解説

バンコク市内を走る地下鉄はMRTと呼ばれ、施設は国営タイ高速度交通公社が保有、運行管理はバンコク・メトロ社が運営する上下分離方式を取っています。

路線は現在ブルーライン(正式名:チャルームラチャモンコン線/รถไฟฟ้ามหานคร สายเฉลิมรัชมงคล)のみで、2004年7月3日に開業。現在の逆Cの字の路線20.8Kmの運行が始まりまし た。洪水の多いバンコク市内で地下鉄?という疑問もありますが、駅コンコースの取り合いなど考えると地下のほうが場所を確保しやすいので地下になったのかもしれません。冷房も効きますし。

運行は朝6時~24時まで、5~10分間隔くらいで運行されています。車庫は途中のタイ文化センター(ศูนย์วัฒนธรรมแห่งประเทศไทย)駅から分岐してフワイクワン地区の地上に設けられています。 将来を見越してか、かなり大きな敷地が確保されています。

現在両端部分からの延長工事がおこなれています。フワランポーン駅から西にラックソーン駅までは、チャオプラヤ川をくぐり、ターブラ駅付近で地上走行となり以降終点まで高架橋を走る予定です。途中バーンワー駅でBTSシーロム線と接続します。

バーンスー駅からは途中地上に出てパープルライン(建設中)タオプーン駅を経て西へ同じくチャオプラヤ川を渡って進路を南に取り、国鉄トンブリ駅を経てブルーラインのターブラ駅とつながります。ターブラ駅ではクロスで交差する形になり環状運転にはなりません。開業すると王宮あたりへの便やバンコクヤイエリアの中心地へのアクセスが格段によくなります。2016年開業予定ですがタイなのでいつになるやら・・・ただし高架工事はかなり進んでいます。

ブルーラインの車両はシーメンス製でほぼBTS車両とそっくりです。将来BTSと乗り入れできるように とのことで車両サイズ・軌間1435mmとも共通化が図られたとのことですが、今のところレールをつなげる話は出ていません。

全駅ホームドアが設置され近代的な設備です。日本の円借款がフルで使われており、自動改札機や券売機などは先進国となんら変わりありません。

乗車券はICトークンとICカード「スマートカード」が使われ、紙タイプの乗車券はありません。ICトークンはプラスチック製のコインサイズで、エアポートリンクで使われている ものとサイズは同じです。乗車前に券売機で購入、入場時はタッチ、出場時はコイン入れに入れて外に出ます。

ICカードは事前にチャージしておくタイプで、スイカやイコカと同じで使い方も同じです。1日乗車券や回数タイプなどの専用ICカードも用意されています。BTSで使われるラビットカードとの共通性はなく、MRTだけにしか使えません。将来は共通化が図られるとのことですがいつになるやら という感じです。ICカードの購入・ チャージは窓口のみとなっています。

なお、構内では飲食が禁止されていますので注意が必要です。また構内に入るに あたって金属探知機による荷物チェックが行われています。探知機をくぐってブザーがなったら鞄の中身を係員に見せなければなりません。

ただバンコクっ子は慣れていているのか、ブザーが鳴ってもささっと対応するため不思議と行列にはなりません。そんなことからMRTを使ってのスーツケース移動はあまりお勧めし ません。


路線紹介

現在開業している区間は全線地下路線となっており、車窓はまったく楽しめません。ただ地下深いところを走るので暑いバンコクでの避暑地がわりに使えますし、BTSと合わせ技で市内移動には便利です。

起点のバンスー駅は国鉄バンスージャンクション駅と連絡、郊外から帰ってくるときの乗り換えに便利です。国鉄駅のほうにはお店がいくつかあるので出発時は食料調達拠点にもなります。

チャトゥチャック公園駅はBTSモーチット駅と接続。結構ここでの乗り換えが多く、地上に上がると露店がたくさん並びます。

しばらく走ってペッチャブリー駅はエアポート・レール・リンクのマッカサン駅 と国鉄アソーク駅の乗換駅。2013年末に歩道橋ができて怖い道路を横断しなくてもよくなりました(まだエレベータとかの設備はダメなのでスーツケース持ちには使えない)。

次の駅のスクムウィット駅はBTSアソーク駅との乗換駅。繁華街の乗換駅とあってここは常に混雑しています。

4つ先のシーロム駅はBTSサーラーデーン駅との乗換駅。このあたりもデパートなどある繁華街で乗降が多い駅です。繁華街のタニヤの最寄り駅。

この先はお客さんがぐっと減って終点がフワランポーン駅。国鉄線のバンコクターミナル駅です。地下道で駅までつながっており、国鉄駅に用があるときは便利です。


撮影ポイント

地下を走るためまったく撮影場所はありません。また構内は原則写真撮影が禁止されてます。旅行者が小さなカメラやスマホで写真を撮る分にはお咎めがありませんがご注意ください。


旅メモ

エアポートリンクと接続して空港から市内移動が便利かも・・・と思っちゃいけません。接続駅のエアポートリンク マッカサン駅からは少し地下鉄の駅まで距離があり、途中歩道橋から地上に下りる部分はエスカレーターなどはありません。地上から地下駅に入る部分は上りエスカレーターはあるもくだりがない。さらに金属探知機で引っかかったらスーツケースを開けなければなりません。

ということで、MRTを介した旅行者の荷物を持った移動はまったくお勧めできません。ご注意!

PHOTO GALLERY

チャルームラチャモンコン線 バーンスー

・開業当時。入場の案内もしっかり行ってました。

     -2004.7.31

・国鉄乗換え駅ですが、市内へはちょっと遠回りとなるので大勢の乗り換えはありません。

      -2012.12.15



・国鉄駅との大差がすごい・・・地上は地下と違って喧騒な雰囲気です。

   -2012.12.15    -2013.4.21




チャルームラチャモンコン線 チャトゥチャック公園

・BTSへの乗換駅ですが歩道が狭く、またBTSは駅への通路幅が狭いので電車到着時は必ず混雑します。その上こんなに屋台が並ぶと・・・。

   -2012.12.15


チャルームラチャモンコン線 ペッチャブリー

・エアポートリンク乗換駅。エスカレーターは上りだけ。さらに歩道は凸凹。スーツケース引っ張ってはきついです。

    -2012.12.15   -2013.4.21


チャルームラチャモンコン線 スクムウィット

・BTS乗換駅兼繁華街とあって乗降客が多いです。日本人が多く住むのはこの駅の東側エリアです。

     -2012.10.19

・コンコースは広くてがらんとしています。MRTはBTSと比べると利用者は少ないです。

    -2012.12.15



・開業から10年近くたってもきれいに整備されています。外は暑いので構内は涼しくて気持ちいです。

           -2012.12.15




チャルームラチャモンコン線 シーロム

・こちらもBTS乗換駅兼繁華街とあって乗降客が多いです。歩道が狭くてなんとかしてほしいところです。

    -2004.8.1

・地下はわりと広いのでもう少し地下街の発想で地上が歩きやすくなるといいのですが・・。

      -2012.12.15    -2013.2.9





チャルームラチャモンコン線 フワランポーン

・国鉄駅とつながってますがすこし長い通路を歩きます。国鉄駅を見るには出口3番が近いです。駅構内はほかの駅との差はないですね。

      -2013.2.9


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