめます。

※エキスポ・ミレニアム線はこちらで紹介


カナダ線

2009年8月17日開業したスカイトレイン カナダラインは、ダウンタウンとバンクーバ国際空港、郊外のリッチモンドを結ぶ全長19.2Kmの新線です。2010年開催の冬季オリンピックにあわせ2005年から工事が開始され、2009年11月末開業を前倒ししてのオープンとなりました。

カナダ線もエキスポ・ミレニアム線と同じく完全自動運転となっており、無人でのオペレーションとなっています。ただシステムは若干違い、たとえばエキスポ・ミレニアム線はリニア駆動ですが、こちらはモーターであったりします。真新しいノース・アーム・ブリッジ

またそうしたことから軌間は同じでも車両はエキスポ・ミレニアム線と互換性がなく、まったく別の鉄道といってもいいかと思います。 編成は2両1セットで車両間を行き来できるタイプです。韓国の現代ロッテ製で、各駅の構造は将来3両まで増やせる構造になっています。

ダイヤは空港行き、リッチモンド行きの交互運転となっており、フリークエンシーでダイヤが設定されています。

沿線風景ですが、起点のウォーターフロント駅は同じスカイトレイン エキスポ線のウォータフロント駅とは別に地下ホームとなっています。駅同士はウォーター・フロント駅舎を介して行き来ができるようになっており、同様にWestCorstExpress、シーバスへも雨にぬれずに移動できます。

ウォーター・フロント駅は1914年開業の古い駅で、駅舎もかなり立派な作りとなっています。もともと旧CPRのバンクーバ駅で、モントリオール行きなどへの長距離列車の発着がありましたがCPRとCPの旅客統合で、長距離列車は今のパシフィック・セントラル駅に集約されました。

すべての編成は車両どうしを行き来できるタイプ ウォーターフロント~シティーホールまでは地下シールド工法でそれぞれの線が独立してチューブのようになっています。まるでパイプの中を進んでいくような車窓となります。 中心部は地下を走行、マリーン・ドライブ駅手前で地上に出て、高架橋を走ります。 フライザー川(Fraser Rive)にかかる大きな斜張橋「ノース・アーム・ブリッジ(North Arm Bridge)」はまわりにある道路橋より立派です。

橋を越えた次の駅、ブリッジポート(Bridgeport)は空港方面とリッチモンド方面との分岐駅で、パーク&ライドの大きな駐車場とバスターミナルも併設された大柄の駅です。周りは臨海地帯の殺風景な感じですが、乗降客が結構います。 また、カナダ線の車両基地もここにあり、車庫からの送り出しはここブリッジポートからとなっています。両車両先端のガブリつきシートはおすすめ

空港方面への路線は途中地上走行区間がありますが、ハイウェイの真ん中を進む構造となります。終点手前で単線となり終点のバンクーバ国際空港(YVR-Airport)駅は1線1面のシンプルな作りとなっています。リッチモンドへの路線も空港方面同様、終点駅が1線1面構造となっています。

旅メモ

バンクーバ空港から市内への移動には大変便利です。全駅バリアフリー対応となっており、大きな荷物を持っての移動も比較的楽ちんです。

観光では特にめぼしいスポットを通っていないため、通常使うことは少ないと思われます。せいぜい使えるのはダウンタウンの地下走行区間ぐらいじゃないでしょうか。


  ◆路線図 / バンクーバレイルマップ [PDF]



PHOTO GALLERY

■Canada Line : Waterfront

・始発駅のウォーターフロント駅はエキスポ線とは別の地下ホームから発着。

       -2009.12.6.

・オリンピック期間中はすごい人手に。



       -2010.2.21.


■Canada Line : Olympic Village

・駅コンコースは地上に設置。オリンピック期間中は臨時トラムとの乗換駅でもあり、結構な乗降がありました。

       -2010.2.21.

・地下ホームはシンプルな島式タイプ。

      -2010.2.21.




■Canada Line : Marine Drive

・マリン・ドライブ駅手前で地上に出てきます。

    -2009.12.6.


■Canada Line : Marine Drive~Bridgeport

・マリン・ドライブ駅ホームからノース・アーム・ブリッジを眺めます。逆光になりますが絵になります。

        -2009.12.6.


■Canada Line : Bridgeport

・空港とリッチモンド方面との乗換駅兼、バス乗り換え、さらにはパーク&ライド駐車場接続という結構大事な駅だったりします。

      -2009.12.6.


■Canada Line : Bridgeport~Templeton

・運河を渡ってくるシーンを望遠で。テンプルトン駅から撮ります。

      -2010.2.21.

・カナダエアーの着陸と合わせて。

    -2010.2.21.



・テンプルトン駅への入線。形式写真にはおすすめです。



     -2010.2.21.


■Canada Line : Templeton

・木を多く使った内装がカナダらしさを出しています。

       -2010.2.21.


■Canada Line : Templeton~Sea Island Center

・テンプルトン南側跨線橋から。

       -2010.2.21.

・シー・アイランド・センター歩道橋から。バンクーバーの街をバックに。

    -2009.12.6.



■Canada Line : Sea Island Center

・ガラス張りの近代的な雰囲気。周りは住宅街などなく空港関連のオフィスや倉庫が並びます。

   -2009.12.6.


■Canada Line : Sea Island Center~YVR-Airport

・シー・アイランド・センター駅から簡単な駅撮りができます。

       -2009.12.6.

・空港駅ホーム端からガラス越しに。空港駅手前で単線になります。

    -2009.12.6.   -2010.2.21.




■Canada Line : YVR-Airport

・YVRとはバンクーバー国際空港の空港コード。そのまま駅につけちゃいました。

       -2009.12.6.   -2010.2.21.

・1面1線だけなので、到着したらすぐに折り返しします。乗車券は事前に買います。信用乗車制なので無札で検札にあうと有無を言わさず罰金です。

      -2009.12.6.    -2010.2.21.


・駅はブリッジのようなガラス張りのデザインがイケてます。

   -2009.12.6.    -2010.2.21.


・駅下ではなんか楽しそうにデモってました。なんでしょうな?

   -2010.2.21.



◇Canada Line : 車内

・シンプルな構造。イスも固めで少々窮屈ですが、車両自体はエキスポ線のものと比べゆったり感があります。

    -2009.12.6.


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