解説

バンコクとタイ東部のカンボジア国境に近いアランヤプラテート(อรัญประเทศ Aranyaprathet)とパタヤ方面のバンプルタルアン(บ้านพลูตาหลวง Ban Plu Ta Luang)を結ぶ東本線は準幹線で、長距離旅客列車はアランヤプラテートへ1日2往復、パタヤ方面のバンプルタルアンへ1日1往復運転されます。

バンコク近郊では分岐駅となるチャチュンサオ(ฉะเชิงเทรา Chachoengsao)までコミューター的な列車が合間に設定されています。

東本線は基本貨物運用がメイン。力を入れれば旅客でもそこそこお客さんが取れると思うのですが、高速道路が発達しすでに移動手段はバスに取って代わられています。バスのほうが早くて冷房も効いているという具合。

路線はバンコク-フワランポーン駅を出た列車は北本線と並走後、進行方向右に分岐します。そのまま分岐駅のチャチュンサオまでほぼ東に進みます。チャチュンサオで二手に別れ、それぞれの目的地へつながります。貨物列車はパタヤの南にあるサタヒップやタイ最大の港ラムチャバンからフアタケにある貨物ターミナルや東北本線へつながるバイパス線を使って旅客列車より頻度ある運転がされているようです。

旅客列車はDCと客車が使われ、近距離列車は客車4~6両、DCは3~4両の組み合わせがよく使われています。

バンコク市内は北本線分岐点~マッカサンまでは線路脇にはスラムがつくられ、また線路上にはゴミが散らかるなど東南アジアっぽい雰囲気があります。町の真ん中を走っていますが本数が少なく、市内電車の色合いはありません。

また分岐点~マッカサンは見た目は複線ですが、北本線バーンスー駅へ行き来する列車は北側路線を、フワランボーン駅へ入る列車は南側路線を使う、複単線となっています。マッカサンから先は単線となり、フアマーク~チャチュンサオは複線(3線)となります。

なお、東本線の線路脇を使って新しく開業した新空港のスワンナプーム・バンコク国際空港までの鉄道連絡「エアポート・レール・リンク」が2010年8月23日に開業。市内のパヤタイ(พญาไท Phayathai)~ラートクラバン(ลาดกระบัง Lat Krabang)を経て、スワンナプーム空港までがきれいな電車で結ばれました。

始発駅となるパヤタイ駅でBTSに、途中のマッカサン駅で地下鉄ベッチャブリー駅に接続します。東本線とはラートクラバンとフアタケの間で分岐し、スワンナプーム空港まで乗り入れます。この新線はもともと国鉄の電車化計画の一部ですが、高架橋の欠陥などで工事が延び、かつ、資金不足から当面この区間だけの電車化のみで停滞しそうです。

タイ国鉄東本線時刻表(2013.8.27改正)


撮影ポイント

バンコク市内でもっとも手軽に撮れるのはスカイトレイン(BTS)スクンビット線パヤタイ駅からのショット。高架橋の駅の真下に東本線が通っており、改札階から安全に手軽に撮影できます。

パヤタイ駅はスカイトレイン駅としても訪問に便利な上、雨の日でもOK、空港への帰り道にもちょっと立ち寄って写真が撮れるという、とっても便利なところです。

PHOTO GALLERY

■Urupong (อุรุพงษ์) - Phayathai (พญาไท)

・北線との分岐点あたり、デルタ構造の根元部分。線路脇はスラムで木道風の通路が線路に平行して敷かれています(もしかしたらホームかも)。マッカサンの車両工場へ箱ぶ車輪貨物。

     -2015.4.4

・保線のトロッコがやってきました。このあたりのスラムは危ない雰囲気はありません。駄菓子屋なんかもあります。

      -2015.4.4



・パヤタイ駅方向を見るとエアポート・レール・リンクの途中で分断された高架が目に付きます。

         -2015.4.4




■Phayathai (พญาไท)

・BTSパヤタイ駅からの俯瞰はお手軽撮影にもってこい。こいつはかなり古い気動車日立製のRHN型。

      -2012.12.15

・朝の通勤時は結構な乗客が乗ってます。降りたひとはここでBTSやバスに乗り換えて勤務地や学校へ。

          -2012.12.15



・貨物列車のうち石油タンク車はマッカサンから分岐するメナム貨物駅からやってきます。メナム川沿いにある製油所発です。

       -2012.12.15



・ここの基本編成は客車。ラッシュ時を過ぎるとゆるーい時間となります。

        -2012.12.15



・BTS下にある踏み切り脇からの写真も悪くありません。

         -2015.4.4




・マッカサンに鉄道工場・車庫があるのでフワランボーンへのDLの単機回送も結構走ってます。

     -2015.4.4




・保線というか見回りというか、こうした動力つきトロッコが日中徘徊します。

      -2015.4.4




・日本連合(日車・日立・東急)のTHN型気動車がやってきました。以前のカラーリングを少し変えただけなんですが新しい車両みたいに見えますね。

      -2013.2.9



・エアポート・レール・リンク駅下から。ホームあるなしかかわらず両方から乗っちゃうんですよね。

         -2013.4.20



・夕方学校が終わる時間になると混んできます。とにかく乗れりゃいいってことですね。

           -2015.4.4




・お仕事帰りの時間。仕事や学校終わった人たちが家に帰ります。

          -2014.1.9



・帰宅時は編成も長くなりますね。

         -2015.4.4




・コンテナ列車がやってきました。レムチャバンから来たのかな?50年選手のかなり古いDL(GE UM12C)が牽引してるんですが大丈夫なんでしょうかね。

         -2015.4.4



・この駅で待ってる人たちって結構のんびり。小さないすは4人分しかないのでみんなホームの上に座ります。駅員の詰め所は工事現場の仮設コンテナみたいだし、まあ、機能してりゃいいってことなんですよね~

