令和改元スペ:スウェーデン-ストックホルム-SL(1)

今回はスウェーデンの首都ストックホルムの都市交通のご紹介。ストックホルムの都市交通は「SL」と呼ばれ、首都圏でのSJ路線を使ったSバーン的な路線、地下鉄、路面電車、郊外電車含めSJ以外の鉄道を一手に引き受けています。こちら地下鉄、有名なスルッセンの跨線橋付近からの撮影ポイント界隈から。↓

(写真:Gamla stan~Slussen、2018.3)

スルッセンはストックホルム南部の路線がまとまる箇所。赤・緑・青の3系統があり、末端部で分岐するなどで放射状に延びてます。ラッシュ時は列車がひっきりなしに運行されています。↓

(写真:Gamla stan~Slussen、2018.3)

現在地下鉄は旧型車のCx系を新しいC30系へ置き換え中。旧型は3タイプ残っていて、まずはこちら、一番の古豪C6系。登場が1970年と結構な年数がたっています。ロット番号2000番台がC6の編成。2両1ユニットでラッシュ時は4連8両編成で運用に就いています。C6はグリーンラインとブルーラインで使われていますが朝夕のラッシュ時の運用が中心。↓

(写真:Gamla stan~Slussen、2018.3)

こちら、1300番台のロット番号はC14系。C6と見た目は全く同じです。正面おでこの方向幕の枠が2つか3つか・・くらいなのかな。ロット番号は若いですが、C14の登場は1985年からでC6より一回り若いんです。↓

(写真:Gamla stan~Slussen、2018.3)

そして同じく1985年登場のC15系。中間に挟まれた1200番台がそれ。C14とC15は同時期に作られ、まったくの新製品がC15、旧車両の流用品を使ったのがC14という棲み分けらしい・・・。C6とC14、C15は2両1ユニットであり、結構混成編成が走っています。↓

(写真:Gamla stan~Slussen、2018.3)

Cx系の中にはご覧の白が多く配色された車両もあるんですが、こちらはC6系の運転台を改造したものとのことで、わかるようにするため配色を変えているようです。↓

(写真:Gamla stan~Slussen、2018.3)

Cx系がストックホルム地下鉄の顔だったんですが、ここの訪問がもう4年前。大半の車両は2020年登場のC30系に置き換えられたそうです。Cx系は地元アセア製ということからでしょうか、C6の一部車両は廃車されず別路線で改造の上継続使用されるとのこと。↓

(写真:Gamla stan~Slussen、2018.3)

そして日中はほとんどの車両がこちらのC20系が使われています。いまはC30も混じってるんでしょうね。C20の登場は1997年。新しいフォルムに見えますが登場から20年経っています。2020年からは車両更新が行われています。↓

(写真:Gamla stan~Slussen、2018.3)

C20は3両1ユニットの連接車構造。3連で9両編成で運行されています。北欧の人はギュウギュウ詰めが大嫌いなんでラッシュ時でも比較的楽になるよう編成が長くなるようです。(でも体は触れ合わないけど平日朝は結構混んでる)↓

(写真:Gamla stan~Slussen、2018.3)

C20系には側面がコルゲート構造になっていないC20Fという亜種もいます(写真手前3両がそれ)。↓

(写真:Gamla stan~Slussen、2018.3)

ストックホルム地下鉄駅は防空壕の役割もあり、岩盤の下を刳り貫いて作られていたりします。ここブルーライン始発のクングストラッドゴーダン(王立公園)駅もその一つ。↓

(写真:Kungsträdgården、2018.3)

ガムラスタンを除けばたいていの駅は岩盤くり貫き構造になっているようです。北欧の人が持つロシアの脅威って半端ないんですよね。ただ、駅を単なる防空壕がわりとせず、くり貫きのままだと殺風景だからでしょうか、それぞれ凝ったデザインでアレンジされています。ちょっとした斬新アートの美術館かな、このあたりが北欧の余裕というか、おしゃれ心というか、勉強になるところです。↓

(写真:Tekniska högskolan、2018.3)

