★民営化で生まれた92の会社
国鉄民営化後の各社のサービスは、国鉄時代に比べて概ねサービスがよくなりました。車両の近代化、 駅の改装など日本の民営化と同じようなものです。 ただ、旧国鉄を引き継いだ92社中黒字経営は1社しかなく各社とも経営状態は芳しくありません。 ローカル線の存廃も日本同様問題となっており、民営化に伴って不採算路線がかなり廃止されています。
ここ数年、イギリスの鉄道は事故が多発しています。事故の理由は、主に3つとされ、 1つは合理化によるもの、もう1つは分割による統制力の低下、最後に施設の古さが上げられています。 各社とも赤字脱却を目指そうとして過剰な合理化を行い、それが原因となって人為的ミスなどで事故が発生、 また、運行は各社に分断していているため、その調整や規範に違いによるミスで事故が起こったりします。 そして古きを大事にする国民性のため、鉄道施設が古く、それが事故の原因となっていることも多いようです。 大体年に一度は死人の出る大事故が起こっています。イギリスでは飛行機に乗るよりも列車に乗るほうが危ないという人さえいます。 実際私の滞在した2週間の間にも、 インターシティーと貨物列車の正面衝突事故が発生し、何人か死んでいました。 各新聞はダイアナの死と同じくらいにこの事故を扱い、事故の多発する旧国鉄の問題を取り上げていました。 イギリスの鉄道の車窓は、都市部を出ると突然に田舎の風景になります。煉瓦や石を使った村々やひつじ群れる牧場を目の当たりにします。 特にスコットランド地方は非常に牧歌的風景で、宮崎アニメの天空の城ラピュタの世界に鉄道が走っているといった感じです。
イギリスの鉄道は、どことなく日本の鉄道と良く似ています。 日本の鉄道がイギリスの国鉄を真似て作られたからだと思いますが、 それにしても腕木式信号といい、駅の窓口やプラットホームといい、車内販売まで日本の鉄道とそっくりです。 鉄道はスピードが売り物といったようです。どの列車も猛スピードで、ローカル線でも1両の気動車が猛スピードでぶっ飛ばし、 大丈夫?といった感じです。車で並走しましたが140KMほどのスピードを出していました。フランスと共同でコンコルドを作った国だけにスピードへの関心は他国とは違うのでしょうか。 ちなみに、バスもとんでもないスピードで走っています。 私がケンブリッジから乗った2階建て路線バスは、車を猛スピードで追い抜くという日本で見られない運転でした。しかも運転手は女性・・・。 このときは2階に乗っていたので、追い越し時に遠心力でバスがこけるのではという感覚が恐かったですね(スリルありますが)。今までに横転事故がないのかが不思議なくらいです(地元のお客さんはけろっとしていたので日常ごとなのでしょうね)。
列車はおおむね日本の特急車両並みで、すべてクロスシートです。また、ところどころに
テーブル付きのゆったりした席もあります。
車種はインターシティーという特急のようなものと普通列車とありますが、特別料金はありません。 指定席は基本的にありませんが、席の予約をすることができます。予約料は2£(400円弱)、 そして予約された席はこのように 座席にRESERVEDと書かれた札を入れられています。予約区間は座れませんが、区間外なら自由席扱いです。
荷物などは、日本と違って車両に必ず荷物置き場が設置されているので安心です。ただし、地下鉄や近距離メトロなどにはありません。 大きな駅ならコインロッカーが設置されている駅があります。ただ、駅のコインロッカーはIRAのテロ防止のため、使用禁止になっている駅もあります。 駅内にあったところはエディンバラ、リーズ、オックスフォードに、駅外だとケンブリッジにありました。 エディンバラなどは爆発物チェックなど厳しいもので、まるで犯人扱いでした。 コインロッカーは場所や時間が限られているため、同じホテルに二度泊まるようなら、そこで預かってもらうようにしたらいいでしょう。 私はそうしました。
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