令和改元スペ:エストニア-ELRON

バルト三国北端の国エストニア。首都タリンはバルト海を挟んでフィンランドのヘルシンキとは90kmほど、フェリーで2時間の距離です。国土は九州を一回り大きくした広さで、人口123万人と広島市くらいの規模でしょうか、人口密度は高くない小国です。鉄道は国がインフラ管理を行い、国内旅客はエルロン社(AS Eesti Liinirongid:政府100%所有)がオペレーターとして運行しています。軌間はロシア広軌の1520mm、路線長900kmとこじんまりしています。電化区間はまだ130kmほどですが、現在幹線の電化延長工事が進んでいます。↓

(写真:Tallinn、2019.3)

首都タリンの中央駅はホームに屋根のない小さい駅。タリン近郊電車と地方非電化路線の列車がフリークエンシーで運行されています。↓

(写真:Tallinn、2019.3)

現在車両はソ連製はすべて引退し、スイス シュタッドラー製の電車ならびに電気式ディーゼルカーに統一されています。↓

(写真:Tallinn、2019.3)

2024年予定の新たな電化区間開業時に合わせシュコダから新たに列車を追加購入することが決まっています。日中はあんまり利用者が多くない感じなんですが、朝夕は混雑、列車の追加購入も必要のよう。新たな列車は電車+気動車のデュアルモードになるようです。↓

(写真:Tallinn、2019.3)

全体的に車両数も少なく、車種も2タイプ(電車と気動車)なんで、撮影側としては少し飽きちゃうかなあ・・・↓

(写真:Tallinn、2019.3)

こちらは国際列車を運営するGOレイル。国鉄の国際列車部門が独立した会社で、51%民間資本となっています。GOレイルは旅行会社も運営しています。↓

(写真:Tallinn、2019.3)

ディーゼル機関車が客車を引くスタイルで、モスクワとサンクトペテルブルグを結びます。ただ現在はコロナ禍と例の紛争で運行停止しています。↓

(写真:Tallinn、2019.3)

フィンランドを発着するアレグロほどのシェアはないですが、EUとロシアを結び数少ない国際列車でした。もともと利用客が少なかったようで運行停止による経営への影響はないみたい。なおエストニアの国際列車は隣国ラトビア首都リガとタリンを結ぶ列車もありますが、現在はラトビア側からの片乗り入れとなっています。本数少なく、線形から所要時間もかかるため首都同士の連絡は果たせてません(高速バスのほうが安くて速い)。↓

(写真:Tallinn、2019.3)

タリン駅は突っ込み型なので、入換補機が常駐?機関車ラベルのウヒヌド・デプード社はGOグループの会社です。独特のフォルムですがかつて大量購入したというGEの中古っぽいですね。↓

(写真:Tallinn、2019.3)

あっさりした鉄道なんですが、近代化され、IT大国エストニアらしい雰囲気なってます。エルロン路線のほかにも北東部ロシア国境あたりにサンドオイル&発電所の巨大な専用線(ドイツの泥炭&発電所のセットみたい)網や企業貨物専用線もあるんですが、いつか行ってみたいですね・・・。あとEU標準軌でバルト3国を貫通する「レイル・バルティカ」計画が進行中。現在、バルト三国間を通しての鉄道って支線的な路線しかなく(ソ連はモスクワ中心の鉄道網を敷いたため)、ポーランドからタリンまでをつなぐ新線が工事中。こちらも完成が楽しみです。将来はタリンから海底トンネルでヘルシンキまでを結ぶ予定。ウクライナ侵攻で一気に計画が加速しそうです。↓

(写真:Tallinn、2019.3)