さて続いてトラム。ストックホルムのトラムはここ最近整備されたもの。実はスウェーデンはかつて車の通行は左側通行でしたが1967年に右側通行に変更、その際混乱を避けるため併用軌道のトラムは廃止となりました(一部専用軌道は残る)。左側通行時代の名残がSJや地下鉄、トラムのノッケビュー線に残っています(鉄道は右に変更しなかった)。ストックホルムもその1つでしたが、最近の欧州でのトレンドでもあるLRT再構築の流れで2000年代に入ってトラムが復活、右側通行として新たに整備されました。一番長い路線はストックホルム西側~南側を走るTvärbanan(横断線)。放射状に延びる地下鉄との連絡を果たします。2000年から路線拡張が始まり、すでに計画の8割がた完成したのかな。↓

(写真:Mårtensdal~Gullmarsplan、2019.6)

Tvärbananの運用車両は3形式。開業時に導入されたこちらボンバルディア2両1ユニットのA32タイプ。トラム車両での一大勢力。このLRTは新設なので大半が専用軌道、併用軌道部分もありますが緑道化されていたりして新しい考え方のLRT設備になっています。↓

(写真:Mårtensdal~Gullmarsplan、2019.6)

そしてこちらは2013年の路線拡張時に導入されたCAF製のA35タイプ。旅客増対応で3連接車にアップグレードされました。このほかにもA35増備車であるA35そっくりさんのCAF製A36も混じって走ります。そっくりさんのロットナンバーは500番台です。↓

(写真:Mårtensdal~Gullmarsplan、2019.3)

こちら、ストックホルム中央駅に一番近いトラム「SpårvägCity」は1991年にスカンセン界隈の観光トラムとして復活。その後交通システムに組み込むべく2010年に本格的なトラム車両が導入されました。↓

(写真:Styrmansgatan~Nybroplan、2018.3)

2018年には中央駅付近まで延伸。利用者も一気に増え、観光にも一層便利になりました。とはいえ、夏の観光シーズンは沿線にスポットが多いのでかなりの混雑。↓

(写真:T-Centralen、2019.6)

観光トラム時代は駅まで行かず、ここ、ノイブロ広場とスカンセンとを結んでいました。現在も旧型車両を使った運転を行っており夏場のハイシーズンには出てきます。↓

(写真:Nybroplan、2018.3)

車両は2013年以降増備されているCAFのA35タイプ。先述のTvärbananでも使われています。↓

(写真:Kungsträdgården~T-Centralen、2019.6)

もともと刷新化初期に導入されたのはボンバルディア製のA34タイプ。かつてはA35と一緒に使われてました。で、写真左側でCAFとの並びなんですが、正面からなのでわかりにくいですが、A35はA34と同じ3連接車ですが、輸送力はA35のほうがあることでA34はノルショーピンへ転属させられました。↓

(写真:T-Centralen、2019.6)

続いてストックホルム北を走るリディンゲ線。地下鉄レッドラインRopsten駅からリディンゲ島を結ぶ路線で全線専用軌道を走ります。車線変更で廃止されずに残り、地下鉄の補完的役割をしています。一部複線部分もあるも大半が単線となっています。複線部分は他のトラムと同じく右側通行です。使われる車両はCAF製のA36タイプ。Tvärbananでも走ってますね。↓

(写真:Ropsten、2018.3)

2015年に近代化が完了してますがかつては貨物線も兼ねていたことから古い設備は重厚。島へ渡るオールド・リディンゲ鉄は年代物の可動橋(フラップが上がるタイプ)でかつては道路との併用橋でした。現在は1トラックをトラム専用、もう片方は歩行者専用道路となっています。将来的にはトラム線のSpårvägCityとの接続を計画しています。この他にもアルビックから分岐するノッケビュー線がありますが、こちらも専用軌道で車線変更時に廃止されず残った路線。現在も左側通行となっています。Tvärbananと線路はつながっているんですがTvärbananは右側通行なので車両供用はするも直通運転はしていません。ストックホルムのトラムは地下鉄路線の補完的役目から近年積極的に路線延長をしており、10年後は壮大な路線網になっていそうです。↓

(写真:Torsvik~Ropsten、2018.3)