       -2012.12.15   -2013.2.9
     10 11 12 13 -2014.1.9



・パヤタイ駅の大通りの踏み切りは交通量が多くて遮断機下げるのも一苦労。下げてもバイクもひとも横断しちゃうし。寛容な心がないとタイでは生きていけません。

     -2015.4.4





■Phayathai (พญาไท)~Rachaprarop (ราชปรารภ)

・この撮影スポットはエアポートリンクパヤタイ駅の下にある高架通路の一番端っこから。ここも雨にかからないお手軽撮影ポイントです。夕方順光となります。

        -2013.4.20

・こっちサイドは昔ながらのスラムらしさがありますが衛星アンテナついて高級化しています。下へ降りる階段途中から身を乗り出すとパヤタイ駅も臨めます。

         -  -2013.4.20



・線路は通路であり庭みたいな使い方してるんですよね、列車スピードも速くないのでこんな共存できるんでしょう。

   -2013.2.9     -2014.1.9



・石油タンク車がやってきました。午前便と午後便というくらいの、かなりいい加減な時刻でやってきます。8時くらいのときもあれば10時台、午後は13時14時15時16時、どれでもありですね。曜日によって違うのかな?

      -2015.4.4


・アルストム製DL牽引の、典型的なタイ国鉄編成。機関車のカラーリングは結構コロコロ変えるのがタイ流だったりします。

    -2015.4.4





■Asoke(อโศก)

・国鉄アソーク駅は実はエアポート・レール・リンクのマッカサン駅の下にあります。ホーム1本の停車場扱いでアソーク通りの踏み切り詰め所が駅舎みたいなもんでしょうか。地下鉄ペッチャブリ駅もすぐそこなんですが、みんな名前が違うんですよね。。。ちなみに地下鉄アソーク駅はペッチャブリの次の駅だったりするんですよ。間違えないように。ちなみに駅名標は「停車場アソーク」となっています。

        -2012.12.15

・アソーク通りはいつもかなりの交通量。遮断機下ろすのがたいへんで、下ろしてもバイクがガンガン走ります。

      -2013.4.21


・やっと車たちが止まったら加速を始めて一気に駅へ到着です。

           -2013.4.21



・今度は下り列車が来ます。夕方の帰宅ラッシュで踏み切り下ろすのはたいへん。実はこの踏切は事故だらけの超有名踏み切りだったりします。

         -2013.4.21


・下りのアソーク駅ホームは上りと別のホームを使います。パヤタイ駅は上下とも同じなんですけど。案内板も何もないので旅行者は利用がきついですね。

           -2013.4.21





■Lat Krabang(ลาดกระบัง)

・ラートクラバン駅は国鉄駅とエアポート・レール・リンク駅と重なって作られています。

         -2013.2.9

・ここも撮影場所はパヤタイのようにエアポート・レール・リンクの中層部分から。日陰で楽チンです。運がよければ飛行機やエアポートリンク車両と絡められます。

    -2013.2.9


・支柱等がちょっと邪魔なんですがまあまあ撮影できるかな。グリーンをまとってる短い客車はオーストラリアからの中古です。よくラッシュ時に出てきますね。デッキがあるのにへんてこなところに両開きの扉があるのが特徴。

     -2013.2.9

・お客が多いとデッキからはみ出し客が出てきます。

     -2013.2.9





■エアポート・レール・リンク開業前:Urupong (อุรุพงษ์) - Phayathai (พญาไท) - Rachaprarop (ราชปรารภ)

・以前は樹木があまりなかったんですよね。回送の単機がやってきました。タイ国鉄の顔的存在のGE製のGEA型機関車です。

     -2004.8.1

・BTSパヤタイ駅の下は昔から駅(停留所)らしいのですが少し前までほとんどの列車が止まりませんでした。

    -2004.8.1


・かつては線路脇にはびっしりスラム街が作られていました。バックにそびえる97階建ての「バイヨーク・スカイ」ビルとなんとも対照的。

      -2004.8.1


・首都の中心地にある駅とは思えない感じでした。線路でものを拾っている人たちは何を拾っているのか良くわかりません。

    -2004.8.1


・韓国製のAPN20系ディーゼルカー。急行仕様としてよく使われています。イギリス製ASR型のコピー車両です。東本線は速達列車が撤退し、この風景は懐かしの風景となってしまいました。

     -2004.8.1


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